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2012/09/29

戦後史の正体―1945‐2012

4422300512 話題の本で、ちゃんと読んどかなくっちゃいけない本がたまっていて、やっとこの本を読了。あーあ、どうして、こんなに本を読むのに時間がかかるようになったのかなあ。これじゃあ、仕事になりません。
 孫崎さんは、お会いしたこともあるし、お話をしたこともある。とてもおもしろい人だと思う。その、問題意識ははっきりしていて、『日米同盟の正体 ― 迷走する安全保障』がその典型だけど、「日米同盟 未来のための変革と再編」のような、どこまでも対米追随的に、安保をこえるような合意を日本の政府がするようになったのかの告発にある。その視点から、戦後の日米関係を紐解こうとしている。そういう問題意識は共有できるし、ここでとりあげている対米従属をめぐる日本の政治史は、とても整理されていて、読み応えもある。多くは、多少、日米関係をかじったことのある人間なら、大体知っていることでもあるが、それが通史となっているのが痛快だ。いくつか知らない資料もあった。
 ただ、外交官としての自負なんだろうけど、「外交交渉」というところに焦点化されているので、その当事者の話に終始をしていてかなりせまい感じがする。そして、敵の敵は味方的な、整理になっていて、かなり大まかな描き方になる。実際の外交過程にはいろいろなプレーヤーがいて、その人物の顔も変化にとむ。たとえば、日本の首相だって、いろいろな顔があって、たとえば、かつての政治家は、閨閥をつくって財界と直接むすびついていただけど、財界の意向も直接反映した行動もとる。その財界がどのようなアメリカとの関係をもっていたのかを考えると、登場人物のちがった顔が見えてくるはずだ。それは、アメリカも同じで、ニクソンだっていろんな顔を見せている。日本に則して言えば。対米追随のなかにもさまざまな顔があるにもかかわらず、それを、強引な自立と従属の色分けのなるということかなあ。

 ここからは、ないものねだりだけど、孫崎さんが何を欠落させているのか。結局は、日米関係ということと、国民とのあいだにある矛盾というものが視野の外にある。だからこそ、不思議なことにこの本には、「密約」というものが、沖縄のそれ以外には出てこないのだ。安保、地位協定、岡崎ラスク交換公文も構造にせまりながら、なぜか、そのもとにある、密約群は出てこない。ここには、国民との関係でどうしても明らかにすることのできなかった取り決めがある。それは、沖縄の問題でも同じで、沖縄も、あまり出てこない。沖縄をめぐっては、50年代から深い矛盾が生じていて、そのことについて、さまざまな動きがあるのだ。
 保守のなかでも、アメリカとの関係で、いろいろな動きが出る根本には、こうした国民との関係の矛盾がるのではないのだろうか。自主外交をめざしたとされる人にも、明確に外交的なビジョンがあったようにも思えない。基地の問題1つをとっても、密約の問題は、かなり根幹にかかわるように思えるのだけれども。そういう意味では、明田川融さんの『沖縄基地問題の歴史』や『日米行政協定の政治史』のほうがずっとおもしろい。

 ただ、この本が売れているように、この間、やはり政権交代以降の政治をふりかえりつつ、こうした問題に関心がひろがっているのに注目はしたい。沖縄ではいよいよ「安保が見えてきた」という言い方もされる。そういう、問題提起をした意味でも重要な本でもあろうなあとは思う。今後の、この問題で議論は注目していきたいと思う。

