東電利益 家庭から9割 電気料金審査委 販売量は4割弱
いや、さすがにこの記事には驚いた。たぶんそうだろうとは思っていたし、いわれてもいたのだけれども。
東電利益 家庭から9割 電気料金審査委 販売量は4割弱(東京新聞)東京電力が申請した家庭向け電気料金の値上げの妥当性を検証する経済産業省の審議会「電気料金審査専門委員会」(委員長・安念(あんねん)潤司中央大法科大学院教授)は二十三日、東京電力などの全国の十電力会社の収益構造を明らかにした。東電の販売電力量の六割は企業など大口利用者向けだが、利益の九割は家庭向けで上げていた。
全国平均でも傾向は同じで、家庭向け料金が企業向けより、大幅に割高になっている実態が初めて明らかになった。
経産省が全国の電力会社の二〇〇六~一〇年度の販売電力量や電気事業利益などの比率をまとめた。東電管内では年度平均で、企業向けの販売電力量が千八百一億キロワット時で全体の62%を占め、残り38%の千九十五億キロワット時が家庭向けだった。一方で、利益は家庭向けが千三百九十四億円と全体の91%も占め、企業向けは百四十三億円とわずか9%だった。
この日の審議会で、東電の高津浩明常務は企業向けの利益が少ない理由について、「新潟県中越沖地震で柏崎刈羽原発の全号機停止や燃料価格の歴史的な高騰で、燃料費の比率が相対的に高い(企業向けの)自由化部門の収支が悪化したため」と釈明した。
全国でも、企業向けの販売電力量が全体の62%を占め、家庭向けが38%だったの対し、利益は家庭向けが69%を占め、企業向けは31%にとどまった。…
これは、いわば国家的詐欺だよなあ。しかも、このことが、ずっと隠されてきて、なおかつメディアの調査報道もまともにはなかったこと。そのことが恐ろしい。
同時に、こうした構造がどのようにつくられたのか。それが規制緩和であり、構造改革だということ。企業向けの電気料金は自由化され、自由に価格を設定できる。競争で、販売価格を下げたため、利益幅も少なくなる。一方、家庭向けは電力会社が独占していて、しかも「総括原価方式」に守られているから、ここで利益が得られる。いやはや構造改革とは何のためにあるのかを示している。それはいまも変わらないんだろう!
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ここ数日、上の
左側の歯茎が
ものをかむと
痛くなってきました。
え、もしかして
歯周病?
前にもあって、
歯茎マッサージを
していたら治って
しまったんですが、
今回はおさまりません。o(;...... [続きを読む]
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これもやはりと言うしかございませんね。
田中宇の国際ニュース解説でも、日本が原発再稼動が出来ないのは
アメリカからの強い圧力があって事実上、再稼動が禁止されている状況
にあるとすれば、もう、やっぱりとしか言い様がございませんね。
アメリカのペンダゴン勢力に、これまで日本の原子力村が貢献してきたこと
からすれば、アメリカも経済成長は期待出来ないばかりか、こうしたペンタゴン
を少しでも弱体化させたいのに、それを阻害するだけのことだとすれば、沖縄県
の普天間基地問題でも、それまでの日本の贈賄に近い辺野古移設を振り切って
でもグアムやオーストラリアをはじめとする国外移転を先行させようとする動きから
すれば、日本の戦国時代の「敵は本能寺にあり」というのを、アメリカをはじめ
世界中からすれば、「世界の敵は日本にあり」と言われても致し方ありませんね。
日本国民からすれば、悲しいこととしか言い様がありませんが、幾らアメリカの言いなり
になるばかりでは情けないものの、アメリカから原発再稼動を事実上禁止されている以上
まともな国民からすれば、この点だけは、アメリカに従って、原発に頼ることの無い社会を
目指して、脱原発を進めると同時に電力改革をはじめエネルギー政策を含めて統治機構
そのものの全面的に変えて行くしか無いことは当然のこととしか言い様がありませんね。
国民にしてみれば、「敵はアメリカや中国ではなく、国内にあり」ということで、それこそ
騙されたふりをして、こうした国民の敵を幾らでも他国に売り飛ばすような外交カードに
上手く利用することで、日本はもう幾らでも衰退し、ただひっそりとした国となっても構わない
のだから、日本の国益が他国の国益に結びつくことが出来る様にすれば、遥かに喜ばしい
ことでは無いでしょうか。
投稿: asa | 2012/05/24 20:15