原発と村 Vanishing Village
郡山総一郎さんの最新の写真集。舞台は浪江町、しかも線量の高い津島地区。彼は、原発の爆発後、マグナムの写真家たちが去っていくのを見て、自分がこの写真を撮ろうと決めたという。それは4月から5月にかけて、この酪農の地域で、人が去っていく様を記録する。
写真家には2つのタイプがいると思う。そこにある厳しい事実を重視して、どこまでの被写体に近づいて、その様をとるタイプ。郡山さんがそのタイプだろうな。もう一つは、被写体との距離をとって、あまり踏み込まず、いわば包み込むように、さまざまなやり方で撮るタイプ。これは、渋谷さんが典型だろうな。ボクはどっちもあると思っている。まあ、好きな写真はたしかに前者のほうが多いかもしれないけれども、やっぱり、そこには、テクニックがほしい。ただ前者のほうは、うまい人が少ない。
この写真も、相手の困難にずけずけと入り込んで、コミュニティーが消えていく経過を時系列で撮る。原発が生んだ悲劇の貴重な記録だ。その前後に、時間を置いたポートレートを置く。その写真は、やっぱり郡山さんの人柄かな。本人はいろいろいうだけどうけど。
そういう意味では、写真家のタイプというのは、性格とかいうものではなく、写真についての哲学みたいなものかな。いずれにしても、これはいい写真集であり、原発事故とは何かを問いかけている。
« 国立大学改革で新事業創設 交付金は161億円削減 | トップページ | 八重山教科書:玉津氏、議事録改ざん »
「アニメ・コミック」カテゴリの記事
- 遺骨はある 海底炭鉱で待つ183人(2025.10.06)
- “無縁老人”をどう支えるのか ~生活保護急増の中で~(2012.01.12)
- 原発と村 Vanishing Village(2011.12.21)
- 広がる雇い止め、自宅待機(2011.06.10)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 在日文学の普遍性、刻みつけ 大阪で「金石範生誕100年記念シンポ」(2025.12.23)
- 遺骨はある 海底炭鉱で待つ183人(2025.10.06)
- 記録をひらく 記憶をつむぐ(2025.09.23)
- なぜ学生にもスキマバイトが広がったのか…背景にブラックバイト「泣いている学生はたくさん」と大内裕和氏 「黒川の女たち」(2025.07.28)
- 「風の声」「ドキュメント 医療限界社会 追いつめられた病院で」(2025.06.04)
「読書」カテゴリの記事
- 『あなたを忘れない 朝鮮からの満州移民』 前衛3月号ができています(2026.02.08)
- きょうされんの『TOMO』1月号の「新春インタビュー 吉田恵里香 × 斎藤なを子 私の声だって、みんなの声だって、 決して消えることはない」(2026.01.21)
- 「教員の『働き方改革』はいま?」(2026.01.11)
- 2月号ができています。(2026.01.03)
- 在日文学の普遍性、刻みつけ 大阪で「金石範生誕100年記念シンポ」(2025.12.23)
「政治」カテゴリの記事
- (考論 長谷部×杉田+加藤陽子)「歴史的圧勝」の意味(2026.02.13)
- 「不法滞在ゼロ」 外国人排除で済まない問題 児玉晃一弁護士に聞く(2026.02.11)
- 国論二分する政策「訴えたつもり」 公約実現に意欲 高市総裁が会見(2026.02.09)
- 『あなたを忘れない 朝鮮からの満州移民』 前衛3月号ができています(2026.02.08)
- 「ママ、戦争止めてくるわ」(2026.02.07)
「経済」カテゴリの記事
- (考論 長谷部×杉田+加藤陽子)「歴史的圧勝」の意味(2026.02.13)
- 「不法滞在ゼロ」 外国人排除で済まない問題 児玉晃一弁護士に聞く(2026.02.11)
- 差別と分断をあおる極右・排外主義の政治に、断固として反対を貫きます(2026.02.04)
- 「タックス・ザ・リッチ」 大株主・大企業応援から、国民の暮らし第一の政治に――物価高から暮らしを守り、暮らしに安心を(2026.02.02)
- 平和の外交にチェンジ(2026.02.01)


コメント