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2011年7月

2011/07/31

未解決事件 File.01グリコ・森永事件

110730_b 昨日、一昨日と「劇場型犯罪の衝撃」「消えた“かい人21面相”」「目撃者たちの告白」の三編で、ドラマとドキュメントでこの事件を追った。ちょうど、ボクが京都から東京に出たころの事件でもある。いくつかのことは覚えていたけど、大きく社会というものが変容していく、そういう時代にあたっていたんだろうなってつくずく思う。
 この番組で、新しく明らかにされたことは、警察が想定した犯人像が、いまの科学捜査によるものからすると、明らかにあやまちがあったこと。もう1つは、最後のお金の受け渡しの時の、滋賀県警の動き、ということだろうか。
 番組は、前半は、メディアの変容。スクープを追い、話題になるような記事を競う。読売の加藤護記者の目をとおして、ドラマはつくられていたが、その読売も、ちょうど黒田清が、大阪の社会部から追い出された後にあたる。
 後半は、警察の側の問題。日本の警察は、刑事警察よりも公安を重視する傾向が強く、その矛盾はずっとあったわけだけど、社会の変容の前に、その矛盾があらわになってくるということだろうか。一網打尽をねらう、集権統制、秘密主義などなどが。
 なるほど、こうした事件が投げかけているものも多いのだなあなどと、いろいろ感じたり、考えたりしたわけでもあるけれども。

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2011/07/30

67%が「原発減らすべき」 被爆者千人アンケート

 被団協によるアンケートの結果。被爆者に対して、被曝ということに関連して聞く。

67%が「原発減らすべき」 被爆者千人アンケート(共同通信)

 東京電力福島第1原発の深刻な事故を受け、広島や長崎の被爆者に原発の在り方や核の平和利用の是非を尋ねた共同通信のアンケートで、回答者の67・1%が、国内に54基ある原発を将来「減らすべきだ」と考えていることが30日、分かった。
 事故後に原発反対に転じた人が40%以上に上り、原子力など「核の平和利用」についても73%が否定的な見解を示した。被爆者が福島の事故で原発を含めた核にいっそう強い懸念を抱くようになった姿が浮き彫りになった。
 アンケートは6~7月、日本原水爆被害者団体協議会などを通じて全国の被爆者約2400人に配布し、1006人から回答を得た。

 原爆被害者の原発に対しての認識も今回の福島の事故を契機に大きくかわりつつある。核兵器廃絶の運動と原発の運動とはなかなか難しい関係というか、一口でいえない問題があるように思えるけれども、ただ、核の平和利用というものは、当初から、平和運動にかかわる専門家のなかでは、そんなにすぐ実用化するものとは想定されていなかった。あくまでも研究の対象として、平和利用が論じられていたけれど、それが為政者によってゆがめられていった経過がある。その経過と、研究に携わった平和運動家たちへの驚くような弾圧とは一体だったという事実がある。
 だけど、いまの認識というのは、やっぱり、そう平和利用は簡単ではない。だから、為政者に悪用されないような、慎重な対応をしようというものともいえるかもしれない。当時の議論が十分だったのか、そうではなかったのか。それは、そんなにボク的には単純に評価がくだせないし、慎重に検証していくことが必要だと思うけど、一方で、いまの認識はあきらかに、放射能というものについての認識の進展がある。それはしっかり、ふまえることが必要だと思うけどね。

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Bye Bye Blue

 今日は、相方は、埼玉で、民間研究団体で講演。夕方、待ち合わせをして、南浦和でイタリアン。はじめて、入る店の名前は、Bye Bye Blue。どういう意味かしら、ネットでは、路地裏の名店と。とても、質素で、飾り気のない店。サービスもたいしてありません(笑い)。だけど、お味は、おいしいというか、とても印象に残る個性的なもの。最近、行く、イタリアンというのは、わりあいとパターンが決まっているわけだけど、ここの店は、後に印象が残って。またどんなものを食べさせてくれるのかって感じの店。イタリアンには収まらないかな。ワインもおいしかったです。
 とりあえず、相方と、一学期はご苦労さんと。ほんと、よくがんばります。

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安全確認し原発再稼働 エネ戦略中間報告

 今日は、朝5時台から体をつかっての仕事を3ラウンド。その後、職場に。もうだいぶ疲れています(苦笑)。

安全確認し原発再稼働 エネ戦略中間報告(東京新聞)

 政府は二十九日のエネルギー・環境会議で、当面のエネルギー需給安定策と中長期のエネルギー戦略の中間報告をまとめた。定期検査などですべての原発が停止した場合、二〇一二年夏の電力供給力は最大電力需要に比べ9・2%(千六百五十六万キロワット)不足すると試算。電力の安定供給を続けるため、安全が確認できた原発は再稼働するとした。中期的にはエネルギー源を分散し、原発への依存度を低減する方針を示した。 
 首相の掲げる「脱原発依存」ではなく、「減原発」を政府目標としたのが特徴。玄葉光一郎議長(国家戦略相)は記者会見で「産業、国民生活を考えた時、責任を持った工程表を作り上げるのが政府全体としてあるべき姿だ」と説明した。
 中間報告によると、エネルギー戦略を「短期(三年後まで)」「中期(二〇二〇年まで)」「長期(五〇年まで)」の三つの期間に区分。
 短期については原発を活用しつつ、省エネや配電・送電など電力システムの改革を進める。中長期には再生エネルギー技術の開発や配送電の次世代化を推進。原発の廃炉の着実な実施や海外との協力強化を課題とした。長期的には「省エネ経済社会構造」の実現を目指す。……

 中間報告そのものは、ここ。

 まあ、復興基本方針もそうだけれども、決定的な言葉は基本的にはぜんぶ避けて、いわば玉虫色にしてしまうというきわめて政治的な文章であるけれど。
 だけど、原発維持の圧力が強い中で、それでも国民の原発への不信や不安、実際に安全だとは強弁しきれないなかで、菅さんの「脱原発」発言になっていったわけだけそ、その流れを、完全に否定するわけにいかないなかで、こんどは「減原発」などという言葉を発明する(笑い)。そういう流れが確実に政治に反映していることそのものは、かなり注目していい。だけど、報告書の内容、そのものは、必死で、原発の必要性を書き連ねるというもので……。電力が不足になるというデータなど、どこまでほんとうなのか、ちゃんと検証が必要だし、そもそも出されていない現在の発電力の全体像のデータをちゃんと出してほしいのだけれども。

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2011/07/29

保安院 「やらせ」依頼 中部電力シンポ

 ほんとうに仕事が遅いことにいらだちを覚えるわけだけど、こんな問題への対処だけはやたらと早かったりする。

保安院 「やらせ」依頼 中部電力シンポ(東京新聞)

 二〇〇七年八月に中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)の「プルサーマルシンポジウム」が国主催で開かれ、経済産業省原子力安全・保安院が地元住民に発言させる「やらせ」の依頼があったことが二十九日、分かった。中部電力の寺田修一法務部長が同日、名古屋市の本店で会見し説明した。
 中電側は依頼を受け、本店の社員が発言の文案をいったん作成したが、「特定意見を表明するように依頼することはコンプライアンス(法令順守)上、問題がある」と最終的に依頼を拒否した。
 保安院の森山善範原子力災害対策監は同日の記者会見で、依頼について「把握していない」と述べた。
 九州電力の「やらせメール」問題など一連の問題で、国の関与が明らかになったのは初めて。シンポジウムは国による「自作自演」と批判を浴びそうだ。
 また、保安院からは、会場に空席が目立たないように参加者集めの依頼もあった。
 寺田部長は「特定の意見を表明するよう依頼することは行っていない」と説明。シンポでは、参加者による質疑で十二人が発言したが、すべて原発の安全性やプルサーマルに否定的な考えで、「当社が事前に作成した文案と類似する発言はなかった」と否定した。
 シンポへの参加依頼では、浜岡原発の関連部署に勤務する社員約七百人にメールや口頭で求めたほか、協力会社三十六社や地元住民にも幹部が訪問するなどしていたことを明らかにした。シンポには全体で約五百人の参加があり、中電からは百五十人程度が出たという。協力会社などからの参加人数は「把握していない」と明言を避けた。…

 官僚組織っていうものが大事にしていることがわかろうものだ。ちょっとなあ。
 ちなみに、九州電力の「やらせメール」問題を受け、国は電力会社に二十九日までに報告するよう指示。各電力会社からあがってきた報告書はここにある

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児玉龍彦教授の怒り そして なぜ対処がすすまないのか

 今日は、午前中は会議で、午後からは取材。今月の雑誌づくりが終わったばかりなのに、けっこう忙しい。

 ところで、今日は、twitterやFBで、27日の衆院厚生労働委員会での、児玉龍彦東大教授の発言がものすごく話題になっている。
映像はこれ
それを起こしたものがこれ。

 ちなみに、今日だけで映像の視聴は6万回を超えたそうで、相当の反響があったためであろう、息子さんがtwitterで発言をしていて、それをまとめたものが、ここ。

 児玉さんの怒りは正当なものだと思う。それは、政治の側での、事態への認識が、ほんとうは、しっかりしていないということのあらわれなのかとも感じる。
 児玉さんは、国会は何をやっているのかと問いかけたけれど、そういう認識の薄い議員が多いなかでも、さまざまな議論も一方ではある。たとえば、共産党の宮本岳志議員は、学校の除洗について、追求してきた。対象にある学校は314校あるそうだけれども、実は、いまの時点で、完了した学校は96校にすぎないと言う。いまだ着手すらしていない学校が100に登るそうだ。いろいろな対処が必要だけれども、学校の除洗は、出発点というか、ここがはじまっていないと、話にならないようなそういう課題だ。なぜ、それがすすまないのか。質問するまで、文部科学省は実態をつかんでいないという。つかんでみると、議会の承認が必要だとか、体制がないとか。そういうことを,一つ一つ解決をすることを、文部科学省はしないという水準なのだ。政治主導を掲げる民主党だけれども、大臣や副大臣、政務官などがこの点で、十分なイニシアチブを発揮した形跡はない。

