検証 高速ツアーバス事故
今日のクローズアップ現代。容疑者の、バスを所有しての仕事の話など、よくわらない容疑者をめぐる問題にどうしても報道がむかうが、あらためて考えるべきはこのバス事故の業界のもつ固有の背景だ。
先月29日、金沢市を出発し東京ディズニーランドに向かっていた大型バスが、関越自動車道の道路脇の壁に衝突。乗客7人が死亡、39人が重軽傷を負った。バスの運転手は「居眠りをしていた」と語り、道路にはブレーキをかけた跡がなかった。料金の安さや手軽さから急成長した高速ツアーバス。平成17年におよそ23万人だった利用者は5年間で600万人にまで増加した。その一方で、価格競争は激化。国は、安全面にしわ寄せが起きないように、様々な対策をとってきた中での事故だった。なぜ事故を防ぐことはできなかったのか。なぜ何より大切にされるはずの乗客の命を守れなかったのか。高速ツアーバス事故の「構造的」な原因を探る。
規制緩和でこの業界は爆発的に拡大した。そして、下請け、孫請けと構造化されていく。競争はコスト削減を強い、そして、人件費が切り捨てられる。審議会で規制に抜け穴がつくられていく過程は、儲けのためにその障害をけちらしていくこの社会の論理そのものだと痛感させられる。
そして、重層構造は、上に行けば行くほど、利益だけを奪い、安全には目をむけない。現状では旅行会社には責任は問われない。ある方が言っていたけど、この番組でも旅行会社を実名で告発しなかった。そして、一番下の運転手は、ツアーなどでは、いまや違法の日雇い運転手が常態化しているようだ。
だけど、いまの世の中、わが家もそうだけど、お金がないからバスを使わざるをえない。北陸方面でも、その運賃は三分の一だもの。結局、危険はすべて、貧しいもの上に降りかかるのだ。
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