瞳は静かに
かなりきつい映画だった。相方といっしょに見た。舞台は、1977年のアルゼンチン。そう、『ショック・ドクトリン』が描いた、アルゼンチンだ。そこでは、左翼政権を支えた人たちは、いつのまにか連れ去られ、闇のうちに始末されていた。主人公の少年の周りにもそういう陰が忍び寄る…。恋人の活動を支えていた母親が死に、父親家族と暮らす少年。その家にはルールがあり、何事にもそれに従うことを強要する。大人のことに子どもは口を出すな。だけど、少年は、すこしずつそこに隠されているものについて、知ろうとする。そして、何者かが暴行をうけて連れ去られる姿を、ある夜かいま見る。しかし、それをいっしょに見た祖母は、そのことを否定する。「何も見ない」でいる。そう祖母や父親はそのようにして家族の安全を守ろうとしていた。そのことが、何をもたらすのか。快活だった少年は、やがて無口になり、その瞳は冷たくなっていく。そして、ラストには…。たかだが30年ほど前にあった歴史である。南米の変革は、こうしてくり返された苦難のうえにある。
そして、同時に、ショック・ドクトリンは続いている。この日本においてもだろう。それだけに、決して、他人事ではない時代の物語のようにも思える。
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確かに歴史的に見れば、私たち日本人は、異なる文化というものを排除し、力のある者が、手段を選ばず、一方的に同質化させながら統一してきた背景を見れば、真実を知りたいと思えば、和を乱す等と勝手に理由をつけられては、最悪の場合、命まで狙われかねない悲惨なことが予想されますね。
これがアメリカなら、黙っているわけには行かないと思えば、親は子供に対して真実というものをきちんと伝えてあげると共に、子供たちは、どうしたら良くすることが出来るのかということを、共に考えながら育てて行く姿勢というものを見せて行くのでは無いでしょうか。
また、このことは、恐らく中国においても共通して言えるところはあるのでは無いかと予想は出来ますね。
ただ、真実を知るということは、時にはそれまでの伝統的な価値観というものを自ら否定することにもなり、時には苦痛を伴うことになるものの、だからと言って、無かったことにしたり、知らないままの状態では、その矛盾は次第に大きくなると共に、大きな溝を生み出し、それが「脱ニッポン型思考のすすめ」という電子テキストの中での構造的アノミー、欠陥や空洞化現象へと繋がると共に、それを知った際の衝撃や、その代償も大きくなって、乗り越えられることなく、崩壊し自滅してしまう結果となることは、原爆を落とされ敗北し、一億総懺悔に至った何処かの国の過ちに通じるものがありますね。
アメリカの歴史というものを見れば、東海岸を中心にイギリスの植民地時代から、1776年に独立し、その後、西部開拓時代により西海岸へと拡大していく背景の中で、共和思想というものが生まれ、多民族国家として形成されて来た歴史的背景の中で、南北戦争もあり、近代国家へと成長し現代に至っている背景からすれば、良いことは誰がやっても良いのだし、悪いことは例えそれが権力者であろうと、絶対に許されることは無いと言う倫理観や正義感というものが、その根底にあると言えるのでは無いでしょうか。
そして、これの延長線上にあるのが、欧米諸国による植民地支配への歴史に見ることは出来るのでは無いかと考えられます。
日本と異なり中国では、和の概念というものは、上位の次元の中に、個人の価値観そのものは実存を保ったままで、インテグレートされて行くものであり、同の概念というものは、下位の次元に埋没してしまうものであると言う、いわゆる「和して同せず」と言う点が根底にあり、その延長上に見えてくるものが、訪米諸国での植民地支配とは異なる、冊封関係による支配に繋がっているのでは無いでしょうか。
双方に共通している点は、様々な異なる伝統文化や宗教、人種等の違いは認め合った上で、政治的には内政に直接干渉することはせず、国境を越えて、お互いの国益に叶うことに繋がる友好関係を築き上げて行こうとするところに共通しているものがあるのでは無いでしょうか。
但し、その手段というものが、植民地支配については、植民地国内で賛成する側の立場の人間だけを擁護し、それに反対する人間を一方的に弾圧させる等の暴力的手段が用いられる場合があったのに対して、中国の冊封関係においては、そこまでは一切関与することが無いために、お互いに敵対することさえなければ、比較的穏やかなものである点は評価してあげることは出来るのでは無いでしょうか。
この点については、韓国の歴史ドラマを見ても容易に想像つきますし、日本と中国との両属関係にあった琉球王国の歴史を持つ沖縄県についても共通するところもあるのでは無いでしょうか。
ちなみに、アメリカ独立建国した1776年は、韓国の歴史では、あのイサンが即位した年でもあり、
アメリカの西部開拓の延長上に日本の幕末の黒船来航に繋がる歴史的背景というものを感じることが出来ますし、また、1789年にはフランス革命があり、中国ではアヘン戦争へと繋がる歴史的背景を考慮すれば、米韓FTA協定と日本に対するTPPは、中国をはじめとするアメリカのアジアに対する思惑や姿勢というものも見えてくるのでは無いでしょうか。
それに比較して見れば、明治維新以降に、琉球処分という形で、中国との関係を一方的に断ち切り、同質化させ琉球王国を滅亡させた上に、朝鮮半島にまで拡大し、同質化させようとした何処かの国なら、国際社会から見れば、極めて卑劣極まり無いものでしか無いし、これこそがとんでもない疫病神としか見られないことも当然のことだと思えば、結果的に一億総懺悔に行ったことに関しては、もう自明としか思えないところは当然のこととして認識しなくてはなりませんね。
ただ一方で、日本の底力というものは、「脱ニッポン型思考のすすめ」という中でのアメリカ中西部を中心とした中小企業をはじめ中間層と共通しているところも多く見られるところはあるのでは無いかと思われますね。
ウォール街デモではありませんが、アメリカ国内での99%の非富裕層の方々にも、こうしたアメリカ国内の中小企業の経営者の方々も多く含まれていることを考えれば、こうした方々と上手く連携し、お互いの得意分野を活かして、中国に対する国益の半分を譲ってあげることで、中国と共にアメリカ経済を支えてあげる様な姿勢で行けば、日本は経済規模は縮小し敢えて衰退する道を取ったとしても、少なくとも国際社会から袋叩きにされることだけは回避することは出来ますよね。
また、東日本大震災より見られた、共に助け合い、分かち合い、支えあうと言う絆は、国境を越えて全人類に共通するものとして、幾らでも通用することは出来ますよね。
これにベースに、中国の和の概念やアメリカの共和思想というものを取り込んで、日本的な共和思想へと発展させることで、より近代的な市民社会へと改善することが出来れば、TPP交渉をはじめ、中国や韓国をはじめアジア諸国やロシアとの外交関係にも幾らでも活かすことに繋げて行けば、何よりのことでは無いでしょうか。
逆に、それにより、これまでの古い共同体的な精神文化は、共和思想に基づく市民社会の中に、幾らでも埋没させてしまっても何ら構わないし、この共和思想に基づく市民社会の象徴として、天皇制を位置づけ、その権威を高く尊重し敬う存在に持っていくことが出来れば、日本が日本でなくなってしまうなんてことは有り得ないのでは無いでしょうか。
投稿: asa | 2012/01/08 17:36