 つまり、政府の、政府を担う政治の認識がそういう水準なのだ。そういう意味で、ボクも、はやり強い怒りを感じざるをえない。
 児玉発言を聞いても、国が、あらゆる専門家の知恵や力を結集して、総力をあげる。それも迅速に、そのために、必要なことをすべてするという覚悟が、ほんとうに求められるはずだと思うのだけれども。

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退職教員:精神疾患940人 病気理由の半数--09年度文科省調査

 こっそりとこういう調査が発表になっているんだもんなあ(昨日のこと)。「毎日」が、今日、大きく報じた。

退職教員:精神疾患940人 病気理由の半数--09年度文科省調査(毎日新聞)

 09年度にうつ病などの精神疾患を理由に退職した国公私立学校の教員が計940人に上っていたことが28日、文部科学省の調査で分かった。病気を理由にした退職者1893人の半数(49・7%)を占めている。精神疾患で退職した教員数が明らかになるのは初めてで、本格的な教員のメンタルヘルス対策が求められそうだ。
 公表されたのは10年度の学校教員統計調査の中間報告で、3年ごとに実施されている。
 精神疾患で休職する公立校の教員は年々増加し、09年度は5458人と病気休職者の6割以上を占めた。事態の深刻化を受け、文科省は今回の調査から病気退職者の中に精神疾患の項目を設けた。
 定年以外の理由で退職した教員の総数は3万4635人で、精神疾患を理由にした退職者は全体の2・7%。国公私立を合わせた校種別の内訳は、幼稚園229人▽小学校354人▽中学校194人▽高校120人▽大学38人▽短大5人。男女別では、男性306人(32・6%)に対し、女性が634人(67・4%)。高校を除く全ての校種で女性が男性を上回っている。
 文科省は調査結果について「経年変化を見ないと評価できない」とコメント。同省は、校務の効率化や教員の事務負担の軽減を進めるよう、都道府県教育委員会などに通知しているが、具体的なメンタルヘルスの対策は各教委に任されているのが現状だ。……

 調査の現物はここ。
 こういう調査というのは、調べ方や、評価の基準がどうよく理解できないところがあるから、これがどれだけ事実を反映しているのか、ちょっとわからないのだけれども、ただ、教師をめぐっては、相当たいへんで、深刻な事態が進行しているようにも思う。ボクのまわりの教師たちも、もうやめたいと言っている人が、ものすごく多いんだから。
 昨日、たまたま、電車で座っていると、前に初任研修帰りの女性が3人。その内容を聞いていると、仕事は上から下りてくるものばかりで、なかなか自分がやりたいことができない。一方で、ものすごく忙しく休めない。夏休みは休めるかと思ったが、あっという間に8月だ。体の変調がおこっている。というような話。いろいろ、考えさせられる。
 ただ、しんどさの原因は何なのか? きちんとした分析や議論はもっと必要だなあ。

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2011/07/28

BS歴史館 「暗号名 ブロークン・アロー~隠された核兵器事故」

 今日は、グラビアの刷りだし立ち会い以外は、ずっと実務の一日。かなりたまった、実務を淡々とこなす。ああ、めんどくせ。とくにお金を扱う実務は、やっぱり嫌いだなあ。
 夜、10時頃、家に帰ると、相方は相変わらず韓国ドラマのDVDを見ているので、しかたがなく作業部屋でパソコンをつくて、何となく、録画してあったこの番組をぼーっと眺める。

 アメリカには、ブロークン・アローという名前で、核事故のファイルが保管されているという。32件の事故。番組ではそのうち2つの事故について、その後を追う。水爆が地上に落ちた事故、そして海底に。前者、1966年1月。スペインの田舎町パロマレスに突然、核弾頭が降ってきた。上空を飛行していた米軍機の落下物。爆発は免れたものの、プルトニウムが飛散した。しかし、その処理は、完全ではなかった。しかし、異質なものと、結果的に共存することを強いられたときに、それは”安全だ”ということを強弁するメカニズムが動き出す。どちらも、現地は、安全性を強調し、それが受け入れられている。これは、原発の「安全神話」が、なぜ原発のある現地で受容されていくのかということとも共通性があるのだろうか。
 同時に、これは、ヨーロッパだけの問題ではない。32件のリストには、タイコンデロガの事故も含まれる。その水爆は、いまだ海の中に眠ったままだ。
 BSを見ると、ドキュメントもので、そうとう恐ろしい番組を毎週やっている。
 ほんとうに恐ろしい現実が、実は、目の前に存在している。

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困っているひと

T02200317_0229033011373621138 ウエブマガジンで連載していたときに、いくつか読んでいたけど、本になったので、買って、読んだ次第。著者は、まだ20代の大学院生(休学中)。大学時代にビルマ難民支援にのめり込み、その研究の道を歩み始めるが、突然、難病が彼女を襲う。
 さすがに難民支援のプロである。その経験のうえに、難病患者の現在の現状=つまり自身の今を冷静に分析する。
 軽快なたっちで、おもしろおかしく、その現状を書きつづるわけだけれども、随所でハッとさせられる。友にたよる生活から、結局は、必要なのは、そのようななかでも生きていける社会的な制度そのものが必要だと。だけど、日本の難病の現状は、まさに制度の谷間にあり、その制度に使うのには、ものすごく大きな壁がある。そのモンスターに挑む彼女、それは自分自身の支援者のようにも感じる。
 頭では、難病のことをいろいろわかったつもりになる。というか、いろいろな問題を知り、わかったつもりになる。いろいろ想像力も働かす。だけど、そのことに直面した人がかかえる問題は、その当事者にしかわからないこと、ボクらの想像を超えるようなことって、たくさんある。そのことを自覚させられる。同時に、たとえば、医者が福祉制度の現状について、ほとんど理解していないのと、同じように、どうしてもボクらは、自分の知識や経験から問題を考えようとする。そのことの限界にももっと自覚的でないとなあと思う。
 難病の問題、マイノリティーの問題、社会的な困難の問題など、そうした問題を考えるさまざまな視点を、みずみずしい視線で提示してくれている。

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「つくる会」系教科書を採択=中高一貫、特別支援学校で-都教委

 学習指導要領の改定にともなって来年から中学で使う教科書の採択戦が山場を迎えている。

「つくる会」系教科書を採択=中高一貫、特別支援学校で-都教委(時事通信)

 東京都教育委員会は28日、都立中高一貫校10校の中学課程で用いる歴史と公民、および視覚障害と知的障害を除く特別支援学校中学部(聴覚障害、肢体不自由・病弱)20校で使用する歴史で、「新しい歴史教科書をつくる会」の元メンバーらが執筆した育鵬社の教科書を採択した。また同特別支援学校中学部の公民は、同会のメンバーらが執筆した自由社の教科書に決定した。2012年度から4年間使用する。…

 都教委のやることだから予想されたわけだけれども、しかしなあ。こういうやりかたもなあ。うーん。
 先日の、東大阪の公民教科書についても、驚いたけど。

 いうまでもなくこの歴史修正主義派、いわゆる「つくる会」系教科書は、日本は明治時代から、白人支配からアジア諸国民を解放する事業の先頭に立ってきた、植民地では経済が発展した、英米との太平洋戦争は日本の自存自衛とアジア解放を目的とした戦争だった、とようするに日本はいいことをやってきたんだから、それに誇りをもとうという内容になっている。だけど、それは、他国を侵略し、植民地にし、アジア諸国民に甚大な被害を与えた事実をあいまいにするものだ。過去の行為をきちんと反省することで、国際社会にたいする当然の責任をはたし、平和と民主主義の精神で、世界やアジアとつきあっていく、そのことも危うくする内容になっている。
 公民教科書では、大日本帝国憲法は人権を大事にした、いい憲法だと描く。しかし、帝国憲法のもとでは主権者は天皇で、国民の権利は制限され、言論の自由や集会の自由もなかったのだ。原子力発電については、国民は国策に協力すべきだと言わんばかりに、露骨な推進論が書かれている。

 ウソで固めてほんとうに愛国心なんて生まれるのだろか。事実と向き合ってこそ、ほんとの愛国心が生まれてくるはずなのに、そんなこともわかんないのかなあ。

 歴史4団体が、先日、緊急のアピールを出している。緊急アピール:育鵬社版・自由社版教科書は子どもたちに渡せない
 教科書ネットが、重大となる採択戦に、緊急の行動提起をおこなっている。このままでは大変なことになる!育鵬社・自由社教科書の採択阻止のために、全力をあげた活動を!

