朝日 「いじめと君」再考
このシリーズがはじまったとき、ボクは、批判的な意見をこのブログでのべた。今日は、尊敬する中西先生も登場した。これまで、23人の人が登場し、メッセージを発信している。
今日、あらためてそれをざっと読んでみた。中には首をかしげるようなメッセージもないわけではないけど、基本的には善意で発信されたものであることはよくわから。だから、その内容を個々に、批評しようとは思わない。だけど、やはりこの時点にたっても、このシリーズには疑問が大きい。
たとえば昨日の西原さんのメッセージはすこぶる評判がいい。たしかに、自身の体験をふまえた、心をうつ、文章だとボクもそう思う。ただ、それが、いじめられていて、おいつめられている子どもへのメッセージとして成り立つのかというのは考えるべき点だと思う。
そうじて、いじめられている子どもへのメッセージが多いが、追い詰められた子どもたちに必要なのは、「君を全力で助ける」というメッセージ以外にはあまり効果はない。だけど、そのメッセージがなりたたない現実がある。
と同時に、いじめている子どもへのメッセージも困難だ。もともと、いじめる契機になる固有の問題があり、そこに向き合わなければいけないわけだし、実際のいじめのメカニズムの中で、本人自身がそういうことに向き合ううえでの困難も存在するのだと思う。
そこで、今日の中西さんのように、いじめを見ている君へということになるのだけど、それでも、いじめのメカニズムのなかに彼らもj組み入れられているだけに。難しい。
ボクは、中西さんの文章を読んでいて、あたらめて大人の責任ということを考えさせられる。いじめを解決するのは、大人の責任であり、その子どもたちからの信用されるに足りうる大人であらねばならないと。そう、大人が子どもとの関係で、信頼と信用をつちかっていかないと、問題は一歩も、すすまない。
あらためて、「いじめ」のなかにある、子どもということについての想像力と、この問題への理解が本当に求められるときはない。だけど、やっぱりそのことは横におかれ、個別化され、問題から遠ざかり、実際におこなわれていることはそれとはまったく逆行するようなことばかり。
ほんとうに、真剣に考えなければいけない重要な転機にあるのだけど。
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