内部被曝の真実
国会での参考人陳述で有名になった、児玉龍彦先生が、国会での発言にプラスして、出した新書。まあ、それでも、文系人間には難しいんだけどね。
だけど、児玉さんの言わんとしていることは、何となくわかる。急性被曝が問題になっているのではなく、原発から大量に漏れ出た放射性物質による、長期にわかる低量被曝の問題は、実証がむずかしい。チェルノブイリでも、甲状腺ガンの因果関係が認められたのは20年後のこと。だけど、セシウムにもさまざまな兆候がある。膀胱への影響などがそれ。ならば、一刻も早く、被害を少なくすることが必要。まだたに広がった放射能の線量調査をくまなくおこない。大幅な除染にとりくむこと。
だけど、政府の研究会もはじまっているけれども、なぜ、もっと行動をおこし、試行錯誤しながら除染の方針を模索していかないのか?経験したことのない事態を前に、まずはさまざまな人のとりくみをもっと集約する形で、すすめるべきだと思うけど。その規模も、ほんとうに想像力を働かせているのかなあ。役人は。細野さんの発言を聞いていても、何か事態を楽観的に見過ぎるというか。
本を読みながら、もう1つ考えたこと。いわゆる御用学者って言われている人をどう考えるのか? たとえば山下俊一さんは、ひどくバッシングがおこなわれているけれども、児玉さんの本には敬意をもって紹介されている。被曝治療にずっとあたっていた方だし、チェルノブイリでも甲状腺ガンの調査では功績も高いのだから。原子力ムラの問題、そのなかでの学者の役割というものはたしかにある。だけど、学問的な見解の違いは、学問的な見解の違いとしてちゃんと論争すべきだし、発言に政治的、道義的な問題があれば、事実をそう指摘するべきで、冷静な議論をしたいといつも思うんだけど。だから口汚い議論にはちょっと与したくないなあ。などということを学んだりね。
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