3・11 あの日のこと、あの日からのこと 震災体験から宮城の子ども・学校を語る
本書は、みやぎ教育文化研究センターと日本臨床教育学会の震災調査準備チームによる聞きとり調査と、七月におこなわれた震災体験を語り合う会がもとになっている。もちより、被災地・宮城は、今なお、言えない悲しみのなかにある。その体験を語り、書くことには、ためらいや、迷いもある。そのうえでなお、おこなわれた語りからは、いま、この被災体験をとおして、私たちが何を学ぶべきなのかを教えてくれてる。
それは、何よりも、教育とは、学校とは何かという問いかけにほかならない。あらためて、子どもたちは、友だちや教師たちとの、信頼・安心できる人間関係のなかでこそ、育ち、学ぶことができるということ。そして、その営みを支えるのが、子どものさまざまな思い、さらには困難ななかでも主体として生きようとする子どもへの理解だと痛感させられる。
同時に、子どもの世界、学校は、地域や社会と無関係に存在するものではない。震災後の地域での支え合い、そして、その後にのしかかってくる、経済的な困難や、教師と子どもを引き裂くような県教委の人事異動の強行などが、いっそう教育とは、学校とは何かを問いかける。
だからこそ、私たちは、教師のこの語りから、多くのことを学び、そして、いまなお困難のなかにある教育現場が、新しい一歩を踏み出していく、糧にしていかねればならないのだと思う。
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