「東北」再生
ずいぶん前、震災からまだ間もないころに出た本だけど、ここに来て、きになって読んでみた。なかなか、読み応えがあった。小熊さん、読ませるねえ。
昔、遠山先生が沖縄を論じて、その植民地化というありようは東北とは違う言ったことがある。だけど、東北も、いわば植民地として扱われたという視点から議論ははじまる。資本が、その儲けを追及するとき、資本の集中する都市は地方を踏み台にする。そういう歴史だということだろう。それが、生前のそれではなく、戦後、高度成長のなかで、どのように展開されてきたのか。その結果、東北にどのようなことがもたらされてきたのか、そのことを踏まえて、震災と復興を考えようというのが本書の趣旨だ。そうだ、そういう戦後社会のあり方を直視しなければ、復興がかかえる問題は見えてこない。シンポジウムのパネラーの1人、小熊さんの弟子の大学院生が東北出身者で、切々の自身の体験がかたられ、胸を打つ。小熊さんは、今後の厳しさを直視する。いっそうの過疎化…。たしかに、いまの復興の進み方は、政治は、いわば衰退を待ちつつ、集中的投下をすすめようとしているとしか思えない。
だけど、個人的には希望もみたい。自分たちの手で、循環型の復興をすすめようという動きだ。確かに、それは部分だけど。小熊さんは、あまりに冷静すぎるなあ。
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