就職とは何か―〈まともな働き方〉の条件
買っていて、途中まで読んで、ほっていた本を、ちゃんと読み終えたのですが。
早期化長期化する就活。その背景には、長期不況と経済の構造の変化のもとで、採用を絞り込む大企業の姿勢がある。そのもとで、就職活動はどのように変わってきたのかをていねいに紹介する。しかし、本質的には、その背景には、雇用構造の変化、雇用の劣化がある。正規は非正規に置き換えられ、雇用の姿は一変した。その一方で、長時間労働は解消されないばかりか、いっそうすすんでいる。そうか「過労死」って言葉が、広辞苑にのるようになったのが1991年か。今年成人式を迎えた若者の生まれた年だ。つまり、いま、就活に直面している若者は、当然のように過労死のある世界を生きてきた。その数推定年一万人。働くこと、就職することが希望に満ちていた?そういう時代とはちがった目で、就職をみているのだろうなあ。
さらに、キャリア教育などを論じているが、就職にあたっての必要な力などを論じたところは、ちょっと違いなあという感想もあるのだけどね(苦笑)。コミュニケーション能力などは、もう少し厳密な議論が必要だな。ついでに誰かが書評で書いていたけれども、もっと、この就活に直面している若者の生の声を紹介してほしい。
だけども、雇用の劣化、働き過ぎ社会という視点から、就職の現状を分析した本として、多くの若者に読んでほしいなあとそう思う。
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