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2011/10/27

中川文科大臣の発言に抗議する声明

 とりあえず紹介です。

衆議院文部科学委員会における中川文科大臣の発言に抗議する声明
                        2011年10月27日
               子どもと教科書を考える八重山地区住民の会
 昨日(10月26日)、衆議院文部科学委員会において、中川文科大臣は、八重山教科書採択問題について「文科省としては採択地区協議会の答申、及び8月31日の同採択地区協議会の再協議の結果基づいて採択を行った石垣市と与那国町に対しては教科書の無償給付の対象とし、竹富町は無償給付の対象とならないが、地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で給付することが出来る。」との見解を示した。
 この発言に対し、私たちは以下の理由により強く抗議し、その撤回を求める。

              記
1 沖縄県教委は、10月19日、「八重山地区の教科書採択問題に対する今後の対応について」と題する公文書を文科大臣宛に送付した。その中で、「採択地区協議会の規約に従ってまとめられた結果とは、3市町教委の採択権を拘束しない「答申」(8月23日)であり、改めて9月8日の全員協議の有効性を示す見解」を示した。しかし、今回の中川文科大臣の発言は、地元と県が無償措置法に基づいて取り組んできた全員協議の成果と10月18日の私たち「住民の会」の文科省要請を全く無視したものである。

2、私たち「住民の会」は、10月18日文科大臣に対し、「9・8全員協議」が有効に成立しているにもかかわらず、与那国町、石垣市両教育長の「9・8全員協議の無効」という文書を検証することなく、「協議は整っていない」との発言をし、撤回を求めたものである。またしても国が先走った「日替わり発言」を繰り返しており、地元の私たちをはじめ県民を愚弄したものだと言わざるを得ない。

3、大臣発言は、一般法及び特別法の観点から言っても誤ったものである。確かに3市町教委が「答申」と違う採択がなされた場合の協議や手続き等について決められた法はない。そこで無償措置法第13条4項に基づき、3市町教育委員会による「協議の場」として9月8日に3市町教育委員会に諮られた結果、全員による協議が成立し、そこで同一地区同一の教科書(東京書籍)が採択されたのである。文科省の言う一般法と特別法の関係からすると、一般法である地教行法による採択よりも、特別法たる無償措置法による「全員協議」の結果が優先されるべきものであるところ、文科大臣の発言は全くこれを無視した違法なものである。

4、私たちは、地区協議会のずさんな運営と不当な選定結果は認められないとこれまで主張してきた。しかるに大臣はこのことを無視し、「協議結果に基づいて採択を行っていない竹富町教委は、国の無償給付の対象にならないので、地方公共団体自ら教科書を購入して生徒に無償で供与することは法令上禁止さていない。これに従って国として淡々とやっていきたい。」と述べている。これは、一応竹富町の採択権を認めたものであるが、法的拘束力のない答申に従わなかった竹富町教育委員会の採択を不利益に取り扱うものであり、竹富町の公金でもって教科書を購入し、生徒へ「無償供与」するということは、国に対して義務教育の無償化を求めている憲法26条2項にも違反するものである。
佐久間正夫琉大教授が「権力者は権力に都合のいい見解を選んだ。採択地区で意見が割れた場合に好きな教科書を買えるとなると、意図的な採択も可能となり、採択制度の形骸化につながりかねない」との指摘もあり、大臣自ら判断の根拠を誤ったもので、不当な介入である。

5、私たちは、今後とも、八重山採択地区においては、有効に成立している「9・8全員協議」の結果得られた東京書籍版公民教科書が採択されるよう、法と道理に基づいて引き続き要求していくものである。
                                以   上


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