果てしなき除染 ~南相馬市からの報告~
おとといのETV特集。
広島型原爆168個分の放射性セシウムが環境中にばらまかれた福島原発事故。住民が安心して暮らしていくためには、環境から放射性物質を取り除く「除染」が欠かせない。国は「放射性物質汚染対処特別措置法」を定め、年間放射線量が1ミリシーベルトを超える地域については国が責任をもって除染を行う方針を明らかにした。しかし、具体的な方策についてはまだ何も決まっていないのが現状だ。
福島県南相馬市では、いまも2万5千人以上が町を離れ、避難生活を続けている。とりわけ放射線量が高い山あいの地域では、影響を受けやすい子どもたちは避難させ、高齢者だけが放射能におびえながら暮らしている家庭も少なくない。原発事故による家族の分断が始まっているのである。
放射線量が下がらない限り、子どもたちは町に帰ってこられない。このままでは地域の衰退にもつながりかねないと危機感を深めた南相馬市では、国に先駆けて除染に乗りだしたが、市内すべてを浄化するには途方もない時間と費用がかかることがわかってきた。内部被ばくの専門家である東京大学の児玉龍彦教授は国の無策に怒りを隠さない。
なんとか地域を甦らせたいと願う南相馬の人々の除染への果てしない挑戦を描く。
見ていて、胸が詰まる。ほんとうに果てしない取り組み。いまだ南相馬は、高い線量がでる。膨大な放射性物質がばらまかれたもので、どんな危険にさらされているのか、その認識がやっぱり政治にはないのかもしれない。いかに、事態を正面から向き合わなかったのかは、SPEEDIの扱いでよくわからる。発表をためらい、事故直後の被曝を拡大したのは犯罪以外なにものではないが、その後も、効果的な対策がうたれているとは思えない。まったく現状を無視した避難地域指定。緊急の課題ともいえる除染は、ほとんど具体的な方針がいまだ出されない。そもそも、どれだけの除染が必要なのかの認識がどこまであるのだろうか?ここの人たちがどれだけ、不安と困難のなかで生きているのかという認識があるのだろうか?
しかも現状の除染では限界もあることも否定できないだろう。番組でとりあげられている児玉先生ですら批判する人がいるほど、不安というものが広がっている。
おとといの、福島集会は1万人。外で思いっきり遊びたいという子どもの声が参加者の胸をうったそうだけど、会場で、ガイガーをもっていて、ここの線量は0・5などの会話もあったそうな。
ほんとうに、この問題は深く重い。
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