大震災と子どもの貧困白書
「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワークの二冊目の白書です。大判で持ち歩けないのが難点ですけど(苦笑)。たっぷり読み応えがあります。
「つなみはどろうぼうだ 私のたからものをぜんぶもっていったよ」――東日本大震災は、子どもたちと家庭の生活を新たな貧困を生みだしました。しかし、復興への取り組みは、もともとの日本の社会保障の脆弱さとあいまって、子どもたちの貧困を置き去りにし続ける現状が残されています。同時に、大震災は、もともと困難な生活を強いられていた人たちをさらなる苦境にさらしています。とりわけ、被災の地には、過疎が広がり、地域の衰退がすすんでいたところが少なくありません。しかし、政治はそのことに十分目を向けてこなかったのです。
今いっそう格差が広がり続け、「過去最悪」となった子どもの貧困率一五・七%の実態に迫ります。もちろん、震災後の貧困の全容は、本書で語りつくされているわけでは決してないし、まだ可視化されていない問題が少なくはありません。しかし、本書にはその当事者の声、実態と、子どもたちに向き合う支援者たちの取り組みが集められています。「どんなときにも、どんな子どもたちにも、育ち、学び、暮らすことを保障するセーフティネットを」。そういう政治の実現を急ぐとともに、私たち自身が子どもたちに向き合い、よりそいたいと、そう痛感させられるのです。
« 真実 新聞が警察に跪いた日 | トップページ | 東電利益 家庭から9割 電気料金審査委 販売量は4割弱 »
「教育」カテゴリの記事
- 体験談を積み重ねて見いだした「軍隊は住民を守らない」 平和教育の専門家、西田氏の「謝罪」による沖縄ヘイトを危惧(2025.05.10)
- 自民・西田氏の「ひめゆり歴史書き換え」発言、県議会が抗議へ 自民県連の動向注目 沖縄(2025.05.06)
- 戦犯死刑囚 スガモプリズンの日々(2025.04.26)
- あえぐ地方大、探る活路 県唯一の法学部、単科大募集停止(2025.04.23)
- 川崎市で年度当初の教員未配置122人 市民団体「解消を」訴え(2025.04.22)
「読書」カテゴリの記事
- 6月号ができています(2025.05.11)
- 沖縄県民の戦場動員は行政にも責任 関東学院大名誉教授の林博史さん 4月17日発刊の新著で網羅的に解説(2025.04.17)
- 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(2025.03.11)
- 絵本作家のいわむらかずおさんが逝去 フジテレビ労組、組合員が急増 専務が労組とのやり取りで辞意表明(2025.01.23)
- いのち・人権・平和、 響きあう想いをことばにのせて 落合恵子 × 藤井克徳(2025.01.22)
「政治」カテゴリの記事
- 自民、参院選公約に「消費減税」盛り込まず 財政重視をアピール(2025.05.14)
- 「日本軍は県民を殺していない」 沖縄戦を巡り参政党・神谷代表 自民・西田氏の発言に同調 青森で街頭演説(2025.05.13)
- 旧日本軍の元従軍慰安婦が死去、生存者は6人に…韓国政府「残された被害者の名誉回復に尽力する」(2025.05.12)
- 6月号ができています(2025.05.11)
- 体験談を積み重ねて見いだした「軍隊は住民を守らない」 平和教育の専門家、西田氏の「謝罪」による沖縄ヘイトを危惧(2025.05.10)
「経済」カテゴリの記事
- 自民、参院選公約に「消費減税」盛り込まず 財政重視をアピール(2025.05.14)
- 旧日本軍の元従軍慰安婦が死去、生存者は6人に…韓国政府「残された被害者の名誉回復に尽力する」(2025.05.12)
- 在日米軍 性的暴行2070件 横須賀突出 半数は沖縄県内 8年間の申告数(2025.05.08)
- 玉木雄一郎氏 日本経済復活へ“働きがい改革”提唱 「残業減らそうみたいな話だけど、私はむしろ…」(2025.05.01)
- 【速報】女子高校生殺人事件 逮捕された男(25) 新たな供述「制服着た女子高校生を包丁で殺した」と容疑認める 「殺害する女性を探していた」「自分は社会の底辺にいる」とも供述(2025.04.30)
コメント