シリーズ貧困拡大社会(4) “貧困の連鎖”を断ち切れるか
今日は、昨日よりずっとおもしろかった。
今年3月、神奈川県と首都大学東京より発表された、生活保護に関する新たな調査結果では、「貧困に陥る世帯は多層的な問題を抱えているケースが多い」ことが明らかになった。一方、支援側のケースワーカーへの調査では、ほぼ全員が「支援の難しさ」を訴えていたという。
失業、経済的困窮、学校不適応、対人関係のスキルの未熟さや精神的な障害などが複雑に絡み合っているため、行政の枠組みでは対応するのが難しいというのだ。しかし、貧困状態で長く過ごせば過ごすほど、家族の中で最も弱い存在である子どもは、将来に深刻なダメージを負ってしまう。
そんな中、これまでとは全く違うコンセプトで2年前に始まった取り組みが「パーソナルサポート」事業だ。当時、内閣府参与だった湯浅誠氏が立ち上げた国の認可事業で、「寄り添い型支援」とも「伴走型支援」とも呼ばれている。就労、医療、福祉、法律などあらゆるジャンルの専門家と連携し、個人が抱える事情に応じたきめ細かな支援を行う。
番組では、支援を受ける子どもを取材しながら、大阪・豊中市のパーソナルサポートの取り組みを紹介。子どもの貧困の実態と連鎖を絶つことの難しさを伝えていく。
貧困は、複合的な困難をもたらす。そのために必要な包括的な支援。豊中のPSのとりくみはそんなことを教えてくれる。継続的な支援の必要性も描かれてはいるが、それはほんの少し。できれば、もう少し長いスパンで追いかけて欲しい。支援する関係性とは…。その専門性とは。その線はあまりにも細く、短い。
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