「孤族の国」3・11から
数日前から、朝日新聞が、新しい「弧族の国」のシリーズをはじめている。震災で、故郷やいるべき場所を奪われた人たちの姿を追っている。これは、明日の朝刊の導入。
避難所出た途端 独り 「孤族の国」3・11から―5(朝日新聞)「山一つ越えれば、こうも気候が違うのかね」
福島県中部の大玉村で、県内最大規模、630戸の仮設住宅の一室に暮らす小薬(こぐすり)栄次さん(62)が、エアコン全開の車に乗り込む。
阿武隈の山並みを左に国道4号を南へ。その向こうが自宅のあった富岡町だ。「浜通りの夏は涼しくて住みやすかったんだけど」
45分後、車は郡山市の「ビッグパレットふくしま」についた。福島第一原発の事故で、町民が役場ごと移った避難所だ。
顔なじみが集うホールの一角に腰を下ろす。「3カ月もいたからかなあ。やっぱ、落ち着くんだよねえ、ここが」。テレビに目をやりながら、独りごちた。
仮設住宅に移って1カ月。週に1、2度は避難所と行き来する。30代で妻と父を相次いで亡くし、高齢の母を独りにはできないと東京から帰郷した。その母も他界して4年になる。
「避難所が閉鎖したら、いよいよ行き場を無くしちゃうなあ」。先週末、数日ぶりに足を運ぶと、親しい顔なじみが何人か、姿を消していた。…
なんだろう、この暗さは、この展望のなさは。たしかに、単純にはげませるような話ではない。根無し草の不安定さ、つらさって、都会に生きているボクらが、実感していることでもあるけれども。
しかし、こういう孤立化する社会のなかで、国をはじめ行政の役割が問われている。その責任んを話さないことを問うのがメディアなら、孤立の苦しみ、生きづらさの前に、たちつくすメディアのあり方は、やっぱりいただけない。そして、それを問う社会のありようも見てほしい。
ここまで、問題に迫ろうというのなら、なぜ、そこで立ち止まるのか? 立ち止まるのが、いまの朝日なのかな。朝日はいま感傷的すぎますよやっぱ。
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