教育の公平性と質 -恵まれない生徒や学校に対する支援
ちゃんと、重要な提言なのでクリップしておこう。OECDで出版されている。もちろん、OECDだから、新自由主義と親和性もあるのだけれどもね。だけど、欧州などで社会的に合意されているような議論も反映されている。教育をめぐって、日本のように競争一辺倒、その結果、どうしても自己責任論から逃れられないような議論にはなっていない。
「政府は恵まれない学校や生徒により多くを投資して、誰もが公平に機会を得られるようにするべきだとなっています」「『教育の公平性と質:恵まれない生徒や学校に対する支援』によれば、困窮している生徒と学校を支援することが学校における失敗を減らし、経済成長を促進し、より公平な社会に寄与することになります」という。そして、「OECD諸国平均で5人に一人が後期中等教育修了前に教育制度から脱落して」いることを直視してその解決が必要だとしている。
提言の柱はこうだ。
・留年の廃止。留年はコストがかかる上、非効率です。 ベルギー、オランダ、ポルトガル、スペインでは、留年の直接費用は初等、中等教育への年間支出のほぼ10%に上ります。 そして教育上の利点はわずかで長続きしません。
・早期進路選択の回避。早期進路選択は実力より下の進路に割り当てられた生徒の将来を傷つけ、生徒の成績全体をも向上させません。
・学校選択制の管理運用による差別の回避。過去25年以上にわたり、OECD諸国の3分の2以上が、特に政府が支援する私立学校では、親による学校選択を増やしてきました。 資金面のインセンティブにより、最良の学校が恵まれない生徒を受け入れるようになる可能性があります。
・生徒のニーズに応える資金助成策と若年者への投資。ほとんどのOECD諸国は幼児教育・保育にあまり支出しておらず、高等教育にはそのおよそ2.5倍を投資しています。 恵まれない生徒と学校に対象を絞った支出に加えて、学校に説明責任を伴うより大きい自治権を与えることも、一助となり得ます。
・中等教育レベルの職業訓練コースの質を向上させて、生徒の修了を奨励。その中には仕事に基づく訓練と、中等レベルの異なる進路を同等化することが含まれます。
多くの点で、日本の現在の教育政策、子育て支援政策の問題を明らかにしているわけでもある。
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