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2011/12/18

「坂の上の雲」と日本近現代史

9784406055147l NHKのドラマの第三部も佳境に入ってきたけれど、ドラマのほうは、完全に戦争再現ドラマになっている感じ(苦笑)。そういうときに出版されたのが、原田先生のこの本。司馬さんの議論をどう評価するのかはとても難しくて、左翼というか、マルクス主義歴史学者の手によってもいろいろ議論があるし、文学に関係の人もなおさら。
 さて、この本は、その点でも、ちょっとユニークなもの。最大の特徴は、近現代史の通史として、幕末から戦争の事態を描きながら、その時代を、司馬さんがどのように認識し、作品に描いていたのかを問いかけるものになっていること。そのように見ていくと、俗に言われるように、必ずしも、司馬さんは、明治を明るい時代として認識していたわけではないことがわかる。だけど、朝鮮半島の植民地支配の経過、東学党の乱への弾圧や旅順虐殺、明成皇后殺人事件などを欠落させる。日露戦争についての司馬さんの見方についても厳しい。
 しかし、日露戦争の勝利から、その後の日本社会の展開、アジアへの加害者となった日本への司馬さんの視線は、厳しい。
 著者の司馬さんへのまなざしは優しい。というか、戦後社会への信頼も含め、司馬さんの視点を肯定的に受けとめている。司馬作品を愛する人々のなかには、そういう未来への健全なまなざしがあることを、いま確信をもち、共有していくことが大切だというのが、著者の思いなんだと思う。

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