 緊迫した日々が続く。

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2011/07/27

「孤族の国」3・11から

 数日前から、朝日新聞が、新しい「弧族の国」のシリーズをはじめている。震災で、故郷やいるべき場所を奪われた人たちの姿を追っている。これは、明日の朝刊の導入。

避難所出た途端 独り 「孤族の国」3・11から―5(朝日新聞)

 「山一つ越えれば、こうも気候が違うのかね」
 福島県中部の大玉村で、県内最大規模、630戸の仮設住宅の一室に暮らす小薬(こぐすり)栄次さん(62)が、エアコン全開の車に乗り込む。
 阿武隈の山並みを左に国道4号を南へ。その向こうが自宅のあった富岡町だ。「浜通りの夏は涼しくて住みやすかったんだけど」
 45分後、車は郡山市の「ビッグパレットふくしま」についた。福島第一原発の事故で、町民が役場ごと移った避難所だ。
 顔なじみが集うホールの一角に腰を下ろす。「3カ月もいたからかなあ。やっぱ、落ち着くんだよねえ、ここが」。テレビに目をやりながら、独りごちた。
 仮設住宅に移って1カ月。週に1、2度は避難所と行き来する。30代で妻と父を相次いで亡くし、高齢の母を独りにはできないと東京から帰郷した。その母も他界して4年になる。
 「避難所が閉鎖したら、いよいよ行き場を無くしちゃうなあ」。先週末、数日ぶりに足を運ぶと、親しい顔なじみが何人か、姿を消していた。…

 なんだろう、この暗さは、この展望のなさは。たしかに、単純にはげませるような話ではない。根無し草の不安定さ、つらさって、都会に生きているボクらが、実感していることでもあるけれども。
 しかし、こういう孤立化する社会のなかで、国をはじめ行政の役割が問われている。その責任んを話さないことを問うのがメディアなら、孤立の苦しみ、生きづらさの前に、たちつくすメディアのあり方は、やっぱりいただけない。そして、それを問う社会のありようも見てほしい。
 ここまで、問題に迫ろうというのなら、なぜ、そこで立ち止まるのか? 立ち止まるのが、いまの朝日なのかな。朝日はいま感傷的すぎますよやっぱ。

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黄色い星の子供たち

Gallery008635_2 今日は、仕事が早く終わったら、相方は泊まりの勤務だから、映画に行こうと思っていた。何に行こうとあれこれ考えていたら、友だちが、FBでこの映画の感想を書いていたので、あっそうだ、新宿でやっているんだって思い出して。
 いまから69年前の7月、ナチス占領下のフランスでユダヤ人約1万3000人がフランス警察に検挙され、ドイツの強制収容所に送られたヴェロドローム・ディヴェール大量検挙事件について、生き残った400人の証言を元に当時を再現もの。フランス政府は、最近まで、当時のヴィシー政権はフランスの政権でないとして、その責任を認めてこなかった。
 前半は、たんたんと事件にいたるまでのフランスのユダヤの子どもとその家庭を追っておく。ボクは、歴史に向き合うということを考えたとき、こういう映画で、その時代に生きて、その歴史的な事件に巻き込まれていった人々のことを忘れないということをしっかり描こうとする思いのすごさを感じる。そのぐらい丁寧に、取材して描く。そこには、人への思いを感じる。歴史を語るってことはこういうことなんだと思う。
 そして、後半は、メラニー・ロランが熱演する(よかったあ!)アネット・モノーの葛藤を軸に描く。
 子どもたちの姿がいい。母親たちの姿も。

 こんな映画をみると、だれだって日本と比較してしまう。おりしも、修正主義の教科書が、東大阪で採択されたというニュースがあったから。もちろん、ドイツにしても、このフランスにしても、日本より、戦前の社会には民主主義もあったし、人権の保障ということもあったという違いがある。だけど、その歴史に向き合ったかどうかは、戦後の社会の問題でもある。日本の戦後社会の歪みがやっぱり問われることになる。それは、戦争責任を封じ込めるような思考が、アメリカに追随するという戦後社会の形成と一体にあったということ。もうひとつ映画を見て考えたいなあと思ったのは、ドイツに抵抗したフランスの人たちの姿を十分に強調していること。日本の抵抗は、それは小さな力だったかもしれないけれど、共産主義者の抵抗もあったのだし、もっといえば、消極的だったとしても、さまざまな抵抗が存在したのだと思う。そのことが、あまり重視をされてこなかった気もする。

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2011/07/26

消費税の税率引き上げに関する声明

 反貧困ネットワークが、表題の声明を発表した。

消費税の税率引き上げに関する声明
               2011年7月25日 反貧困ネットワーク
                          代表 宇都宮健児
 政府は、「社会保障・税一体改革」案を決定し、10年代半ばまでに消費税率の10%への引き上げを段階的に行うと政府・与党として決定した。
 私たちは、日本社会が、働いても働いても貧困である人々を増やし、あるいは困窮した人々を仕事や住居からも排除し、あるいは生れ育つ家庭によって教育に差があり貧困家庭に育つ子どもたちがまた貧困に陥っている、と指摘してきた。
 また、税や社会保障の納付と給付を受けたあとに、高額所得者と低所得者の差がほとんど埋まらず、子どもに至ってはお金持ちの家庭の子はより有利に、貧しい家庭の子はより不利になるという逆の効果をもたらすこと(所得再分配がほとんど機能していないこと)のおかしさを指摘してきた。
 その多くの原因が、現在の税や社会保障や教育、そして労働のしくみにあることも指摘してきた。
 そしてさらに今、震災後、生活の手立てを失う人々が、被災地で、そして全国で増加している。
 こうした現状を踏まえ、法案として国会上程される前に、消費税の税率引き上げに関して、以下のことを表明する。
 (1)まず、貧困・格差解消に向け、社会保障改革(機能強化)と税制改革(所得・資産課税の累進性強化)を通じた、所得再分配機能を強化する必要がある。
 (2)消費税については、震災復興財源との関係、被災地域や経済への影響、低所得者への「逆進性」などに十分配慮して、拙速な税率引き上げを行わないことを求める。
 (3)この点、政府が震災復興財源として、2012年からの5年間、所得税と法人税等の引上げで対応する方向で検討している、と伝えられていることを基本的に歓迎する。復興のためにこそ、人々の生活に対する支援が重要である。
                                       以上

 たしかに、消費税の問題は、今後、大きな争点になる。社会保障との一体改革といいながら、その社会保障そのものも削減という方向になっているだけに、ちょっとね、これは。
 声明もあるように、消費税は、震災復興との関係でも、逆進性のある最悪の税制。いま、求められているの、財政の再分配機能をとりもどしような方向で、累進課税を強めることだと思う。収める能力のあるところからというのが原則だ。ただ、(3)の所得税、法人税についても注意が必要。低所得層などが増税になるようなことがあっても、元の木阿弥なわけで…。復興方針の議論では、一律課税という方向で、低所得者層への課税も臭わせているので、ちょっと注意しないとなあなどなど。濁った政治状況だけど、悪いことはちょっと続いている感じがするなあ。

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難病患者、生活支援に遅れ

 いま、大野更紗(@wsary )さんの『困ってるひと』読んでいるところだけどねえ。この本の感想は、まもなく読み終わるので、そのときにするけれども、今日の新聞にはこんな記事があった。

難病患者、生活支援に遅れ(読売新聞)

 深刻な症状が続き、治療法も確立していない難病患者への支援は、これまで主に医療の面で進められてきた。国が指定する特定疾患には、医療費負担の全部か一部を公費で助成する制度がある。1972年の制度開始時の4疾患から対象は広がり、今や56疾患に。受給者証の交付は2009年度、約68万件に達した。しかし一方で、生活や就労へのサポートは遅れている。
 断続的、周期的に悪化を繰り返す難病の場合、症状が重いときには食事、買い物など家事の手助けが必要になる。闘病しながらの仕事の継続や治療後の再就職にも大きな困難がある。だが、介護保険や障害者自立支援法のサービスの対象にならない「制度の谷間」にある患者が多く、必要な支援が得られていない。
 介護保険の訪問介護・看護などのサービスを受けられるのは原則65歳以上。パーキンソン病、筋萎縮性側索硬化症など、介護保険の特定疾病に当てはまる場合でも40歳から。若年患者は対象でない。
 障害者自立支援法による介護や就労支援などを受けるには、原則として身体障害者手帳を持っていなければならない。手帳の対象は臓器、疾患別に決められ、これに該当しない膵臓疾患などの難病患者は、病状が重くなっても手帳はもらえない。
 手帳を持たないことは、就職の際にもハンデとなる。企業に課せられた障害者の法定雇用率(1・8%)にカウントされないため、企業が採用に消極的になるケースがあるからだ。…

 日本の社会保障制度は、障害にかんしては、種別が指定されているため、制度の谷間が生まれる。難病がそれで、それでも、一定の難病はさまざまな制度があるが、それにもれる難病も少なくない。ボクの友人にも、難病で苦しんでいる人がいるが、ほんとうに粘り強い取り組みをしている。なぜ、これだけ豊かであるはずの日本で、ここまで自己責任を負わさせられるようなことが思ってしまうのか。そのことが問題になりながら、なかなか解決がすすまないのか。
 就労の問題も大きな課題。生活の問題であるととにも、人として生きるうえでの問題でもある。
 6月には、多発性硬化症友の会が交流会開いて、就労問題について話し合った。全労連の伊藤圭一調査局長が報告し、厚生労働省調査から難病患者の就労の全体状況などを紹介した。「難病を抱えても、胸を張って働く権利を主張するのは当然のこと。病気があっても働きやすい職場は、利益重視で異常な働き方が当たり前になっている今の職場を見直すことにつながる」と伊藤さんは言う。
 現在ある制度は、なかなか使い勝手が悪そうだ。そういうことをしっかり見ていくことが、働きやすい社会をちゅくることになるんだろうなあと思うなあ。

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今夏の電力供給:揚水発電、2割過小評価…東電など7社

 ふにゃあ。印刷工場に籠もる日も終了。基本、今月は、忙しかったなあ。仕事、終了後は、アルコール抜きで、ストイックに。まあ、楽しみなどはなくっていって、少し開き直ってねえ。

今夏の電力供給:揚水発電、2割過小評価…東電など7社(毎日新聞)

 経済産業省がまとめた今夏の電力需給見通しで、電力7社が水力発電の一種である揚水発電による電力供給力を、発電能力を示す設備容量より約2割(535万キロワット)少なく見積もっていたことが25日分かった。原発停止による電力不足で需給見通しに注目が集まる中、専門家からは「供給力を低く見積もる根拠を示すべきだ」との指摘も出ている。
 揚水発電は、水力発電所の下流と上流に貯水池を造り、夜間に余っている電力を使って下流から上流に水をくみ上げ、日中の電力需要のピーク時間帯に放水する仕組み。
 電力需給見通しは9電力会社の報告を基に経産省がまとめた。9社が公表した設備容量は計2621万キロワットだが、需給見通しは今年8月の供給力を2割少ない2086万キロワットと設定。最も差がある東京電力は設備容量1050万キロワットに対し、供給力は約3割少ない700万キロワットにとどまる。関西電力も設備容量506万キロワットに対し、供給力は449万キロワットと1割程度少ない。…

