先行実施の方針明記 海兵隊グアム移転 南部5施設の返還
ちょっと気を抜くと、沖縄の友人からどうして沖縄のこの問題を書かないのだというお叱りがくる。だけど、そのぐらい大きな問題が連日沖縄をめぐって繰り広げられている。それはたしかにいささかも軽視ができない問題ばかりなのだから。
さて、問題の日米協議。すっかりおそくなったけど、ちゃんとクリップしておかないといけないなあ。
先行実施の方針明記 海兵隊グアム移転 南部5施設の返還(東京新聞)日米両政府は八日、二〇〇六年に合意した在日米軍再編のロードマップ(行程表)の見直しに関する共同文書を発表した。在沖縄米海兵隊の一部のグアム移転と沖縄本島の米軍嘉手納基地より南にある五つの米軍施設・区域の返還について、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設から切り離して、先行させる方針を明記。普天間の移設については「現在の計画が唯一の有効な進め方と信じている」と辺野古移設案を堅持する方針を盛り込んだ。
日米両政府は「今後数週間から数カ月」かけて調整。今春にも外務、防衛担当閣僚による安全保障協議委員会(2プラス2)を開いて、新たな行程表の基本合意を得たい意向だ。日本政府は沖縄の負担を軽減して普天間の辺野古移設に理解を得たい考えだが、同時決着を目指してきた海兵隊グアム移転や嘉手納より南の施設・区域の返還を切り離したことで、普天間固定化の懸念も出ている。
公表に先立ち、玄葉光一郎外相と田中直紀防衛相はワシントンで行われた日米協議の結果を野田佳彦首相に報告。首相は了承した。会談後、首相は記者団に「抑止力の維持と沖縄の早期負担軽減に向けて、しっかり(米側と)協議するように、外相と防衛相に指示した」と述べた。
嘉手納基地より南の五施設・区域は在沖縄海兵隊基地司令部があるキャンプ瑞慶覧(ずけらん)(宜野湾市など)や牧港補給地区(浦添市)など。県の要求を踏まえて、日本側が普天間の移設を待たずに返還するように求めていた。
これまでの行程表は沖縄の海兵隊(一万八千人)のうち八千人をグアムに移転させ、一万人を残留させる計画だった。共同文書は行程表見直し後も、沖縄残留の海兵隊の規模は変わりないとした。
米側はこれまでの協議で沖縄から移転させる八千人のうち四千七百人をグアムに、残りの一部をハワイやオーストラリアなどに巡回配置する計画を提案。海兵隊千五百人前後を米軍岩国基地(山口県岩国市)に移転させる案も打診している。
なによりも普天間移設とグアム移転を分離したこと。これは現行の日米合意の路線が破綻したことをあらわしている。そして、オバマの太平洋戦略のためには、なんとしてもグアム基地の強化が必要だということか。
ふたたび巡回配置(ローテーション)なる言葉もでてくる。そもそも、沖縄の海兵隊は、いろいろなところに訓練などでローテーション移動していて、日常的には1万人とすこししかいないと言われている。1万人体制を変えないというのは、ほとんど負担軽減はないということを意味するのではないのか。今回もどうも数のトリックが垣間見えるなあ。
しかも分離して、5つの基地の返還の交渉をはじめるといっているけれども、この中の多くのものは、パッケージになる前から返還が決まっていたものだ。だけど、代替基地などいろいろなことがいいわけになって返還にいたっていない。つまり、現時点では返還の保証ははっきりしない。さらに、国内基地への移設の問題や普天間の修理などもとろざたされている。え、日本の基地が固定化、強化されるのという話になってくる。ほんとうに、真剣に沖縄の問題を考えているのか。強く強くそういうことを考えざるをえないと思えるのだけれども。
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