パーマ屋スミレ
鄭義信といえば「焼肉ドラゴン」、これもテレビで見た。今度の、パーマ屋スミレも3月の舞台を5月にNHKが放映し、そして、じっくりみることが出来た。舞台は、60年代。九州の炭鉱で働く在日の人々。事故による一酸化炭素中毒の後遺症が、家族を襲う。くり返される困難と試練。
ボクは大阪の、阿倍野と西成のちょうど境で生まれ、育った。だけど、炭鉱の町のその風景は、ボクの育った町のすれと同じだった。それだけで、物語に引き込まれる。つらく、苦しい思いで胸が張り裂けそうになる。
重苦しい物語を、役者たちは、明るく、したたかな人として演じきる。そう、それでも生きなければいけないのだ。
「名もない韓国人、日本人労働者たちが、繁栄の陰に常に、常に、存在してたんや…。常に、常に、日本の歴史の底辺を支え続けてきたんや…」。そう、そうのとおりだ。その思いのうえにボクらは生きている。そして、いまがある。さらに今ボクらは、やはり厳しい現実に向き合っている。「日本経済の底辺を支えている人たちのことを書きたいと思った。この国が長期的なエネルギー政策を考えず、やみくもにスクラップ・アンド・ビルドを推し進めてきたことで、人々は翻弄(ほんろう)されている。原発事故のこともあって、この話に決めた」。
タイトルには、見果てぬ「夢」がこめられている。ボクは、ずっと、泣き続けながら見た舞台だった。
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