『不当な支配』と教育の自由
今日は、午後から、このシンポ。教育法学会の総会の共通タイトルが表題でシンポのタイトルが、「『不当な支配』 の諸形態」。報告( 1 )が「不当な支配と条例-政治主導の大阪「教育条例」を素材に-」と題して、丹羽 徹さん。報告( 2 )が「教科書採択の歴史的変遷と地方自治-沖縄・八重山採択地区の問題を中心に-」と題して浪本勝年先生、そして報告( 3 )が「議会、教育委員会による教育実践への介入と「不当な支配」」ということで弁護士の木村 真実さん。
なるほど、あらためてこの数年、どのように不当な支配が展開されてきたのかを考える。そう、明らかに明確なのは、かなり直截な政治による介入なんだもの。問題は、その政治の介入を是とする議論が、一定の規模で広がり、場合によってというか、多くの場合、その市民の支持を得ていること。これってどうなんだろう。沖縄のように、市民が批判の側にまわる場合もあるけれども、大阪のようにねえ。
そのときに、あらためて不当な支配という教育にたいして、明示されたことを、しっかり押し出すことは、憲法の原則を守っていくいくうえでもものすごく大事な問題だと思う。そういう意味で、すごく、刺激をうけた話でもある。そのうえで、考えさせられたことは、この不当な支配そのものをどううけとめていくかという理念をいまどう考えるかをもっと深めたいということ。もっと深めたいんだけど。
その関係だ2つめに、そういう理念を現実とどう切り結んでいくのかと言う問題。これは法解釈のレベルと、もう一つは、社会的な共通認識としてどのような合意をつくっていくのかという問題がある。ここの学会は、ここ数年、ともすれば、狭い法解釈を優先するところがあって。それはそれで大事なんだろうけれども、それだけでいいのか。法律にもとづく社会的な合意をひろくどうつくるのかということこそ、教育条理にもとづく法律にかかわる学会のはたす役割なようにも思うんだけどねえ。どうなのだろうか。大阪と東京の違いが話題になったけど、ここいらの点は、いわゆる調整問題とも絡んでくるようにも思えるけどね。
現実に大阪などでおこっていく問題をどう押し返していくのかという点では、なかなか答えをみつけるような議論にはならないけれども、まずはいろいろな視点や問題の角度を提示してもらったので、それはそれで、大事な収穫のある時間だったとも思いますね。
« 孤族の国 ひとりがつながる時代へ | トップページ | 海自艦船が撃沈訓練 10年のリムパック »
「政治」カテゴリの記事
- 安倍内閣支持、低迷31% 不支持52% 朝日世論調査/安倍晋三首相の説明「納得できず」79% 加計・柳瀬唯夫氏「喚問を」66%、内閣支持37%に下落 共同通信世論調査(2018.04.16)
- BS1スペシャル「ブレイブ 勇敢なる者“えん罪弁護士”完全版」(2018.04.16)
- 天皇の身体と皇位継承-歴史から考える-(2018.04.15)
- 写真展「The Voice of Life 死と、生と」(2018.04.15)
- 連鎖する貧困(2018.04.11)
「教育」カテゴリの記事
- 連鎖する貧困(2018.04.11)
- 特別支援学校 減る寄宿舎(2018.04.09)
- #失踪 若者行方不明3万人(2018.04.08)
- 文科省が授業内容などの提出要求 前川前次官の中学校での授業で(2018.03.15)
- 公開「教育課程」研究委員会 新学習指導要領の総合的検討 梅原利夫先生 和光大学ご定年記念/新学習指導要領でどうする? 子どもと教育 高校の新しい学習指導要領とは?(2018.03.10)
トラックバック
この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/59689/54814759
この記事へのトラックバック一覧です: 『不当な支配』と教育の自由:
コメント