プロメテウスの罠―明かされなかった福島原発事故の真実
朝日の連載が本になって、それを読み終えた。まあだいたい、新聞で読んでいたけれどね。朝日の記事のなかでは、ちょっと注目される内容。
特徴的なことを感じる。1つは、6章の首相官邸をめぐる記述。菅だけが失敗したのかという問題意識。だけど、そこには骨太の批判はない。正直、いまでも、官邸がSPEEDIを知らなかったという議論にボクは納得していない。ボクのような周辺にいる人間でも、SPEEDIをめぐる状況は事故数日後には知っていたもの。だから、この官邸取材は、ちょっと浅いし、政治を弁護しすぎている。
結局、NHKのホットスポットでも言えることだけど、せまる記者たちは、歴史問題をやっていたようなどちらかというと社会部系の記者たちで、政治部や科学部というところはまだまだ原子力ムラのなかにいる。朝日も、同じようなことを感じる。この特報部というのは、いろいろなところの記者が集まっているんだろうけれど、どうもね。
いずれにしても、NHKの本も、この朝日の本も自社では出さなかった。外岡さんの本を朝日は出しているというのに。それぐらい、縁辺化されているのかね、こういう取材というのは。まだまだ厳しい、日本のメディア状況を垣間見る感じもするなあ。
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