風化させない横浜事件 24年間の裁判記録3部作 遺族ら本出版
ちょっと目にとまった記事。横浜事件のことは、このブログでも何度か書いてきたし、裁判はほんとうに残念だったけれども。たしかに風化させてはいけない事件であり、こうした歴史とどう向き合うかは、問われていないだけに、実はこれからもほんとうに大事になっていくると思う。だから、こうした出版はとても価値のあるものだと思う。
風化させない横浜事件 24年間の裁判記録3部作 遺族ら本出版(横浜事件)戦時下最大の言論弾圧とされる「横浜事件」をめぐり、昨年二月、終戦直後に治安維持法違反の罪で有罪となった元被告に対し、横浜地裁が冤罪(えんざい)を認め再審裁判が終結したことを受け、遺族らが四日、二十四年にわたる裁判の記録をまとめた本を出版する。遺族の一人、斎藤信子さん(62)=横浜市中区=は「事件を風化させてはいけない」との思いを語る。
斎藤さんは、元被告で雑誌編集者だった故小野康人さん(一九五九年死去)の長女。第一次の再審請求から関わった母親の故貞さん(九五年死去)の後を継ぎ、裁判を闘ってきた。本の出版は、志半ばで亡くなった貞さんの遺志でもあった。
出版される本は、弁護団による裁判の総括や事件の経緯をつづった解説本、横浜事件の記録や遺族らの手記をまとめた資料集、裁判に提出された文書を収録した記録集の三部作から成る。制作費は、再審の請求人だった斎藤さんと兄の小野新一さん(65)に交付された約九百八十万円の刑事補償金で賄われた。
裁判を支援してきた出版社「高文研」顧問の梅田正己さん(75)が中心となり、一年半をかけ編集。膨大な裁判記録をまとめ、裁判資料には分かりやすく解説を添えた。
資料集には、特高警察から拷問を受けた元被告ら三十二人の口述書も掲載。「『小林多喜二がどうして死んだか知ってるか!』と絶叫しながら、約一時間に亘(わた)って袋叩(だた)きにし、私は到頭(とうとう)、気絶してしまいました」「鉛筆を指の間にはさんでぐるぐるこじった」「正座させた両足の間に太いこん棒をさし込み、ひざの上に乗っかかりグイグイ食い込む」などと、生々しい拷問の実態を告発している。
「三部作は言論弾圧という負の歴史の証言記録」と梅田さん。「足利事件や布川事件、大阪地検特捜部検事による証拠改ざん事件と、今も権力による強引な捜査は続いており、体質は変わっていない。横浜事件を教訓とするため多くの人に読んでほしい」と訴える。…
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