第32軍司令部壕、記述削除再検討を アピール採択
ここ数日、問題になっている、沖縄の32軍司令部壕問題。沖縄ですら歴史修正主義の動きは、なかなか軽視できなところにある。というか、焦点になる場所だけに、かなり意図的に沖縄が舞台にされているのだろうなとも思う。
第32軍司令部壕、記述削除再検討を アピール採択(琉球新報)県が第32軍司令部壕説明板設置検討委員会(池田榮史委員長)がまとめた壕の説明板の文案から「慰安婦」と日本軍による住民虐殺、翻訳文から「捨て石」などの記述を削除した問題で、県内の平和ガイドなど10団体は17日、那覇市の教育福祉会館で緊急学習会を開いた。関係者ら約250人が参加。県に対し検討委員会との議論を踏まえた上での再検討を求めるアピール文を全会一致で採択した。
鉄血勤皇師範隊として沖縄戦に動員され、当時司令部壕にいた元学徒兵の渡久山朝章さん(84)は、壕内に多くの女性がいたことや虐殺の様子など自身が目撃したことを克明に証言。県の対応には「沖縄戦の実相の歪曲(わいきょく)につながる。多くの女性の存在と虐殺が削除されると、わたしの記憶も否定されたことになり心に穴があく」と声を震わせた。
県史編集委員で元県立博物館長の大城将保さんは「住民虐殺」について「多くの証言や資料が残っており否定しようがない事実だ。知らないなら分かるが、なかったことをどう証明するのか。両論あり記載できないというのはずさんだ」と県の姿勢を批判した。
検討委員会の委員の1人、新城俊昭沖縄大学客員教授は文案作成の経緯などを説明した。
10団体でつくる同学習会実行委員会は19日にも、仲井真弘多知事、高嶺善伸県議会議長に再検討を求め陳情する準備を進めている。
沖縄戦の歴史は、県民全体の記憶である。「慰安婦」、住民虐殺、証言も、証拠も、数多く存在するというのに……。
だけど、この首里の32軍司令部壕。首里城公園に行ったときは、かならず行っているけれど、あまり注目されるような場所でもない。調査そのもののどこまですすんでいるのか。そのこともあまり聞かないなあ。南風原の病院壕など、だいぶ、整備はすすんだのに。首里城がきれいに再現されたにもかかわらず、その地下にねむり戦争の記憶の場は……。今後、発掘調査はすすむようだけど、埋めてしまうという話もある。沖縄戦は、日本のとっても重要な継承すべき戦争の記憶でもあるだけに、この遺跡そのもの価値は、ものすごく大きいと思うのだけれども。この場を、ぞんざいに扱ったり、歴史修正の契機にされたりすることは絶対に許されないと思うなあ。
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