不屈 瀬長亀次郎日記 第二部 那覇市長
第二巻読破! この巻は、瀬長沖縄市長選から追放、そして民連の市長選挙での勝利の1年間。激動の57年(ボクの生まれた年)である。階級闘争の弁証法とよく言われるけれども、ほんとうに相手とこちらの力関係の変化がリアル。アメリカは占領下、軍事独裁をすすめ、基地のためのとちとりあげをすすめたが、平和条約締結後、国際社会のなかで、政治的には沖縄の住民の政治的な権利を外見上は尊重する形を最低限つくらざるをえなかった。もちろんそれは、国際社会に人権を訴えた県民のたたかいがある。そして、瀬長那覇市政がつくられる。アメリカは直接介入への県民の反発と、国際社会の批判をおそれ、傀儡の行政府、立法府をとおしてあらゆる策を弄する。が、県民のたたかいはそれを許さない。そして、米軍の直接介入へとすすんでいく。だけど、瀬長らの大局的確信は揺るがない。勝ったのはわれわれ、負けたのはアメリカだと。しかも、民連勝利のあと、すでに、瀬長は兼次の変節を予期している。その大局観というか長期的な確信の深さはあらためて驚かされる。明田川は『沖縄基地問題の歴史 非武の島、戦の島』で、結局、アメリカの沖縄支配と県民のたたかいの矛盾が、復帰への向かわざるを得なかったながれをえがいた。そのゆるぎない50年代後半の運動の側からの証言がこの本のテーマだと言えるなあ。
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