リアル30’s:働いてる?
新年の新聞の連載は、その新聞の今年の編集方針が色濃くでると言われる。今年は若者が1つのテーマなんだろうか。日経新聞「C世代駆ける」と、次世代がめざすものを、経済の活性化の原動力という角度から追いかける。
毎日新聞は、バブル後に社会に出た30代を追いかける。
リアル30’s:働いてる? (3)使い捨ていつまで(毎日新聞)◇派遣転々…身も心もボロボロ
「何とか就職できたよ」--昨年秋の高校の同窓会。近況報告でとっさにうそが出た。同級生は働き盛りの会社員や公務員。仕事の苦労も楽しそうに語り合っていた。
横浜市で1人暮らしの31歳のダイスケさん(仮名)は今、生活保護を受けている。派遣切りに遭い、仕事が見つからないままもう2年がたった。
埼玉県の私立高を99年に卒業。家計が苦しく進学できなかった。フリーターになり、ファミレスで週5日のアルバイト、うち2日はコンビニと掛け持ちした。多い日は1日14時間働いた。それでも月収約13万円。
8年目、長時間労働がたたって体を壊し、アルバイト生活をやめた。だが、正社員の面接を受けても不採用が続く。履歴書の資格欄はいつも「なし」。運転免許すら持っていない。
専門学校に行く学費を稼ごうと、派遣労働者になった。製造業派遣が解禁された頃。フリーペーパーの求人に「月収30万円!」「入社祝い金もあり」と景気のいい文字が躍っていた。
初めての派遣先は自動車組み立て工場。1週間で後悔した。諸経費と寮費を引かれて手取りはわずか月10万円。学費などたまらない。自分が何の部品を組み立てているかも分からず、やりがいを持ちようがなかった。
働く仲間は40~50代の元正社員。「バブルの頃はよかった」「パチンコ行くから残業代わって」と、だらしなく映った。「俺が正社員だったらまじめに働いていたぞ」。生まれた時代を呪った。
リーマン・ショック翌年の09年秋、派遣先を解雇された。年始に寮を追い出され、とうとう生活保護を申請した。月13万円を受け取る。
ハローワークで職を探す毎日。履歴書の写真代や面接の交通費が響き、月に3、4日は3食を抜く。面接までたどり着ける会社は多くて月に5社。「また『ご縁がなかった』という言葉を聞かされるのかと思うと緊張して眠れない。心はとっくに折れた」。唯一の楽しみは子どもの頃から買い続ける「少年ジャンプ」。1週間、繰り返し読む。
(1)歯車には ならない
(2)会社員になりたくない
(4)入社2カ月解雇通告
毎日の連載は、若者を多面的にとらえる。そのなかで、3と4は、一転、非正規の拡大と雇用の悪化について焦点をあわせる。
さて、どこまで、その多様な実像の核心にせまれるか? ちょっと注目して読もう。
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