困っているひと
ウエブマガジンで連載していたときに、いくつか読んでいたけど、本になったので、買って、読んだ次第。著者は、まだ20代の大学院生(休学中)。大学時代にビルマ難民支援にのめり込み、その研究の道を歩み始めるが、突然、難病が彼女を襲う。
さすがに難民支援のプロである。その経験のうえに、難病患者の現在の現状=つまり自身の今を冷静に分析する。
軽快なたっちで、おもしろおかしく、その現状を書きつづるわけだけれども、随所でハッとさせられる。友にたよる生活から、結局は、必要なのは、そのようななかでも生きていける社会的な制度そのものが必要だと。だけど、日本の難病の現状は、まさに制度の谷間にあり、その制度に使うのには、ものすごく大きな壁がある。そのモンスターに挑む彼女、それは自分自身の支援者のようにも感じる。
頭では、難病のことをいろいろわかったつもりになる。というか、いろいろな問題を知り、わかったつもりになる。いろいろ想像力も働かす。だけど、そのことに直面した人がかかえる問題は、その当事者にしかわからないこと、ボクらの想像を超えるようなことって、たくさんある。そのことを自覚させられる。同時に、たとえば、医者が福祉制度の現状について、ほとんど理解していないのと、同じように、どうしてもボクらは、自分の知識や経験から問題を考えようとする。そのことの限界にももっと自覚的でないとなあと思う。
難病の問題、マイノリティーの問題、社会的な困難の問題など、そうした問題を考えるさまざまな視点を、みずみずしい視線で提示してくれている。
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