飯舘村 一年 ~人間と放射能の記録~
今日のETV特集。つらくって…。
2011年5月、原発事故のもたらした放射能汚染によって全村避難を余儀なくされた福島県飯舘村。放射能は人々から、ふるさと、なりわい、共同体を奪った。暮らしを奪われた住民は、全村避難から1年を経過した今、何を思い、これからどう生きていこうとしているのか。
避難直後、村は「2年での帰村」を掲げ、国に速やかな除染を求めた。しかし、除染の効果的な手法は確立されておらず、本格的な除染の開始は2012年の夏以降にずれ込む見通しとなった。一向に前進しない故郷の回復、長引く避難生活。住民はいらだちを募らせ、心身への負担も日に日に増している。国による除染は本当に可能なのか、そして、いつ村は元に戻るのか。放射能への科学的評価は定まらず、誰も明確な見通しを描けていない。
判断に資する確かな見通しがない中、人々は、それぞれの「生き方」をかけて、人生の選択にのぞんでいる。先祖伝来の土地を守りたいと独自に除染を開始する者、別天地での農業に希望を見いだす者、将来を見通せず立ちすくむ者・・・。放射能は、事故前に確かにあった未来を人々から奪っていった。そして今、人々はその重荷を背負いながら、新たな未来を描こうともがき始めている。
番組は、原発事故直後から取材を続けてきた家族たちに密着。史上類を見ない大規模放射能汚染が人々に何をもたらし、そこからどう立ち上がろうとしているのか。1年3か月に及ぶ長期定点取材で伝える。
とっても厳しい現実。村そのものが奪われるという現実。昨年の番組でも出ていた家族も、その後を追いかけている。だけど、1年たっても、何の展望も出ない。どれだけの手立てが講じられたのか。家族も引き離され、そして…。棄民であり、流民を強いられる人々。村が奪われるということがどういうことが、それでも生きていくということがどういうことか。ああ、やっぱり想像力がなさすぎる自分は反省を迫られる。
そして、この現実と国会の風景とのあまりにもの乖離…。少なくとも、この飯舘のある国の政府や国会じゃないよなあ。
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