日本の高校生、米中韓と比べ自己肯定感が低い傾向
日本の高校生、米中韓と比べ自己肯定感が低い傾向(resemom)文部科学省は8月10日、高校生を取巻く状況について公表した。心の健康や勉強、学校生活、社会への参加意欲などについて調査したところ、日本の高校生は、米国や中国、韓国と比べ自己肯定感が低く、社会への影響力が低いと感じていることが明らかになった。
同報告書は、2011年3月の「高校生の心と体の健康に関する調査」と、2010年4月の「高校生の勉強に関する調査」、2009年2月の「中学生・高校生の生活と意識」の3つの調査をもとにまとめている。
自分自身をどう思うかについて、「私は価値のある人間だと思う」と回答したのは、日本36.1%に対し、米国89.1%、中国87.7%、韓国75.1%。「自分が優秀だと思う」と回答したのは、日本15.4%に対し、米国87.5%、中国67.0%、韓国46.8%。そのほかの自己評価に関しても米国や中国、韓国の高校生と比べるとすべての項目について低く評価している。
どのような授業が好きかについて、「生徒によく発言させる授業」や「生徒の観察力や応用力を発揮させる授業」が他国と比べて一番低い値だった。
勉強の仕方について、「教わったことをほかの方法でもやってみる」「できるだけ自分で考えようとする」「勉強したものを実際に応用してみる」「問題意識を持ち、聞いたり調べたりする」について他国と比べて一番低い値だった。
学校や社会への参加意欲について、「私は将来に不安を感じている」と回答したのは、日本77.7%に対し、米国60.6%、中国58.0%、韓国79.5%。「私の参加により、変えてほしい社会現象が少し変えられるかもしれない」と回答したのは、日本30.1%に対し、米国69.8%、中国62.7%、韓国68.4%。「私個人の力では政府の決定に影響を与えられない」と回答したのは、日本80.7%に対し、米国42.9%、中国43.8%、韓国55.2%だった。
日本の高校生は、他国と比べ自己肯定感が低く、将来に不安を感じ、自分の力で社会が変えられないと感じている傾向にあるといえる。
10日におこなわれた中教審の高等学校教育部会で配布された資料のなかにある。
この中教審の分科会では、これまでのいわゆる多様化路線のうえに、さらに、高校教育の内容にまで踏み込んで議論されている。まあ、それでも、議論している人はよくわかっているとは思えないけど。だけど、資料などには、それなりに実態は反映されている。
今週末の教育学会でも、この点は議論される。行きたいなあ。これからの教育は、どんな議論がなされていくのかなあ。
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