 今日の新聞を見ると、どちらかというと、電力が足りないということを臭わすのが朝日の記事? だけど、経済産業省の調査でもそうだけど、電力供給については過小評価されている。だいたい揚水だけではなく、民間の発電や共同の発電などについて、どれだけ買い取れるのかなどのデータは、どうもはっきりしない。休眠している火力発電所の活用などについても、さっぱりデータがでてこないのだから。

 やっぱり、電力不足論には、原発を再稼働しようという電力業界や財界、大きくは原子力ムラといわれるようなところの姿が見え隠れしてしまうのだよなあ。どうもね。

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2011/07/25

読売TV、不当労働行為に認定 年俸契約拒否は降格

 もう1つ、ニュースをクリップ。

読売TV、不当労働行為に認定 年俸契約拒否は降格(共同通信)

 大阪府労働委員会は25日、読売テレビ(大阪市)が次長職の労働組合員に年俸契約を求め、従わなかった者を一般職に降格させたのは不当労働行為に当たるとし、再発防止の誓約書を作ることを命じたと発表した。
 命令書によると読売テレビは09年4月、給与を年俸制とし、次長職を廃止する人事制度を導入。次長職の組合員12人に、年俸契約書に署名押印するよう要求し続けた。
 従わなかった7人が一般職に降格、署名押印した5人は副部長職に昇格し組合を抜けた。日本民間放送労働組合連合会近畿地方連合会などが救済を申し立てていた。

 いま、放送の現場の労働組合のたたかいって、いったいどうなっているのかなあ。まだまだ、こういう組合つぶしをねらった人事ってされているのかなあ。成績主義は強まって、どんどん働きにくくはなっているんだろうしねえ。なによりも、放送の場合は、非正規がどんどん現場に入っていて、それが、そこでの労働の劣化を生んでいるのだろうなあ。そういうことと、報道の質との関係はどうなんだろううか。番組の質との関係は。
 どうみても、労働の劣化と、放送の劣化は無関係ではありえないけれど。ニュース番組もすっかり、面白くなくなったなあ。個別にがんばるドキュメントはあるけどね。民放は、もしかしたらここでもしんどくなっているのかもしれないなあ。がんばってほしいんだけど。

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被災地労働者 過酷な現状報告

 今日は、一日中、印刷工場に籠もっての作業の日。いやあ、疲れたあ。
 さて、それはそうと、ニュースをクリップ。

被災地労働者 過酷な現状報告(NHK)

 東日本大震災の被災地や東京電力の福島第一原子力発電所で働く下請けの建設労働者が都内で集会を開き、ずさんな安全管理のまま当初の約束よりも低い賃金で働かされているなどと、過酷な現状を報告しました。
 東京・千代田区の日比谷公会堂には、大手建設会社の下請けで働く労働者ら、およそ1500人が集まりました。このうち、岩手県で仮設住宅の建設に携わった男性は「当初2万円の日当が出るという元受業者との約束だったが、実際には7000円しかもらえず食事もままならない。狭い宿泊場所で40人が過ごす劣悪な環境だった」と報告しました。また、集会では、福島第一原子力発電所の汚染水の処理や配管工事の現場では、放射線に対する説明や熱中症対策もない過酷な状況で働かされ、逃げるように現場を離れる作業員もいることが報告されました。宮城県気仙沼市の仮設住宅の建設現場で働いていた男性は「元の約束の半分の賃金で働かされ、本当に困っている。国もこの状況をしっかり把握して改善してもらいたい」と話していました。主催した団体によりますと、過酷な労働条件でも被災者の苦労を考えると声を上げにくい状況で、問題が表に出にくくなっているということで、団体は、今後、被災地での労働状況の実態把握を進めることにしてます。

 被災地での労働は本当に、劣化しているようだ。だけど、よく考えてみると、被災地の仕事の多くは、行政が発注したりしているものだ。そこでの労働がこれだけ劣化する。そのことに手を打たない(打てないじゃなく打たない)政治っていったいなんなんだろうなあと痛感する。そして、そこで働く人が声をあげにくい状況があるのなら、全国からの支援と連帯がいまこそ必要なときはない。雇用と労働をめぐるたたかいは、実は大きな課題なのだと思う。

 同時に、原発でのそれは、たぶんより構造的。これまでも原発にたかるような形で、何重もの労働を派遣するやり方に群がってきたのだから。そして、いちばん弱いものが、もっとも危険にさらされる。そんな構造が全然変わってないということなんだろうなあ。
 ほんとうに、よく考えないといけないなあ。

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2011/07/24

「線量計つけず作業、日本人の誇り」 海江田氏が称賛

 でもって、ニュースをクリップ。これは、ちょっとねえ。

「線量計つけず作業、日本人の誇り」 海江田氏が称賛(朝日新聞)

 海江田万里経済産業相は23日のテレビ東京の番組で、東京電力福島第一原子力発電所事故後の作業に関連し、「現場の人たちは線量計をつけて入ると(線量が)上がって法律では働けなくなるから、線量計を置いて入った人がたくさんいる」と明らかにした。「頑張ってくれた現場の人は尊いし、日本人が誇っていい」と称賛する美談として述べた。
 番組終了後、記者団に対し、線量計なしで作業した日時は確かでないとしたうえで、「勇気のある人たちという話として聞いた。今はそんなことやっていない。決して勧められることではない」と語った。…

 菅さんにふりまわされて、この人に同情する向きもあるけれど、この人の感覚って、この程度のもの。原子力発電は、基本、大企業中心の経済のために必要と考えているんだろうなあ。だから、原発がどういう労働によって支えられ、それがどのように構造化されていたのかということにはまったく関心も示さない。
 だから、今も、どのように、どのような内容で原発の現場で、労働が動員されているのか…。そして、そこに群がる利権もいまだ存在する。いやはや、政治は、ここまできたのかと暗澹たる気分になるようなあ、これは。

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これでいいのか福島原発事故報道

9784871541022 原発事故について、いろいろ勉強したいけど、何から勉強したらいいのか。案外、この本はおすすめ。多角的でいて、わかりやすいし、内容的にもよくできているなあ。

 原発事故からまもなく五カ月がたとうとしているが、いまだその収束は見えない。そんななかで、多くの国民が、原発そのものの安全に、疑念を感じている。それは、同時に、「安全神話」の形成に一役を買ってきた、メディアへの不信でもある。今も、はたして必要な情報が、正しく報じられているのかと。
 いったい原発について、何が伝えられ、何が伝えられていないのか。本書は、福島での原発の危険を告発する運動、抑圧を受けてきた原子力研究者、低線量被ばくの危険、電力会社の広報戦略、原発労働者の被ばくの実態、広告のあり方、脱原発運動の報道、そしてメディアが「原子力村」にどう取り込まれていったのかを検証する。吉井衆院議員の国会質問を含め、豊富な資料で、多角的に問題に迫る。

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飯舘村~人間と放射能の記録~

 昨日の、NHKスペシャル。あまりにもつらく、酷く、悲しく、涙なしには見れなかった。

110723_b 福島県飯舘村は人口約6000人。山あいの土地で農業や畜産業を営みながら人々は静に生活していた。ところが、東京電力福島第一原発の事故で暮らしは一変した。飯舘村は原発から30㎞以上離れていたため、当初は避難区域などに指定されず、住民は村に残った。しかし実際には、村の土壌は高濃度の放射能に汚染されており、人々は被曝することになった。さらに4月末には国によって計画的避難区域に指定された。村人たちは仕事と暮らしをすべて手放すという悲壮な決断を迫られたのだ。
 農作物の出荷停止。汚染状況の判明。村民に広がる被曝の恐れ。「自然と共存した村作り」を目指してきた菅野典雄村長も、村民の命や健康を守るため決意が揺らぐ。村を出るか、それとも残るか、村民は村の消滅のという極限の状況下で、何を考え、どう行動するのか。番組では震災発生から4か月間、飯舘村を定点観測し、「見えない敵」放射能との闘いを強いられた人々の姿を記録した。

 そこで、生きようとしていた人の生活を、農業や畜産という暮らしの生業を奪い取った原発。離村を決断するまでの過程があまりにも、つらく、悲しいのだ。抗いようのない力によってなされるその理不尽さ、不条理。だけど、それは自然の驚異とかそういうものではなく、人が、権力をもつ人たちが、おこなったことの結果でもある。それはやはり暴力だ。

 だけど、同時に忘れてはいけないのは、この飯舘は、電源三法交付金などが、落ちているところではない。原子力ムラからは離れたところだ。そして、この地に、高い線量の汚染が押し寄せていることがわかっていたにもかかわらず、事故直後の対応が、政府や東電の手でなされなかった地でもある。そこに生きる人への眼差しが、そこにはないということか。

 だけど、それでも、そこで生きていく人が、東電との関係に巻き込まれながら生きているということも番組では描かれていた。だからこそ酷いのだ。そこから、人が人として生きていく社会につなげていくには、もっと知恵も、さまざまなとりくみも必要だということ。それをなすのが政治なんだろうけどねえ。

 いま多くのジャーナリストが、この飯舘をテーマに取材を重ねている。ボクの知り合いも何人か行っている。
 森住さんのこの地での取材は、ブログに詳しく紹介されていて、読み応えがある。
http://mphoto.sblo.jp/

