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2011/07/19

記者の目:原発事故を苦に93歳自殺=神保圭作

 今日は、提稿実務、先の手立てをすすめつつ、目の前の号のインタビューに挑む。もう幾日もないのだけれども、大急ぎで原稿をつくらないといけない。水道橋のホテルで、録音。

 さて、原発の事故をめぐっては、今日は新しい工程表が出された。安定的な冷却にうつり、ステップ2に入るという。だけど、メルトダウンした燃料がどうなっているのか、ぜんぜん明らかにされないし、冷却循環もすぐに故障し、放射能を封じ込めている状態からはとっても遠い。そういう収束をめざしていく方向性を裏づけるようなデータが出されているとは思えない。だから、当然、信頼性がいつまでたっても生まれない。
 第一、現在、線量の高い地域への対策、被害への補償がまともに進んでいない状況のもとで、つまり、被害に対してまともに向き合おうとしない政府や電力会社の言うことを信じろと言われてもだれが信じるというのだろうか。そういうことがなぜわからないのか、ほんとうに感覚がマヒしている、この人たちは。

 いまから10日ほど前「私はお墓にひなんします」という遺書を残して、93歳のおばあちゃんが自殺し、衝撃をあたえた。何とも言えない無力感にさいなまれた人も多いのではないかと思う。今日の毎日の記者ノートで、そのことをとりあげていた。

記者の目:原発事故を苦に93歳自殺=神保圭作(毎日新聞)

 東京電力福島第1原発の事故で避難生活を強いられた福島県南相馬市の93歳の女性が「私はお墓にひなんします」と書き残し、自ら命を絶ったことを、9日朝刊で報じた。遺書に「毎日原発のことばかりでいきたここちしない」ともあった。
◇福島県民の悲鳴、聞き逃すな
 遺族を取材した7月5日、松本龍氏が被災地への暴言の責任を取って復興担当相を辞任した。長寿を祝福されるべき女性が自死へと追い込まれる現実と、政治家の認識との絶望的な隔たりに暗然とする。被災地は待ったなしの状況だ。取るべき策の速やかな実行が必要だ。
◇命を絶った意味しっかり伝えて
 亡くなった女性は再び避難することへの不安を募らせていたという。長男(72)から「悪いのは国か? それとも原発なのか?」と問われた。長男の妻(71)からは別れ際、こう言われた。「ばあちゃんが死んだ意味を、しっかりと伝えてください」
 私が担当する南相馬市は、原発事故で惨たんたる有り様だ。市域は、南部の小高区が警戒区域▽中心部の原町区が緊急時避難準備区域▽飯舘村などに接する山沿いが計画的避難区域--に指定され、無指定と合わせて四つに分断されている。局所的に放射線量が高い「ホットスポット」も複数あり、特定避難勧奨地点が設定されようとしている。
 市の人口は今年2月末時点で7万1494人だったが、原発事故で一時は大半が避難した。徐々に戻りつつあるが、7月8日現在でも3万5222人と半分以下にとどまる。若い世代が避難を続けるケースが多いとみられ、65歳以上が占める高齢化率は震災前の25%から28%になった。
 深刻なのは働く場が減っていることだ。主要産業の農漁業が打撃を受けたうえ、自動車や機械、家電関連の部品を製造する事業所なども軒並み操業停止・縮小を余儀なくされている。市の中間報告によると、小高区で調査に応じた約180事業所のうち、警戒区域外で事業を再開したのはわずか28社。原町区では同約800社のうち4割近くが今も休業している。
 原町区のある縫製会社は、原発事故に伴う避難で従業員74人の3分の1が退社した。5月上旬に生産を再開したが、放射能の影響を懸念する大口顧客から取引停止を通告され、専門機関に商品の線量調査を頼むなど対応に追われている。会社幹部は「うちのような中小は同じ場所で続けるしかない。補償がなければ廃業せざるを得ない」と語る。
 故郷で働きたくても、その場がなければ外へ出るしかない。福島労働局によると、6月20日に受け付けが始まった県内の新規高卒者求人数は、5日間で297人と前年同期比4割減。南相馬市内の県立小高工業高校は東京で就職合宿をし、関東の大手自動車メーカーなどを見学させている。地元に見切りをつけるしかないのだ。企業も若い世代も去り、急激な過疎化でまちが消えるのではないか。市民たちは本気で心配している。…

 被災者の声を聞き、被災者の思いや不安をしっかり受けとめ、まず政治(国)の責任を考える。それが政府のまずやるべきことのはずだ。しかし、いまだ、何を、この地に国はしたというのだろうか?そんな思いがもたげてくる。
 2次災害、3次災害は、ボクらがまだ知らないところで広がっているに違いない。そんなことを絶対続けさせない、強い決意が政治には求められているはずなのに。

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コメント

「私はお墓にひなんします」と言う遺書を残して、亡くなられた方には何とも言えない気持ちがします。
深くご冥福をお祈り致しますと共に、1日も早く、避難されている方々が、住み慣れた所で穏やかな暮らしが出来る様にしてあげなくてはならないことは言うまでも無いところだと、つくづく感じました。
しかしながら、復興に向けて、ただ元通りの生活に戻せば良いというものでは無く、震災や原発事故等による危険性を排除し、何かあった場合でも被害を最小限に食い止めることが出来る様に配慮して行かなくてはならないと思います。
また、福島第1原発事故の収束と共に、二度と危険な原発に依存することなく安定した電力供給が出来るような社会にして行かなくてはならないのは、被災者の皆様全てに共通する思いでは無いでしょうか。
そのことを、政治家を始め、政府や東京電力、被災していない国民全てが重く受け止め、これまでの生活も振り返り、原発に頼りすぎてきたことは無かったのか、深く反省し、今回の事故に対する根本原因と言うものを究明しなければ、再発防止にも繋がらないのでは無いでしょうか。

