岩波書店の縁故採用
岩波書店の応募要項に、「岩波書店著者の紹介状あるいは岩波書店社員の紹介があること」という一文があることがいろいろ問題になっている。まあ、岩波書店と言っても、社会的にみれば、中小企業。なんでいまさら問題になるのだろうかとは思う。
そもそも、出版業界というのはとても小さな世界。しかも、最近でいえば、契約社員だとか、委託による編集というものも増え、正社員のパイそのものも小さくなっている。たいていの出版社は、小か零細だから、採用などはほとんどない。ボクも、結構、ご同業者の知り合いは多いけど、やっぱり縁故採用が多い業界であることは、正直言って否定はできない。
だけど、それでも世界のことが、これだけ問題になるのは、中企業でもかかわらず、その社会的位置が大きいからか。だけど、冷静に考えてみると、岩波の執筆者なら、たいていの有名大学には存在する。ほんとうにそこに生きたいのならば、教授間でお願いして紹介状を書いてもらうことなのできるはず。そうなれば、大学名で受験者を振り落すことと、どれだけ、違いがあるのか? ならば、なぜいまこのことが問題になり、岩波はそんなことをするのか。
岩波ほどの出版社なら、もう少し、公平なシステムづくりを追及する度量はほしいものであることも事実だけど。
だけど、いろいろ話を聞いてみると、いろいろなうわさも出てくる。岩波の場合、労働争議を抱えている。金光翔さんという、「世界」の編集者だった人が、同誌が佐藤優を起用することをめぐって対立し、その後、解雇まで発展したことによる事件とされるもの。ボクには、その経過の真実をするよしもない。だけど、一部の出版社には、いろいろな事件もある。そんな労働争議が起きないように、縁故採用だとかいう話も出てくるのだ。そうなると、まったく本末転倒の羽話になる。
そこのところは、よく考えてほしいものだな。小さな業界でも志は高く。そうあるべきだと思うしなあ。
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