絶望の国の幸福な若者たち
批判の多い一冊。だけど、何人かの年配の人が若者論の必読書としてもちあげる。気になるのは、その人たちは、この本を読んでいないのではないかということ。若者の言葉をちゃんと聞きもせずに、若者について、適当に論じる。そういう無関心さが実は根底にあるのではないかと思えてくる。
さて、その若者の当事者が、若者をどう語っているのか。たぶん、この本は批判するのはたやすいだろうなあ。
若者論の歴史をふり返ったところは、都合のいいつまみぐいとしか思えないし、いまの若者の実態を統計でおったところも、彼の問題意識にもとづいて、その資料がならべらえているという印象が強い。後半の若者の姿を聞き取りなどで、追ったところは、前作と同様で、正直いって主観的な切り取り。たぶん、そんな批判は本人も承知で書いているのだろうなあ。
全体を読んで、いちばん感じるのは、個々に彼がとりあげている問題というのは、一面あたっているのだろうなということが多いんだけれども、なぜ、そこで、思考をとめてしまうのか、なぜ、さらにそこから考えないのかということがあまりにも多いこと。たぶん、その先を見ないでおこうとしているのか、もしくは彼には見えないのか。どちらだろうか。書き方の挑発さは後者のようにも読めるけど、前者だろうか。だって彼自身、大きな物語と小さな物語のあいだに身を置き、悩んでいるように見えるから。そこで、立ち止まって悩んでいる。だから彼がどうしたいかも、どう考えようとしているのかも見えてこない。
古い世代の思考であっても、いろいろ社会を見てきたからいえることもある。彼の見えない問題を見たきたからこそ、社会をもっと複合的、総合的、構造的に見る視点があったりする。批判するよりも、どうしたらもっといろいろ考えをめぐらせるのか、見えないことが見えるのか、そんなことをいっしょに考えたいような気もするのだけれどね。まあ、お節介だと言われるのはわかっているけれども。
内容的には、おいおいふれることもあろうから、感想はとりあえず、ここまでで。
« シリーズ 原発事故への道程 前編 置き去りにされた慎重論 後編 そして“安全神話”は生まれた | トップページ | 相棒season10 ピエロ をみつつ若者問題を考える??? »
「教育」カテゴリの記事
- 今日は8月6日(2026.08.06)
- 自民党が社会保障教育を推進する新議連(2026.08.01)
- 教科研の青年期部会、「母が生きた街〜沖縄・照屋のおんなたち〜」(2026.07.24)
- 次期学習指導要領は子ども・学校をどうしたいと考えているのか」(2026.07.20)
- 同志社国際高校に関する教基法違反認定に関する緊急研究集会(2026.07.19)
「読書」カテゴリの記事
- 今日は8月6日(2026.08.06)
- 今日は北の国に移動(2026.08.05)
- 高齢者は(2026.07.16)
- 8月号ができました(2026.07.07)
- 伊藤さんのデモについての論考(2026.06.12)
「政治」カテゴリの記事
- 2年間の消費税食料品1%が(2026.08.07)
- 今日は8月6日(2026.08.06)
- 今日は北の国に移動(2026.08.05)
- 自民党が社会保障教育を推進する新議連(2026.08.01)
- 夏バテ進行中(2026.07.31)
「経済」カテゴリの記事
- 2年間の消費税食料品1%が(2026.08.07)
- 今日は北の国に移動(2026.08.05)
- 自民党が社会保障教育を推進する新議連(2026.08.01)
- テック・クーデター(2026.07.29)
- 教科研の青年期部会、「母が生きた街〜沖縄・照屋のおんなたち〜」(2026.07.24)
「若者」カテゴリの記事
- 「近年の高校教育政策の検討~文科省『高校教育改革基本方針(グランドデザイン)』を中心に~」(2026.06.04)
- 新聞は、いろいろな記事(2026.06.03)
- 東京大の学園祭「五月祭」をめぐって(2026.05.17)
- 特定利用空港・港湾で自衛隊 2年で1.2万回利用(2026.04.28)
- 1年ぶりの靖国・遊就館(2026.01.29)
« シリーズ 原発事故への道程 前編 置き去りにされた慎重論 後編 そして“安全神話”は生まれた | トップページ | 相棒season10 ピエロ をみつつ若者問題を考える??? »


コメント