テロとの戦い 犠牲22万人超
9・11からは10年になりますね。これを機にいろいろ考えたいことも少なくありません。
テロとの戦い 犠牲22万人超(NHK)ニューヨークの世界貿易センタービルなど、アメリカの国家中枢を襲った同時多発テロ事件から、11日で10年になります。事件直後から、アメリカは「テロとの戦い」に乗り出し、ことし5月、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者を殺害しましたが、その一方で、アフガニスタンやイラクなどでは、戦闘やテロで合わせて22万人以上が犠牲となり、10年を経た今、「戦い」は大きな転換点に立っています。
2001年9月11日にアメリカで起きた同時多発テロ事件では、4機の旅客機がハイジャックされ、ニューヨークの世界貿易センタービルやワシントンの国防総省に衝突したほか、1機はペンシルベニア州に墜落しました。このテロで、日本人24人を含む合わせておよそ3000人が犠牲になり、アメリカの国家中枢を襲った事件として世界中に衝撃を与えました。当時のブッシュ大統領は、アルカイダの犯行と断定したうえで「テロとの戦い」に乗り出し、アフガニスタンとイラクで2つの戦争に突入しました。この「戦い」において、ブッシュ大統領は各国に対し、「敵か味方か」立場を明確にするよう迫り、日本は、当時の小泉総理大臣がイラク戦争の開戦も早々に支持しました。しかし、地球規模に拡大された「テロとの戦い」では、民間人を中心に多大な犠牲がもたらされました。アメリカの研究チームが各種の統計を調査したところによりますと、▽アフガニスタンでは、アメリカ軍と多国籍軍の兵士や関係者の死者は3200人余り、地元の治安部隊では8700人余りが死亡したとされています。また、タリバンなど反政府勢力の死者は1万人以上、民間人の犠牲者は1万1000人以上に上るとみられています。▽また、イラクでは、兵士や関係者の死者は6300人余り、武装勢力はおよそ1万人が死亡したとみられています。これに対し、銃撃戦や爆発に巻き込まれるなど、戦闘が直接の原因となって死亡した民間人は、少なくとも12万人と推計されています。▽さらに、テロ組織の掃討作戦が行われたパキスタンでは、武装勢力におよそ2万人の死者が出ている一方、民間人の死者はおよそ3万5000人に上りました。このように、犠牲者は民間人を中心に、全世界で22万4000人から25万7000人余りに上るとみられます。また、けがをした人は36万人余り、さらに、戦火に追われるなどして国内外に逃れた難民・避難民は780万人余りに上るとみられています。こうした甚大な被害に加えて、イラク戦争では、ブッシュ政権が国連の承認を得ないまま先制攻撃に踏み切ったうえに、開戦の理由としてけんでんされた大量破壊兵器が、結局、存在しなかったこともあって、アメリカの国際的な威信が低下しました。こうしたなか、アメリカでは、2008年の大統領選挙で、多国間協調主義を掲げるオバマ大統領が選出され、アフガニスタンからはことし7月、一部の部隊の撤退を始めたほか、イラクからは、ことし末までに全面撤退する予定です。ことし5月に、ビンラディン容疑者が潜伏先のパキスタン国内で殺害されたあと、オバマ政権はテロ対策の新しい戦略を発表して、今後は本土防衛により重点を移す方針を鮮明にしており、10年を経た今、アメリカの「テロとの戦い」は、2つの戦争への突入から撤退へと大きく転換しています。
世界の戦争の様相はどのように変わったのか、そのなかでアメリカの何が変わり、変わっていないのか?このNHKのニュースも一つの側面です。いろいろなデータがありそうです。すこし、しっかり集めてみたいです。
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