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2011/07/23

<原田芳雄さん>告別式で石橋蓮司が涙の弔辞 遺作「心がふるえた」 全文

516i0tgdqtl うーん、原田芳雄の映画って、たくさん見ているよなあ。だけど、ごく最初のころに見たのは、「竜馬暗殺」だよなあ。高校のころ、『龍馬がゆく』なって読んでいたということもあるけれど、一方で、月刊の「シナリオ」なんて買っていて、ATGの映画だったからねえ。ほんと、早熟だよなあ。その競演が、石橋さんだったんだとなあ。いっぺんで、ファンになったけど。
 その石橋さんの弔辞。これは、やっぱり、こころにしみる。
 でも、ふり返って見ると、黒木和雄は、ずっと、原田芳雄を使い続けたんだよなあ。DVD借りてきてみようかなあ。一つの時代がほんとうに終わったんだって、ちょっとさびしくなるなあ。

 最後の映画、大鹿村は、石橋さんとの競演かあ。なにより、阪本順治だとなあ。いま好きな監督の3本の指に入るなあ。これは、絶対に見に行くぞう、なんて、かなり空想的なのかもしれないけど

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民主、公約抜本見直しへ…岡田幹事長が謝罪文書

 そんでもって、国民を無視した形での、政治劇は、自民党と公明党との駆け引きへと移る。国民は、どうも大連立には、不信がいっぱいで。自民党は、あわよくば解散総選挙もねらいながら、やっぱり、ここまで、政策的な一致があると、単独ではできないから、と大連立への衝動は、くすぶり続ける。たぶん、ずっと、これは続くのだろうなあ。

民主、公約抜本見直しへ…岡田幹事長が謝罪文書(読売新聞)

 民主党は22日、2009年衆院選で政権公約(マニフェスト)に掲げた主要政策を抜本的に見直す方向で調整に着手した。
 赤字国債発行のための特例公債法案成立に向け、自民党など野党の協力を得る狙いがある。民主党の「マニフェスト検証委員会」(委員長・岡田幹事長)は、近く具体的な見直し項目をまとめる方針だが、党内には反発も根強い。民主党執行部が、党内の意見集約を出来るかどうかが当面の焦点となる。
 菅首相(民主党代表)は22日の参院予算委員会で、「(マニフェストの)本質的な方向は間違っていないと思っているが、財源に関してやや見通しが甘い部分もあった。不十分な点があったことについて、国民に申し訳ないとおわびしたい」と述べ、マニフェスト財源の裏付けの不備を認め、謝罪した。
 岡田氏も同日、国会内で自民、公明両党の幹事長と会談し、マニフェストの見通しの甘さを謝罪する文書を提示した。文書には、「マニフェストに掲げたからというだけでその実現を目指すのではなく、再度その必要性を検討する」「次期総選挙のマニフェスト作成にあたっては、政策の優先順位についてより真剣に検討する」などと明記した。

 ちなみに、民主・岡田氏が民自公幹事長会談で提示した文書(全文)(産経新聞)

 これで、もう政権交代の意味は、ほぼ、崩れ去ってしまったわけだなあ。すでに、政治は、民主と自民の合作のなかのパターン探しが中心となっていくわけで、どんな政局になるかはよくわからないけれども、だけど、民主でも、自民でもない道をしめさないといけないということで。

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自民個人献金、72%が電力業界 09年、役員の90%超

 ニュースをクリップ。

自民個人献金、72%が電力業界 09年、役員の90%超(共同通信)

 自民党の政治資金団体「国民政治協会」本部の2009年分政治資金収支報告書で、個人献金額の72・5%が東京電力など電力9社の当時の役員・OBらによることが22日、共同通信の調べで分かった。当時の役員の92・2%が献金していた実態も判明した。電力業界は1974年に政財界癒着の批判を受け、企業献金の廃止を表明。役員個人の献金は政治資金規正法上、問題ないが、個人献金として会社ぐるみの「組織献金」との指摘が出ている。福島第1原発事故を受け、原子力政策を推進してきた独占の公益企業と政治の関係が厳しく問われそうだ。

 もちろん、個人献金は禁止されていない、正当なものだけど、どういう実態​だったのか。組織的な献金は、限りなく、企業献金に近いものだったのか? いずれにしても、これだけの規模になると、こういう人たちの利益​をこの政党は代弁していたということがはっきりする。その利益の​内容とは何なのかは、やっぱり問われる。それが原子力ムラといわれる所以なのだと思う。自民党の大企業本位の政治がつくりだした、原子力発電中心の政治の構造とはどういうものだったのか。いま、原発事故で問われているのは、そういう自民党政治のあり方でもあるのだろうけれどもねえ。

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2011/07/22

核廃絶願う交響曲をCDに

378 早速、買ってきました。佐村河内守さんの交響曲第1番『HIROSHIMA』(大友直人指揮東京交響楽団)が、CDになったんです。ボクは、去年、4月4日、池袋の東京芸術劇場で広島初演版による改訂版の第1楽章と第3楽章の演奏を聴いたんだけど、その後、京都全楽章の演奏があり。やっと、耳にすることができるのです。

核廃絶願う交響曲をCDに(中国新聞)

 広島市佐伯区出身の作曲家で被爆2世の佐村河内(さむらごうち)守さん(47)=横浜市=が核兵器廃絶を願って作曲した「交響曲第1番 HIROSHIMA」のCDが完成した。21日、市役所に松井一実市長を訪ね、CDを贈った。
 映画や人気ゲームソフトの音楽を手掛ける佐村河内さんは、35歳で聴覚を失った後も精力的に作曲を続ける。交響曲第1番は2003年秋に完成。両親の被爆体験などを基に、原爆の悲惨さや核兵器廃絶への祈りを81分で表現した。
 佐村河内さんは「広島のため、精いっぱい作り上げた」。松井市長は「素晴らしい音楽を作っておられる。心して聞かせていただきます」と喜んでいた。

 聴く前から、ちょっとドキドキしています。

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2011/07/21

平松大阪市長の発言

 今日の、朝日新聞のオピニオン欄で、大阪の平松邦夫市長が、生活保護について、「努力しない人、打ち切りも」という文を載せていた。もともと、生活保護の有期化に熱心な人ではあったのだけど。稼働世代の受給の増加を問題にしながら、「働かなくても最終的には生活保護が面倒みてくる風潮が広がっている」と批判する。もちろん、国が責任をもっておこなうべきものという主張は、たしかにそうだけれども、「えり好みさえしなければ、働き口は十分にあります」だとか、「収入が保護基準に満たない場合は公費で補えばいい」という主張は、事実・実態をふまえていないし、後者のほうはいまも、そういう制度で運営されている。この人は、そういう基本的な認識のうえで、歪みがある。

 だけど、大阪をめぐってややこしいのは、大阪では、あたかも、橋下さんと平松さんの対決が、最大の問題のような報道をされていることだ。考えればすぐにわかることだけれども、新自由主義的な視点で、福祉の切り捨てに乗り出す姿勢は、橋下さんと平松さんの間には、それほど大きな差があるようには思えない。同じ、勢力の中での手法のちがいがあるにすぎない。本当の対決は、別なところにあるのではないのだろうか。そう考えると、大阪で、福祉を守り、発展させるような府・市政をつくっていくたたかいは、その本当の対決点を、メディアのキャンペーンをはねのけて府民・市民の前に提示するというとてもしんどい仕事がまずあるのだなあと。

 秋の選挙まではまだ多少の時間はあるが、大阪の問題は、結構、全国的な影響を与えかねない側面もある。なにしろ、中央政界でも、2大政党勢力は、完璧に行き詰まってしまっているのだから。そのなかで、大阪で、どのような議論と論戦はなされていくのかは、ちょっと注目せざるをえないところなんだけれども。

 さて、今日はひたすらインタビュー原稿と向き合う。今月、もう3本目だから、だいぶお疲れです。でも、今月のそれらは、それぞれ、相当おもしろいですよ。もう一息です。

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貧困率についての声明

 反貧困ネットワークが、先日、発表された貧困率について、声明を発表した。ときどきに発表する、このネットワークの声明はいつも学ぶところが多いが、今回もいろいろ考えさせられた。

貧困率についての声明
                                            2011年7月20日
                                               反貧困ネットワーク
                                               (代表 宇都宮健児)
 7月12日、厚労省が相対的貧困率を発表した。全体で16.0%、17歳以下の子どもの場合で15.7%だった。
 2009年10月、政権交代直後の厚労省が初めて発表した相対的貧困率は、それぞれ15.7%、14.2%だった。それぞれ0.3%、1.5%の上昇であり、特に子どもの貧困率の上昇幅が著しく、相対的貧困状態にある子どもの数は3年間で約23万人も増加したことになる。
 この結果は、厚労省が3年に一度行う国民生活基礎調査(大規模調査)のデータに基づいており、今回発表されたデータは2009年1~12月の所得に基づいている。前回調査の根拠データは2006年1~12月だった。
 2007年2008年2009年に何が起こったかを振り返ってみれば、07年はいわゆる「ネットカフェ難民」問題で始まり、7月には「おにぎり食べたい」という日記を書き残して亡くなった北九州市の52歳男性の餓死事件が発覚し、年間を通じて日雇派遣会社グッドウィルの「データ装備費」問題が世間を賑わした。08年にはリーマンショックに端を発した大量の派遣切りがあり、年末には「年越し派遣村」が誕生した。国民年金1号保険料や国民健康保険料の未納・滞納問題が広く知られるようになったのも、この数年間である。そして09年にはそれらすべてを受けての政権交代があった(子ども手当や公立高校の授業料無償化が始まったのは2010年に入ってからであり、今回のデータには反映されていない)。
 この3年間を振り返ると、相対的貧困率の上昇は当然のことのように見えてくる。それだけ、日本社会の痛みや綻びがさまざまな形で噴出した3年間だった。