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コメント

結局のところ、日米安保の正体とは、「日本を自立させないためのビンのふた」であるということこそが、真実に近いということが、明らかになりつつあるという意味では、国民全体からすれば、大いに喜ばしいことなのかも知れません。
つまりは、あの3.11の中曽根大震災が、その契機と見れば、日本が脱原発に向かうという方向性は、論理的にも筋が遠ているわけだし、アメリカとしても、その方向で圧力を掛けて頂く分には、大いに結構なことではあるものの、脱原発に向かうのを嫌がり、原発推進に向けて物凄い抵抗を繰り返し、原発再稼働をさせたのであれば、アメリカからすれば、幾らでも騙されたふりをしてオスプレイの問題で揺さぶってくることになってもおかしくは無いし、更に言えば、2030年代までに原発稼働ゼロにすると言ったところで、財界をはじめ原子力ムラが、反対したところで、相手にする必要なんか何処にもないものの、使用済み核燃料や放射性廃棄物の最終処分の問題にも取り組む必要があれば、核燃料サイクル政策を継続したりするのは、根本的に矛盾していることからすれば、アメリカにしてみれば、幾らでも、騙されたふりをして揺さぶってくる事ぐらいは当然のことですよね。
となれば、アメリカの言いなりと言っておきながら、ただ自分たちの既得権益なり都合ばかりを優先し、国民を騙すための詭弁でしか無いと思うと、もう余りにも悲しいこととしか言い様がありませんよね。
だが、日米安保を破棄しようとすれば、幾らでも可能ではあるものの、強引に破棄しようとすれば、領土問題等で、近隣諸国から揺さぶられてしまうことになるだけのことなら、対米従属か強引な自立化という2者択一では無く、そっと静かに離れつつ、これを乗り越えて、そっと静かに自立して行く道というのを選択する必要があるものの、それが無いとすれば、結局は、強引な自立というのは、単なる跳ね返りでしか無いと見れば、本質的には、対米従属と同じ穴の貉でしか無いというのも、また、真実に近いとしか言い様がありませんよね。
尖閣諸島国有化にしても、結局は自分達の都合のことしか考えていないとすれば、中国からは、それこそ騙されたふりをして揺さぶってくる事ぐらいは、当然、想定できて当然のことだし、丹羽中国大使からの警告を無視したことも、その根本的な原因でもあるとすれば、結局は、政権が自ら選択した運命でしか無いのも、また一つの真実に近いと言えますよね。
こうしたことを考えれば、その本質的には、私たち日本人の構造的欠陥というところに行き着いてしまうし、それも、理屈よりも、感情や利益のことばかりを優先してしまうという日本人特有の欠陥でもあるとすれば、その矛盾というのが空洞化をもたらし、構造的アノミー現象に繋がって、一億総懺悔の愚かな過ちを引き起こし、崩壊することになった歴史を、自ら清算し、これを乗り越えて行かなければ、再発防止には繋がらないのは当然ですが、これこそが真実でもあるとすれば、これに正面から向き合うことで、その衝撃から、物凄い痛みや悲しみに襲われることになるのは致し方ないところはあるし、誰ひとりとして罪があるわけでも無い以上、国民全体で、これを分かち合うことで、共に乗り越え、幸せに暮らして行くことが出来る社会に変えて行かなければなりませんよね。
だが、それにより、日本の相対的価値が低下し、自分達が馬鹿にされ、損するのは嫌だからと言って、真実に向き合うのを嫌がり、物凄い抵抗を繰り返したり、足を引っ張ったりすることしか出来ない勢力というのも、日本国民の大敵でもあると同時に、アメリカや中国をはじめ、全人類にとっても大敵でもあることを考えれば、それこそ、今度は、これを乗り越え変革しようとする日本国民が、アメリカと中国を味方につけて、騙されたふりをして、こうした敵対勢力を日本から、幾らでも追い払うたmの外交カードに利用すると言うのも、一つの手段として考えても良いのかもしれませんよね。
だが、ここまではしなくても、こうした敵対勢力については、全人類から邪魔されないように、何処か人目のつかないところで、そっと静かに幸せに暮らして頂ければ、それ以上に追い詰めたりすることはしなければ、それで良いのだし、日本は、世界に対して、騙されたふりをして、喜んで先進国の地位から脱落し、二流国に転落してあげることで、お互いに損することも無く、お互いに得することが出来る社会に変革して行くことにより、日本経済を共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らして行くことが出来る社会福祉国家となることで、それが日本の国益に叶うと同時に、アメリカの国益に叶うし、中国の国益にも叶うし、ロシアの国益にも叶うばかりでなく、韓国や北朝鮮をはじめ、行き着く先は世界中の全ての他国の国益にも叶う心豊かな外交へと乗り越えて行くことにより、「困った時にはお互い様」と共に、全人類が一つの絆となって、世界経済を共に支え合い、助け合い、分かち合いながら、共に幸せに暮らして参りましょう、というメッセージを誇りを持って、発信して行くことで、二度と変な戦争に巻き込まれることも無く、非武装中立で、しかも平和憲法を大切に守り、これを賢明に活かして、世界に向けて幾らでも広めて行くことが出来る様にすれば、返って、此れ程喜ばしいことは無いどころか、此れ程素晴らしいことは無いし、それにより、日本の存在感が向上して行くことに繋がるのなら、もう、これだけを、大いに誇りとして生きて行くことが出来れば、何も言うことは無いし、それで良いのでは無いかとつくづく感じます。

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