孤族の国 ひとりがつながる時代へ
朝日新聞の連載が、ずいぶんたって本になった。ふり返って見ると、NHKの無援社会があり、この連載があり、貧困という問題は、無縁と社会的排除というステージにうつった。これはたしかに、貧困を生みだす社会的な構造から離れる、ともすれば絆だとか、縁だとかに置きかえられかねない危険性をもつ。よりりそいという言葉が、若者の困難の背景の問題からすりかえられかけないと同じように。
だけど、同時に、その貧困のありようは複雑で、複合で、形態としては社会からの排除という形をとる。実践的には、つまり問題の入り口と出口は、このような形の問題としてとらえざるをえない、そういう問題であると思う。
そういうしっかりした議論をしなきゃいけない。そういうところから出発した分析をしなければいけない。そこには重い現実がある。「家族」に縛りつけ、抑え込む社会の構造…。うーんなあ。
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