 それでも、子どもの貧困率の上昇幅には驚きを禁じ得ない。これは、とりもなおさず、17歳以下の子どものいる世帯のそれ以外の世帯に対する相対的な低所得化の進行、すなわち高校生以下の子どもを持つ「働き盛り」の親たちの雇用の不安定化・低所得化を示している(その下げ幅が著しいために、ひとり親世帯の相対的貧困率が「改善」してしまうという「逆転現象」すら起こってしまった)。「雇用融解」から「雇用壊滅」(風間直樹)に至る事態が如実に数字として表れた結果だろう。
 周知のように、日本は世界一の超少子高齢化社会であり、現役世代およびその子どもたちが十分に力を発揮できる環境整備は、当人たちにとってはもとより、社会全体の持続可能性において喫緊の課題であることは論を俟たない。私たち反貧困ネットワークは、相対的貧困率の削減目標を掲げ、政策提言を行ってきた。もっとも責任の重い政府・自治体をはじめ、NPO・教育関係者・企業・労働組合も、それぞれの立場から、高すぎる子どもの貧困率の改善に取り組んでいかなければならない。

 所得の多寡のみによって人々の幸福が測られるわけではない。しかし、相対的貧困状態の放置は、多くの人々の生き死にを左右し、悲惨な状況を生み、ひいては日本社会全体の衰退に直結する。「事態を小さく見せて、とにかく今をやり過ごす」のはもう止めにすべきだと、私たちは今年改めて学んだはずだ。
 次の国民生活基礎調査(大規模調査)は、2012年(来年)1~12月の所得を元に行われ、その結果は2014年半ばに発表される。さらに暗澹たる事態が進まず、好転の兆しが現れる結果にするために、すべての関係者の尽力を求める。
                                                        以上

 ほんとうに、このあってはならない事態の改善にど宇向き合うのか、社会と政治のあり方がとわれている。
 
 ある研究者の方が、この調査を見て、貧困率を出す基準になる「貧困線」は、「所得分布の中央値の50%」と設定されているので、所得が全体的に低下している場合、貧困線も下がる。この間平均所得は低下の傾向にあり、貧困線の絶対値も低下している。その中での貧困率の上昇なので、実際の状況は数字以上に悪化していると考えられると指摘していた。
 関係者の間ではよく知られていることだが、一般には見落としがちな点で、メディアもあまりふれない。こうした指摘も大事な点だと思った。

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2011/07/20

虐待相談 初の5万件超

 ニュースをクリップです。

虐待相談 初の5万件超(東京新聞)

 全国の児童相談所に二〇一〇年度に寄せられた児童虐待の相談件数は五万五千百五十二件(速報値)で、初めて五万件を超え過去最多となったことが二十日、厚生労働省のまとめで分かった。 
 今回の速報値は、東日本大震災で集計ができなかった宮城県、福島県、仙台市を除いている。同様に三自治体を除いた〇九年度の数値と比較すると、一〇年度は一万二千九十件(28・1%)増。〇九年度(3・6%)を大幅に上回り、〇四年度(25・7%)以来の大幅増となった。一九九〇年度(千百一件)の集計開始から二十年連続の増加。
 厚労省は「大阪市で二幼児が死亡した事件などが大きく報じられ、疑いがある場合は児童相談所に連絡しようという意識が高まったためではないか」と分析している。
 自治体別で増加率が高かったのは愛知県(78%増)、栃木県(67%)、大分県(66%)など。
 長期間子どもの姿が確認できない場合、保護者に出頭を求めることができる制度が〇八年四月から始まり、一〇年度は五十例、対象児童は延べ七十二人(〇九年度は二十一例、二十五人)。応じなかったため再び出頭要求したのは六例、七人(同二例、二人)といずれも増えた。…

 報道発表はここ。

 社会的な注目の強まりとともに、経済的な困難の進行、社会の変容のなかでの家庭の孤立化など、こうした数字の増加にはさまざまな側面があり、しっかりとした冷静な分析が必要だとは思う。
 だけど、大事なのは、支援の強化ということ。子どもをもつ世代の困難を、解決するような方策。結局、中途半端に終わった民主党の子育て支援政策の行方は注視されなければならない。
 同時に、社会的養護などを含め、当面求められる児童相談所などの拡充も急がれる。
 注目は集まっているのに、そこへの対策のスピードもまた遅いなあ。財源をはっきりさせないとテコでも動かない政権、いいかえれば消費税増税の道筋をつけることと引き替えにしか、何も動かそうとはしない。これに対するしっかりした議論の方向性を考えなくてはいけないということなのかなあと。

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原発、当面維持=集団的自衛権行使を明記-自民報告書

 自民党が、今後の自身の基本方針の骨格を検討した報告書を発表する。

原発、当面維持=集団的自衛権行使を明記-自民報告書(東京新聞)

 自民党の国家戦略本部(本部長・谷垣禎一総裁)は20日午前、今後の中長期的な政策立案の柱となる報告書を発表した。既存の原発を当面稼働させつつ、太陽光など再生可能エネルギーの普及を進める方針を明記。安全保障では、政府が憲法解釈で禁じている集団的自衛権の行使を「認める」ことを打ち出した。
 報告書は、今後のエネルギー政策について「再生可能エネルギーが新たな柱になる。しかし、直ちに原子力による発電量分をカバーすることは極めて難しい」と指摘。当面の危機対応として(1)節電などの推進(2)安全対策を強化した上で既存原発の稼働維持(3)火力発電などの増強(4)再生可能エネルギーの普及促進-を掲げた。
 集団的自衛権に関し、「公海における米艦防護、弾道ミサイル防衛を可能とする」と明記し、行使の範囲を法律で規定するとした。また非核三原則については「陸上への核配備は認めないが、核兵器を積んだ艦船の寄港などについては容認する『非核二・五原則』への転換を図る」と強調した。
 社会保障に充てるため、消費税率の当面10%への引き上げも盛り込んだ。

 これがその報告書。
 ちなみに新聞の概要ではこうなる。

自民党報告書要旨(時事通信)

 自民党の国家戦略本部が20日発表した報告書の要旨は次の通り。
 【成長戦略】
 今後のエネルギーの在り方については原発事故の収束をにらみながら、安全性、リスク分散、コスト面、環境面など徹底的に再検討を行い、電力の安定供給のシステムを再構築しなければならない。再生可能エネルギーが新たな柱の一つになる。しかし、直ちに原子力による発電量分をカバーすることは極めて難しい。当面の危機対応として、国民経済の悪化・産業空洞化を防ぐためにも(1)節電・ピークカットなど省エネの推進(2)安全強化策を施した上での既存原発の稼働維持(3)液化天然ガス(LNG)・火力発電の効率化と増強(4)再生可能エネルギーの積極的な普及促進-を需給両面からのベストミックスで進めることが不可欠だ。
 【社会保障・財政・雇用】
 税制抜本改革について、2011年度までに必要な法制上の措置を行い、消費税の税率は当面10%とし、使途は社会保障に全額充てる。
 【外交・安全保障】
 集団的自衛権の行使を認める。公海における米艦防護、弾道ミサイル防衛を可能とする。集団的自衛権を行使する範囲を法律で規定する。
 わが国は非核三原則を堅持してきた。陸上への核配備は認めないが、核兵器を積んだ艦船の寄港などについては容認する「非核二・五原則」への転換を図る。

 今の政治の混迷の最大の原因は、かつての自民党政治がゆきづまってしまったことにある。2大政党としての民主党への政権交代は、その枠内での政治の転換を模索したが、ふたたびゆきづまりに直面している。では、自民党のほうは? あいかわらずの保守政治・自民党政治の継続をめざす。ほんとうに古い政治をそのものをさらにすすめようとしている。原発の推進1つをとっても、そこには、現状の打開の道筋は描かれない。もちろん、小泉流への復帰のトーンはさすがに弱い。

 だけど、注意すべきことは、結局、民主党の復興路線や、税と社会保障の一体改革路線との共通項が少なくないことだ。一方で、大きくは大連立の条件は客観的には強まっているというしかない感じもする。
 菅さんはねばるが、どうも政治は違うところで、違いように動いている。

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F15訓練再開に「墜落原因究明が先」

 事故の原因も、そもそも機体すらわからないのに、もう訓練の再開なんて。そんなことに対して怒りが広がるのは当然だと思う。

F15訓練再開に「墜落原因究明が先」(沖縄タイムス)

 航空自衛隊が、F15戦闘機の飛行訓練再開を発表した19日、関係自治体の首長は「まず墜落の原因特定を」などと再開前に原因究明すべきだと不満の声を上げ、引き続き自衛隊へ説明責任を果たすよう求めた。事故現場海域に近い一部自治体の首長は、訓練再開の連絡がなかったことに反発している。
 航空自衛隊那覇基地のある那覇市の翁長雄志市長はF15戦闘機の訓練再開に「事故機を引き揚げて墜落の原因を特定しないうちは納得できない」とコメント。「再開の判断は国が行うもの」としたが、今後も墜落機の回収を急ぎ、事故原因について説明責任を果たすよう求めた。…

 那覇空港に近い地域に住む友人のマンションからは、F15の離陸がよく見えるそうだ。友人曰く「必ず2機一対で発進、しばらくしてまた2機一対で発進、合計4機飛ぶ」という。たしかに、去年、ボクもその姿を、空港で見た。これはすぐに目にすることができる姿だ。友人の解説によると、「訓練というのは、対領空域侵犯措置だから、1万フィートでの1対1とか2対1とかの対戦闘機訓練。だから最低4機、一緒にいなくてはならない」と。そんな訓練が、漁業をしている上空で展開され、知らないうちに落下してきたのが先の事件だ。定置網だってある。我が家の子どもたちの好きなもずくや海ぶどうの養殖網もある。その怒りは、生活に根ざしているというわけだ。
 沖縄タイムスの記事は続く。
 「伊平屋村の伊礼幸雄村長は『久米島、伊江島、伊平屋島の周辺に墜落したというのに、航空自衛隊から訓練再開の連絡は受けていない』と憤怒。『定置網など多くの漁業者が操業している地域で県民の生命と財産を脅かすような事故を起こしながら、安全だから訓練を再開するという理屈は許しがたい』と話し、原因究明の上、『空自トップの航空幕僚長が謝罪すべきだ。訓練再開は時期尚早』との認識を示した。
 県漁業協同組合連合会の國吉眞孝会長は『二度と事故を起こさないよう安全確認を徹底して、最善を尽くして訓練してほしい」と要望。訓練再開については「原因究明には時間がかかる。訓練も大事だが、引き続き原因究明にあたって』とした」。その怒りを政治はうけとめるべきだと思う。

