黄色い星の子供たち
今日は、仕事が早く終わったら、相方は泊まりの勤務だから、映画に行こうと思っていた。何に行こうとあれこれ考えていたら、友だちが、FBでこの映画の感想を書いていたので、あっそうだ、新宿でやっているんだって思い出して。
いまから69年前の7月、ナチス占領下のフランスでユダヤ人約1万3000人がフランス警察に検挙され、ドイツの強制収容所に送られたヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件について、生き残った400人の証言を元に当時を再現もの。フランス政府は、最近まで、当時のヴィシー政権はフランスの政権でないとして、その責任を認めてこなかった。
前半は、たんたんと事件にいたるまでのフランスのユダヤの子どもとその家庭を追っておく。ボクは、歴史に向き合うということを考えたとき、こういう映画で、その時代に生きて、その歴史的な事件に巻き込まれていった人々のことを忘れないということをしっかり描こうとする思いのすごさを感じる。そのぐらい丁寧に、取材して描く。そこには、人への思いを感じる。歴史を語るってことはこういうことなんだと思う。
そして、後半は、メラニー・ロランが熱演する(よかったあ!)アネット・モノーの葛藤を軸に描く。
子どもたちの姿がいい。母親たちの姿も。
こんな映画をみると、だれだって日本と比較してしまう。おりしも、修正主義の教科書が、東大阪で採択されたというニュースがあったから。もちろん、ドイツにしても、このフランスにしても、日本より、戦前の社会には民主主義もあったし、人権の保障ということもあったという違いがある。だけど、その歴史に向き合ったかどうかは、戦後の社会の問題でもある。日本の戦後社会の歪みがやっぱり問われることになる。それは、戦争責任を封じ込めるような思考が、アメリカに追随するという戦後社会の形成と一体にあったということ。もうひとつ映画を見て考えたいなあと思ったのは、ドイツに抵抗したフランスの人たちの姿を十分に強調していること。日本の抵抗は、それは小さな力だったかもしれないけれど、共産主義者の抵抗もあったのだし、もっといえば、消極的だったとしても、さまざまな抵抗が存在したのだと思う。そのことが、あまり重視をされてこなかった気もする。
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