相棒 season9 第8話「ボーダーライン」
職場で、なんとなくテレビをつけたら、再放送で、このドラマをやっていた。もちろん、そのまま見続けた。今年の7月、反貧困ジャーナリズム大賞を受けた作品である。
ある男の転落死体が発見され、その死に疑問をもった杉下と神戸は、彼の死ぬまでの空白の11カ月を探る。正社員として雇ってもらえそうになった矢先、会社の業績不振で解雇され、派遣の職を転々とし、挙句の果てに解雇される。勉強して医療事務の資格をとったりもするが、仕事は見つからない。就職活動も続けるが、次第に追い込まれる。さまざまなセイフティネットから、こぼれ、生活保護も水際で排除され、住む場所からも追い出される。試食売り場で食いつなぐ日。ある日、店員の何気ない言葉に、彼は自分を自分自身から排除することになっていく。
普通の若者が、滑り台をすべり落ちていくさまは、あまりにもリアル。その絶望の思いに、ナイフのシーンはだれでも直視できないと思う。そのぐらい、つらく切ない。
もちろん、杉下の最後の発言は、たがいの助け合いに解消してしまう。それはこのドラマの限界。だけど、いまなお、改善しない貧困のスパイラルについて、これほどリアルに迫ったドラマはない。しかも、視聴率20%を超え、その影響力はNNNドキュメントの比でもないし、Nスペなどよりもはるかに大きい。それだけに、問題を正面から描こうとしたつくり手の思いも真剣だったと思う。だれもが圧倒されたドラマなんだと思う。
さて、明日は、反貧困世直し大集会2011「震災があぶり出した貧困」 10~12:00リレートーク「被災者・被災地から」 12:45~14:45分科会15~16:30 シンポジウム「生きるために必要なこと」。長男は、埼玉の障害者まつり(交流センター)。まあ、忙しいなあ。
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