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2011/07/19

記者の目:原発事故を苦に93歳自殺=神保圭作

 今日は、提稿実務、先の手立てをすすめつつ、目の前の号のインタビューに挑む。もう幾日もないのだけれども、大急ぎで原稿をつくらないといけない。水道橋のホテルで、録音。

 さて、原発の事故をめぐっては、今日は新しい工程表が出された。安定的な冷却にうつり、ステップ2に入るという。だけど、メルトダウンした燃料がどうなっているのか、ぜんぜん明らかにされないし、冷却循環もすぐに故障し、放射能を封じ込めている状態からはとっても遠い。そういう収束をめざしていく方向性を裏づけるようなデータが出されているとは思えない。だから、当然、信頼性がいつまでたっても生まれない。
 第一、現在、線量の高い地域への対策、被害への補償がまともに進んでいない状況のもとで、つまり、被害に対してまともに向き合おうとしない政府や電力会社の言うことを信じろと言われてもだれが信じるというのだろうか。そういうことがなぜわからないのか、ほんとうに感覚がマヒしている、この人たちは。

 いまから10日ほど前「私はお墓にひなんします」という遺書を残して、93歳のおばあちゃんが自殺し、衝撃をあたえた。何とも言えない無力感にさいなまれた人も多いのではないかと思う。今日の毎日の記者ノートで、そのことをとりあげていた。

記者の目:原発事故を苦に93歳自殺=神保圭作(毎日新聞)

 東京電力福島第1原発の事故で避難生活を強いられた福島県南相馬市の93歳の女性が「私はお墓にひなんします」と書き残し、自ら命を絶ったことを、9日朝刊で報じた。遺書に「毎日原発のことばかりでいきたここちしない」ともあった。
◇福島県民の悲鳴、聞き逃すな
 遺族を取材した7月5日、松本龍氏が被災地への暴言の責任を取って復興担当相を辞任した。長寿を祝福されるべき女性が自死へと追い込まれる現実と、政治家の認識との絶望的な隔たりに暗然とする。被災地は待ったなしの状況だ。取るべき策の速やかな実行が必要だ。
◇命を絶った意味しっかり伝えて
 亡くなった女性は再び避難することへの不安を募らせていたという。長男(72)から「悪いのは国か? それとも原発なのか?」と問われた。長男の妻(71)からは別れ際、こう言われた。「ばあちゃんが死んだ意味を、しっかりと伝えてください」
 私が担当する南相馬市は、原発事故で惨たんたる有り様だ。市域は、南部の小高区が警戒区域▽中心部の原町区が緊急時避難準備区域▽飯舘村などに接する山沿いが計画的避難区域--に指定され、無指定と合わせて四つに分断されている。局所的に放射線量が高い「ホットスポット」も複数あり、特定避難勧奨地点が設定されようとしている。
 市の人口は今年2月末時点で7万1494人だったが、原発事故で一時は大半が避難した。徐々に戻りつつあるが、7月8日現在でも3万5222人と半分以下にとどまる。若い世代が避難を続けるケースが多いとみられ、65歳以上が占める高齢化率は震災前の25%から28%になった。
 深刻なのは働く場が減っていることだ。主要産業の農漁業が打撃を受けたうえ、自動車や機械、家電関連の部品を製造する事業所なども軒並み操業停止・縮小を余儀なくされている。市の中間報告によると、小高区で調査に応じた約180事業所のうち、警戒区域外で事業を再開したのはわずか28社。原町区では同約800社のうち4割近くが今も休業している。
 原町区のある縫製会社は、原発事故に伴う避難で従業員74人の3分の1が退社した。5月上旬に生産を再開したが、放射能の影響を懸念する大口顧客から取引停止を通告され、専門機関に商品の線量調査を頼むなど対応に追われている。会社幹部は「うちのような中小は同じ場所で続けるしかない。補償がなければ廃業せざるを得ない」と語る。
 故郷で働きたくても、その場がなければ外へ出るしかない。福島労働局によると、6月20日に受け付けが始まった県内の新規高卒者求人数は、5日間で297人と前年同期比4割減。南相馬市内の県立小高工業高校は東京で就職合宿をし、関東の大手自動車メーカーなどを見学させている。地元に見切りをつけるしかないのだ。企業も若い世代も去り、急激な過疎化でまちが消えるのではないか。市民たちは本気で心配している。…

 被災者の声を聞き、被災者の思いや不安をしっかり受けとめ、まず政治(国)の責任を考える。それが政府のまずやるべきことのはずだ。しかし、いまだ、何を、この地に国はしたというのだろうか?そんな思いがもたげてくる。
 2次災害、3次災害は、ボクらがまだ知らないところで広がっているに違いない。そんなことを絶対続けさせない、強い決意が政治には求められているはずなのに。

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2011/07/18

おめでとう! なでしこ だな今日は。

 いや、今日は、やっぱりこのニュースだよなあ。
 澤の同点ゴールは、もう震えてきたよなあ。宮間のプレスキックがやっぱりすごい。うまいんだもの、ほんとに。
 神がかり的なPK戦。夢はカネじゃないよねえ。

 若い選手には、もっと走る、スピードのある選手がたくさん出てきているし、楽しみだなあ。

 表彰式も感動的。金色の紙吹雪のなかの選手たちは、なんか素敵だったなあ。

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使用済み核燃料をモンゴルに貯蔵 日米との合意原案判明

 ちょっと、嫌なニュースである。

使用済み核燃料をモンゴルに貯蔵 日米との合意原案判明(共同通信)

 モンゴル産のウラン燃料を原発導入国に輸出し、使用済み核燃料はモンゴルが引き取る「包括的燃料サービス(CFS)」構想の実現に向けた日本、米国、モンゴル3カ国政府の合意文書の原案が18日明らかになった。モンゴル国内に「使用済み燃料の貯蔵施設」を造る方針を明記し、そのために国際原子力機関(IAEA)が技術協力をする可能性にも触れている。
 モンゴルを舞台としたCFS構想が実現すれば、核燃料の供給と、使用済み燃料の処分を一貫して担う初の国際的枠組みとなる。福島第1原発事故を受け、当面は構想の実現は難しいとみられるが、民間企業も含め後押しする動きが依然ある。

 まえまえから報道されていたことだけどねえ。嫌な話。原発の利用は、放射能を封じ込める技術が未完成だといだけではない。使用ずみの燃料の処理方法が決まらないということがある。それを、人が少ない、経済的に遅れた地にもっていくという、これまでも原発が抱えてきた構造を国際的に押し広げるということなのかなあ。

 ちょっとなあ。

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2011/07/17

原子力委の設置、裏に偽装報告 55年 初の海外調査団

 何かもう歴史に属することなんだろうけれどもね。安保で、密約があったように、戦後に日本の今回の政策って、実は、ウソで塗り固められて、国民から隠されていたわけで。

原子力委の設置、裏に偽装報告 55年 初の海外調査団(朝日新聞)

 政府が1955年、原発を導入するために初めて派遣した海外調査団の報告書が、原子力委員会の設置を推進する内容に偽装されていたことがわかった。作成に関与した旧通商産業省の初代原子力課長(故人)の偽装を認める証言が、文部科学省の内部文書に記録されていた。
 文書は85~94年、日本の原子力行政の重鎮で、原子力局長や原子力委員を務めた故・島村武久氏が、原子力政策にかかわった政治家や官僚、学者など33人を講師として招いた「島村研究会」の録音記録。A4判620ページにわたって文書化され、文科省が製本したものを朝日新聞が入手した。
 政府は54年12月、初めての原子力予算で、物理学者を団長とする15人の「原子力平和的利用海外調査団」を派遣。4班に分かれて米英仏やインド、スウェーデン、デンマークなど14カ国を巡り、原子力行政の組織体制を調べた。
 調査団は帰国後、原子力を推進・開発する政府の機関について「各国の統括機関はほとんどすべて委員会の形をとり多頭。各方面の意見を十分に入れるためと思われる」と報告書に明記して、集団指導体制による委員会の設置を日本でも急ぐよう提言した。
 事務局として作成にかかわった旧通産省工業技術院原子力課の初代課長の故・堀純郎氏は88年、「島村研究会」に招かれ、「(トップに)委員会をつくっているのは米国だけで、ほかにはどこもない」と指摘。フランスは「役所」、イギリスは「公社」だったにもかかわらず、「(諸外国は)どこでも委員会だ。だから日本でも委員会を作らなくちゃいかんと強調した」と偽装を証言した。
 さらに「若い事務官がこんなうそ書けるかと憤慨した」とも証言し、のちに資源エネルギー庁次長となる豊永恵哉氏が偽装に抵抗したことを明らかにした。
 豊永氏は朝日新聞の取材に「委員会は米国にしかなく、責任があいまいになり、日本になじまないと思った。むしろしっかりした行政組織を作るべきだと上司に進言した」と話す。…

 言っとくけどこれって、戦前的体質そのものなんだろうな。日本の官僚組織や支配層ってずっとこういう思考なんだろうな。ただ、平和利用ということを最大限生かして、原発を推進することを考えたってこのなんだろうかねえ。プレーヤーの意図も知りたいところだけどね。

