トガニ 幼き瞳の告発
夜、相方といっしょに表題の映画に行ってきた。韓国のある聴覚障害者学校で実際に起こった性的虐待事件を映画化したもの。最初から、厳しい場面が続く。障害のある子どもたちは、同時に、貧困をはじめ、さまざまな複合的な困難を背負い込む。その子どもたちにつけ込んだ虐待…。3人の子役たちと演技が、そのことを告発する。そこが一つ。その告発にいやらしさがないのは、子どもの権利、人権ということを人をあたたかく包み込む形でつかんでいるからだ。
もう1つは、主人公の描き方。なかなか安定した就職のない状況は、かの国も同じ。教職を金で買う。父子家庭の親として、家族をささえなければならない。そういう葛藤と生きづらさをかかえながら、この事件と向き合い、正義を貫くことになる。だけど、いまだ不正に満ちた社会の壁が彼らの前に立ちはだかる。怒りに満ちたミンスの行動は切なく、そして、その壁に立ち向かう彼らの姿も胸を打つ。
だけど、これはかの国の問題ではない。日本でも、6日1人、虐待で子どもが死んでいる。家族のなかだけではなく、貧困な施設のなかでの虐待の事件もあるのだ。そういうことも、この映画は問いかけているのだ。
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