英6都市で暴動続く 射殺事件
ちょっとイギリスが大変なことになっているようで。暴動と言うには規模が大きいし、激しい。その原因は、最初は黒人射殺事件だと言われているけれども、背景には若者の高い失業の一方で、若者対策の予算が削減されるといういまの政府の方針への不満のひろがりがあるのだろう。
英6都市で暴動続く 射殺事件(東京新聞)英国主要都市に広がった暴動が勃発から四日目を迎えた九日夜、ロンドン警視庁は一万六千人の厳戒態勢で市内の警備に臨み、これまでのところ、暴動の発生は抑えられている。しかし、マンチェスターや英国第二の都市バーミンガムなど地方六都市で暴動が再び起き、略奪や放火などが続いている。
ロンドンではこれまでに約七百人の身柄を拘束。うち百人以上が窃盗や器物損壊、不法侵入などの罪で起訴された。
一方、暴動の発端となった黒人射殺事件の調査を進めてきた監察機関は九日、死亡した男が所持していた拳銃には発射の形跡がないとの鑑定結果を発表。これまで警察が説明していた「銃の不法取引容疑で逮捕しようとしたところ、男が発砲してきたため撃った」との主張が揺らいでいる。
射殺事件の調査は今後も続くが、沈静化にいったん向かったロンドンの暴動も、この鑑定結果を引き金に再び発生する可能性もある。……
当然、日本とつい比較をしてしまう。それほど、日本の若者の現状も深刻だから。だけど、イギリスとどう違うのか。たぶんいちばん違うのは、イギリスでは、若者の失業は20%台と言われるわけだけれども、日本では、職場で痛めつけられて引きこもってしまっているか、そうではなければ、きわめて劣悪で不安定の状況で働いているということだ。失業率はたぶんイギリスの半分ほどだろうけれども、引きこもって、就職活動をしなければカウントされないし、また多くの場合は、食っていくために劣悪な条件で働いているということなのだと思う。だから、失業率だけでは判断できない深刻さがあると同時に、職場に囲いこまれるという要素もあるのだと思う。
だけど、イギリスの暴動も、若者の命や人権が踏みにじられたのを契機にはじまる。それは中東でもそうだったよなあ。ほんとうに抑圧されているという重々しさがただよう日本だけど、さまざまな形で主張ははじまっているのだろうと思う。そこに注目し、連帯することだろうなあ。たとえばソニーのたたかいにね。
さて、イギリスの今後も注目である。
« 悪政への大連立ということか――民自公 新たな関係へ | トップページ | 東京大空襲 証言紡ぐ 若手研究者 映像作品13日公開 »
「政治」カテゴリの記事
- 23年度予算が成立 過去最大114兆円―岸田首相「物価高、切れ目なく対応」(2023.03.28)
- 現場へ!)どうなる寄宿舎:1 支援学校、自立の場に危機(2023.03.27)
- 国際法の視点から植民地支配責任を考える――「徴用工」問題に私たちはどう向き合うのか(2023.03.26)
- 生活保護支給額引き下げを取り消す判決 和歌山地裁(2023.03.24)
- 『児童福祉の戦後史 孤児院から児童養護施設へ』(2023.03.23)
「経済」カテゴリの記事
- 23年度予算が成立 過去最大114兆円―岸田首相「物価高、切れ目なく対応」(2023.03.28)
- 現場へ!)どうなる寄宿舎:1 支援学校、自立の場に危機(2023.03.27)
- 生活保護支給額引き下げを取り消す判決 和歌山地裁(2023.03.24)
- 長時間過密労働解消のたしかな道すじPart3-今こそ、給特法の改正と教職員の大幅増員を(2023.03.21)
- 『学びのきほん フェミニズムがひらいた道 』(2023.03.10)
「若者」カテゴリの記事
- 全教「教職員勤務実態調査2022」最終報告の記者発表を文科省記者クラブで実施(2023.03.15)
- 児童生徒の自殺、過去最多の514人 学業不振や進路に悩み(2023.03.14)
- いろいろ教えられることが多い(2023.02.16)
- 若い人たちのあいだに広がる戦争への不安について(2023.02.01)
- 都立大学の授業料 無償化の対象 拡充方針固める 東京都(2023.01.27)
「世界」カテゴリの記事
- 「老いてなお花となる」(2023.02.21)
- 世界は平和と秩序を取り戻せるか(2023.01.02)
- 国連 日本政府に“入管施設内の対応改善を” 勧告(2022.11.04)
- 100分 de 名著 知里幸恵『アイヌ神謡集』(2022.09.27)
- 朝鮮人追悼碑の不許可「適法」 市民団体敗訴が確定―最高裁(2022.06.16)
« 悪政への大連立ということか――民自公 新たな関係へ | トップページ | 東京大空襲 証言紡ぐ 若手研究者 映像作品13日公開 »
コメント