朝日 「いじめと君」再考
このシリーズがはじまったとき、ボクは、批判的な意見をこのブログでのべた。今日は、尊敬する中西先生も登場した。これまで、23人の人が登場し、メッセージを発信している。
今日、あらためてそれをざっと読んでみた。中には首をかしげるようなメッセージもないわけではないけど、基本的には善意で発信されたものであることはよくわから。だから、その内容を個々に、批評しようとは思わない。だけど、やはりこの時点にたっても、このシリーズには疑問が大きい。
たとえば昨日の西原さんのメッセージはすこぶる評判がいい。たしかに、自身の体験をふまえた、心をうつ、文章だとボクもそう思う。ただ、それが、いじめられていて、おいつめられている子どもへのメッセージとして成り立つのかというのは考えるべき点だと思う。
そうじて、いじめられている子どもへのメッセージが多いが、追い詰められた子どもたちに必要なのは、「君を全力で助ける」というメッセージ以外にはあまり効果はない。だけど、そのメッセージがなりたたない現実がある。
と同時に、いじめている子どもへのメッセージも困難だ。もともと、いじめる契機になる固有の問題があり、そこに向き合わなければいけないわけだし、実際のいじめのメカニズムの中で、本人自身がそういうことに向き合ううえでの困難も存在するのだと思う。
そこで、今日の中西さんのように、いじめを見ている君へということになるのだけど、それでも、いじめのメカニズムのなかに彼らもj組み入れられているだけに。難しい。
ボクは、中西さんの文章を読んでいて、あたらめて大人の責任ということを考えさせられる。いじめを解決するのは、大人の責任であり、その子どもたちからの信用されるに足りうる大人であらねばならないと。そう、大人が子どもとの関係で、信頼と信用をつちかっていかないと、問題は一歩も、すすまない。
あらためて、「いじめ」のなかにある、子どもということについての想像力と、この問題への理解が本当に求められるときはない。だけど、やっぱりそのことは横におかれ、個別化され、問題から遠ざかり、実際におこなわれていることはそれとはまったく逆行するようなことばかり。
ほんとうに、真剣に考えなければいけない重要な転機にあるのだけど。
« 福島のメル友へ 長崎の被爆者より | トップページ | 黒い雨 ~活(い)かされなかった被爆者調査~ »
「教育」カテゴリの記事
- 杉田水脈氏に33万円賠償命令 控訴審判決、教授らの訴え一部認める 生活保護減額取り消し 静岡地裁、原告の主張認める 全国11件目 同性婚不受理は違憲 名古屋地裁判決 法の下の平等・婚姻の自由に違反(2023.05.30)
- 保育士の配置基準見直し求め 園児の保護者らが新たな団体設立(2023.05.17)
- 血液中のPFAS濃度が全国平均の3.4倍 東京・多摩7市の住民、水道水から摂取か(2023.05.16)
- 【教員不足をなくそう】自民党特命委員会提言のポイントは(2023.05.14)
- 「『不登校』から生きづらい社会を問い直す」(2023.05.13)
「メディア」カテゴリの記事
- なとく 寄宿舎の記(2023.05.12)
- 幼稚と暴力がガラパゴス化したジャパン 「日本の今」を記録したドイツ人女性ジャーナリストが混乱した(2023.05.06)
- 「変える方がよい」37% 9条、13年以降2番目の高さ 朝日新聞社世論調査(2023.05.03)
- 現場へ!)どうなる寄宿舎:1 支援学校、自立の場に危機(2023.03.27)
- (社説)日韓首脳会談 新たな協力築く一歩に(朝日新聞) うーん。(2023.03.17)
「政治」カテゴリの記事
- 杉田水脈氏に33万円賠償命令 控訴審判決、教授らの訴え一部認める 生活保護減額取り消し 静岡地裁、原告の主張認める 全国11件目 同性婚不受理は違憲 名古屋地裁判決 法の下の平等・婚姻の自由に違反(2023.05.30)
- 内閣支持率46%に上昇 G7で「指導力を発揮」6割 朝日調査(2023.05.29)
- 激しく、慌ただしい日 管理組合総会、8年ぶりの再会など(2023.05.28)
- 「大軍拡阻止と歴史の教訓、憲法の原点と平和外交を進めるために」(2023.05.27)
- 「フェミ科研費裁判が問うてきたもの」(2023.05.26)
コメント