橋下「維新の会」の手口を読み解く-競争、統制、自己責任
いろいろお世話になり続けている小森先生の新著。文学者らしく言葉にこだわる。そこから、橋下のレトリックの手法や、その根底にある人間観、社会観の皮相さについての批判は、痛烈かつ的を射ていて、全面的に同意する。そういうおもしろさ、痛快さもこの本にはある。
ただ、橋下は敵をつくることを求めている。つまり、彼にとって批判はうれしいこと。だから、個々の問題まで立ち入って、実証的な批判こそが必要とボクは感じている。そういう意味では、ちょっとこの本はおおざっぱ。とくに教育については、事実認識の違いもある。たとえば、義務教育は相対評価で、などと言われるとね。いまの絶対評価が、本来の評価にふさわしいとは思わない問題があるけれども、そう言われるとちょっとね。競争の分析はそんなに甘くない(笑い)。このあたりをちゃんとつめてほしかったなあ。だけど、それは絶対に編集者の責任。他山の石にしなくっちゃなあ。
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確かに、橋下「維新の会」のやることには、行き過ぎた面はあるものの、必ずしも間違っている
とは限りませんよね。
仮に、敵を作ることを求めてくる相手が強ければ、こちらがまともに立ち向かえば、それこそ敵の
思うつぼになるだけのことで意味はありませんよね。
そういう場合には、それこそ、例の間抜け話ではありませんが、いざとなれば、上手く騙された
ふりをして、下手に敵対することなく、賛同出来るところは賛同してあげて上手く利用しながら、
そっと静かに欺き、相手を揺さぶり、追い詰めて行くなんてことは如何でしょうか。
「手にした権力は手段と方法を選んで使うべき」ということは、橋下さんに限らず、日本が普通の
民主主義の国へ変えていくために、大いに留意すべきことではあるし、中東の民主化をはじめ、
世界的にみても大いに学ぶところはありますね。
私たち日本国民としても、権利を行使するにあたっても、常に正しい手段と方法で行使する必要
があることは、留意すべきことでもあるし、幾ら自分達が報われないからと言って、好き勝手に
行使するようなことだけは絶対に慎むべきであることも留意する必要はあるかも知れません。
くれぐれも、「無理が通って道理が引っ込む」なんてことだけは、絶対に避けなければなりませんね。
投稿: asa | 2012/06/13 22:13