今回、辞任された前復興担当大臣の言動は、被災者の皆様に向けられたものでは無く、こうした被災者の皆様の思いを、国や都道府県に対して向けたものでは無いかと考えられるところでは無いかと存じます。
「自民党も公明党も民主党も嫌い」だとの発言も、個人的には分かるところはあります。
個人的なオフレコ発言であれば、問題にすることでは無いのかも知れませんが、大臣としての公式な場での発言としては如何なものかと言うことも、分からなくは無いところはあります。

但し、誤解なさらないで欲しいのですが、小職は決して創価学会の信者ではありませんが、創価学会をはじめ、信者の皆様のことに対しては、信教の自由の原則もあり、政教分離の原則という観点から、決して批判するところはございませんので、そこは誤解無き様、どうぞよろしくお願い申し上げます。

何と言っても、被災者の最も身近に接している市町村が自ら進んで復興に動きだし、国や都道府県にばかりに頼るのではなく、自ら判断付かないところは幾らでも判断を仰いで行けば、それで良いのです。
東京の霞ヶ関当たりにいる人達には、恐らく、そうした被災者の皆様の苦悩や思いというものは理解することが出来ないところはあるかと存じます。
逆にそうした思いというものは、幾らでも国にぶつけて言っても構わないところもあるかと存じます。
国として、それまでの政策で失敗点を認めさせなくては、痛みを分かち合うことも出来ないところもあるのでは無いでしょうか。
大企業にしても、恐らく目先の利益のことばかりに走りすぎて、国民全体のことを蔑ろにしてきた責任というものも厳しく問われても致し方無いところもあるかと存じます。
「知恵を出さないところは、助けない」と言う発言も、こうした思いからの発言に繋がっているのでは無いかとも考えられます。

TPPというものについても、これに参加するのであれば、大企業に対しては、法人実効税率というものを、現行の40%から80%に引き上げた上で参加するということは如何でしょうか?
そもそも、大量生産大量消費による経済成長そのものが、資源や食糧を浪費し原発再稼動することに繋がり、大量の廃棄物を放出することで、日本列島をゴミ捨て場にしてしまい、地球環境にとっても非常に悪影響をもたらすばかりでなく、国民生活にも危険性をもたらすことにしかなりませんよね。
そうだとすれば、製造業については、国内で必要最低限の規模に縮小することで、中国や東南アジアでも製造可能なものを幾らでも移転させてしまうことも必要では無いでしょうか。
それにより、品質向上を図り、国内農業や介護や子育て等の医療や社会福祉分野をはじめ、再生可能な自然エネルギーなどの環境分野をはじめ、地方の中小企業への雇用拡大と人材育成を通じて、ひとりでも多くの失業者救済につなげて行く事が出来れば、むしろ望ましいところでは無いでしょうか。

それが、地方分権や地域主権と言うものに繋がり、地域経済の活性化と地産地消型の再生可能な自然エネルギーの進展にも繋がれば、無理やりに消費して経済成長をさせる必要は無いところでもありますので、日本経済の弱体化により、国際競争力も衰退し国際社会での存在感の喪失も決して悪いものとは言えないと思います。
但し、内向化し鎖国化することは良くないと思います。
むしろ地方から直接海外に目を向けて、海外から幾らでも外国人を受け容れ、海外に出て行く際には、必要に応じて東京と使い分けすれば良いと思います。
それにより、日本は開かれた島国として、農業と社会福祉国家として、小ぢんまりとした経済規模で再生することになれば、もうそれで良いのですから。
逆に、資源エネルギーや食糧の自給率が向上し、そこそこの貿易黒字が産み出せる中規模程度を維持することが出来れば、人口減少の歯止めとなれば、東京の人口は減少し衰退してアジアの都市に追い抜かれることになっても、地方の人口が増え、農業や介護を中心とした社会福祉分野での雇用拡大に繋がれば、それだけでも過疎化対策になり、少子高齢化対策も同時に解決することが出来れば、それだけでも喜ばしいことでは無いでしょうか。
更に、原発施設も屍状態となれば、これまでの放射性廃棄物は、その場所で管理する必要はありますが、使用済み核燃料については、アメリカやフランス、中国等をはじめ今後も原発推進しようとしている国に、幾らでも二足三文でも提供してあげてしまっても良いのでは無いでしょうか。

そうすることで、資源や食糧の争奪戦も回避することが出来れば、変な戦争に巻き込まれることも回避できれば、日本と敵対する国も無くなることに繋がるのなら、むしろ遥かに喜ばしいことでは無いでしょうか。
逆に、このことが全世界に広まっていくことで、世界経済は停滞するものの、地球環境全体にとっても、此れほど喜ばしいことは無いと高い評価を得ることが出来れば、日本人として此れほど誇らしいことは無いのでは無いでしょうか。


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