若者の現在 政治
この本が出てから、もう半年近くたって、やっと読了なんて、ちょっと情けない。だけど、ちょっと変わった本。若者と政治との関係を問うわけだけれども、実証的な分析がほとんどない。ここで、若者の右傾化やナショナリズムの問題がとりあつかわれるわけだけれども、実は、方法的にもきわめて偏った手法のものが多く、そもそも、概念そのものが曖昧であったりする。だから、議論は、相当、揺れるのだ。裏返して言えば、いまの若者の政治意識分析において、実証的な研究が少なく、まだ、王道の政治学が教育学などでの分析がいかに遅れているのかということでもあるのだろうなとつくづく思う。
その揺れは、極端で、そうとう若者に迫ろうという議論であっても、とどのつまりは若者バッシングと変わらなかったり。そうこういろいろ悩みながら、やっぱり、今の若者の問題は、雇用や労働を位置づけて考えなきゃっと思ってるところに、POSSEの今野さんの論考が出てきたり、最後の中西論文は、やっぱり、かなり重要と思うのだけど。
だけど、大きな問題提起。若者を客体として切り離さず、主体的な若者のそのままつかむためには何が求められるのか。うまく整理できない。同時に、もっと、ちゃんと実証的におさえなきゃ。若者の実態、孤立化をめぐる社会と労働の変容、参加をめぐる問題、承認、社会保障、文化。結局は、とても刺激的ではあったのだけれども。
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