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2011/07/16

検証動かぬ基地vol.98 高江にあった「ベトナム村」とは

 ノグチゲラの繁殖期のため、工事が中断されていた、沖縄・東村高江のヘリパット建設も、その繁殖期が7月で終わるため、再び緊迫した局面を迎えることになる。2月の高江は、ほんとうに深刻な事態が展開されていたのを思い出す。ちょうど雑誌のグラビアで、高江の写真を準備をしていて、そして、そのときに3・11に遭遇したのが今年の前半だったなあ。

 なぜ、高江の人たちは、ヘリパットを拒否するのか。そこには、そこに住む人が、訓練の標的とされる事実と、それがくり返されてきた沖縄の歴史がある。
 琉球朝日のこの映像は、なかなか見応えがあった。

検証動かぬ基地vol.98 高江にあった「ベトナム村」とは(琉球朝日放送)=映像あり

 ノグチゲラの繁殖期が終わり、7月から工事を再開する予定の東村高江のヘリパッド建設。10日たち、まだ動きはありません。しかし、アメリカ軍の訓練場の隣で生活をする住民の苦労は、今に始まったことではありません。
 今から48年前、高江の近くに「ベトナム村」と呼ばれるアメリカ軍のゲリラ訓練施設があり、ベトナム風の家や家畜も飼われ、訓練の時には高江区民がベトナム人の役をさせられたという歴史がありました。
 伊佐真次さん「私たち現場で今24時間張り付いてがんばっていますけれども、これでは身が持ちません」
 2007年から始まったヘリパッド建設。反対する座り込みも5年目に入ります。7月からの工事再開を危惧して、報告会には過去最大の500人が集まりました。…

 沖縄の人にとっては当たり前かもしれないけど、本土では共有されていない歴史や事実がここにある。ぜひ、みてほしいなあ。

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私たちはこうして「原発大国」を選んだ 増補版「核」論

150387 福島の原発事故が起こるはるか前に書かれた本である。もちろん、あの原発事故を目の当たりにしたいまから見れば、ちょっとなあ、なのだけれども。だけど、50年代の正力や中曽根、柴田の役割、70年代の田中、中曽根と電源三法をとりまく状況、そしてJCOの事故など、戦後の日本の原発史を考えたとき、よくできた本だと、ボクは思っているのだけれども。
 清水の変節や高木の限界なども、ストレートで、それでいて興味深い。だけど、そこに8~90年代の動きを代表させてしまっているところが、この本の限界か。チェルノブイリのあと、ここまで肥大化させてしまった「安全神話」への言及も、なぜかちょっとだけ。そのことが、今度の原発事故への、立ち位置を危うくさせているのかなあとも思う。たんなる中途半端とは言いたくないけれども。

 だけど、戦後の原発にかかわる本を読んでいると、どうしてもでてくるのが原水爆禁止運動とのかかわり。ここでの記述は、この本もかなり乱暴で、不正確だ。ここまで、不正確な本がならぶと、やはり考えてしまうなあ。それは、いろいろな条件や意図があったとしても、ある側面が異常に肥大に歪曲して、多数に認識されているという事実。それは、認識の歴史的過程なのだろうか。だとすれば、それは間違っているというのが大事なのではなく、認識をただすような、事実の提供が大事なのかなあとは思う。
 そして、そのこととの関連で、あらためて思うのは、ソ連というなくなった国とその指導者の日本での犯罪的な謀略的行動とその影響力の大きさでもあるのだけれどもね。

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学校で何が(10)4月1日、異動断行(宮城)

 宮城の地元紙が、震災以降をふり返ったルポを掲載している。これがまた、興味深い。

学校で何が(10)4月1日、異動断行(宮城)(河北新報)

 東日本大震災の被害が大きかった東北3県で唯一、宮城県教委は本年度の教職員人事異動を予定通り、4月1日付で実施した。県内では公立学校の8割以上が被災。津波被害を受けた沿岸部では当時、混乱の中で児童の安否確認も進んでいなかった。被災校から被災校への転任を命じられた教員は「兼務」の重い負担を強いられ、保護者からも反発や戸惑いの声が上がった。

◎「兼務」重く教師苦悩/保護者「心のケア懸念」
 「あのね、(津波で)流された人を引っ張り上げたけど、死んでたから手を離したの」
 宮城県沿岸部の小学校から、さらに津波被害が深刻だった小学校に転任した女性教諭は、そんな児童の話に胸を痛めた。
 新任校では津波に巻き込まれたり、人が亡くなる姿を目の当たりにしたりした児童が少なくない。家庭調査票などのデータは流失し、基本的な情報もないまま、子どもたちの心に向き合わざるを得ない日々が続く。
 夫は3月11日に津波に巻き込まれ、帰らぬ人となった。前任校でも津波で家族や家を失った児童や同僚たちがいた。「つらいのは私だけじゃない」と自分に言い聞かせ、教え子の安否確認に力を注いだ。
 前任校の校長から転任を告げられたのは、そんな時期だった。「まだ安否不明の子どもや先生がいる。異動できる状況ではない」。県教委などに訴えたが、決定は覆らなかった。
 宮城県教委は今回、異動者約3370人のうち、津波被害を受けた沿岸部に勤務していた約580人について、前任校との「兼務」とした。
 教職員課は「内陸部よりも沿岸部を手厚くするため、おおむね夏休み前まで前任校で避難所運営や子どものケアなどに取り組んでもらう考えだった」と説明する。
 しかし、実際には沿岸の被災地間で異動した教職員が兼務対象者の6割を占めた。津波で被災した2校を兼務したり、被災校と避難所となっている学校を兼務したりしたケースも少なくない。
 女性教諭も兼務対象だったが、学級担任を務める都合で、4月中旬には完全に新任校に移らざるを得なかった。
 「前任校では復旧作業に追われ、新任校でも子どもたちが待つ。まともに兼務できる状態ではなかった」
 保護者にも困惑は広がった。石巻市で被災した相沢はるみさん(42)の長男(9)が通う小学校の担任も、4月上旬に学校を離れた。
 学校では震災後、同級生の3分の1近くが内陸部の学校に転校した。震災直後、学校の再開を楽しみにしていた長男だったが、今では「先生も友達もいないから、僕も転校したい」と漏らすようになった。
 「被災した上、学校の先生や友達までもいなくなるのは本当につらいと思う」と相沢さん。
 児童の転校はどうにもできないが、非常時に県教委が異動に踏み切ったことについては割り切れなさが残る。
 「今の先生も一生懸命やってくれている。でも細やかなケアが必要な時だからこそ、子どもや家庭をよく知る先生を残してほしかった」と話す。…

 何かと、震災後の復興対策については、物議をおこしている宮城。そのなかでも、この震災直後の教員の移動の強行は、だれもが耳をうたがった。子どもたちを、子どもがいる家庭を支えることがいちばんもとめられている、その瞬間に…。
 そこにも、宮城の県としての震災への向き合い方が、現れているといえるのだろうか?
 宮城の教育の今も、無関心ではいられない。

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2011/07/15

閣僚から脱原発批判 首相「私的な思い」

 えっ、いったい政治で何が起こっているのか? もうあきれるばかりの状況である。閣僚たちからもこんな発言が出て、うーん、私的思いって、もしかして総理の記者会見の発言て、ボクのつぶやきと同じぐらいの重みなのかなあ。

閣僚から脱原発批判 首相「私的な思い」(共同通信)

 中野寛成国家公安委員長は15日午前の閣僚懇談会で、菅直人首相が「脱原発」を打ち出したことについて「首相の発言が混乱を招いている。閣僚はそういう話を聞いたことがない」と批判、原発問題に関する閣僚懇の開催を求めた。首相は「私的な思いを述べた」と釈明。枝野幸男官房長官は、来週前半に閣僚懇を開く考えを示した。
 これに関連し、野田佳彦財務相は記者会見で「短兵急に進める話ではない。政府としてこれから丁寧に議論しなければならない」と述べ、脱原発は政府方針ではないとの考えを強調した。

 こんなにどうしようもなくなった政治の状況だけれども、だからこそあきらめずに政治をただしていかなければならない。そのときにメディアの役割は大きいよなあ。だけど、それがまた。
 たとえば、昨日の岡田幹事長記者会見では、記者からはこんな質問がでたそうだ。


「党として(脱原発依存を)審議会など検討する場を設けるのか」
「首相は具体的なプロセス、時間軸を示さなかった。新政権を縛らないということで評価できるのか、示した方がよかったか」
「「総理の思い」といったが、これは政府の方針か。民主党としての方針か」
 まあ、ここまではそれはそれでねえ。
 結局、最後はねえ。
「今日選挙セミナーが当選1回生向けに開かれた。解散するという憶測を呼ぶのでは」
「クールビズなのに何でネクタイを外さないのか」
「なでしこジャパンが決勝進出。この団結力を民主党も参考にしたらどうか」
 いったい何を聞いているのやら。
 ちゃんとしろ! 政府も メディアも

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2011/07/14

3.11メルトダウン 大津波と核汚染の現場から

Meltdownthumbnail2 仕事がら、写真家さん、フォトジャーナリストとのつきあいも少なくはない。この写真集は、だれもくれなかったので(笑い)、ちゃんと自分でお金を出して買いました。最初から、最後まで生き飲む。大津波がもたらしたもの…。そして、原発の事故。とくに、飯舘村の酪農の姿には、悔しさとも何とも言えない思いが満ちている。そして処分場に送られる牛たち。日常のすべてを奪った原発の事故。
 この災害は、やはり正面から記録され、そして共有されなければいけないと思う。そうしてこそ、はじめて、社会や世界は変わることができるのだと思う。

 この大災害は、間違いのない人災でもある。そして、同時に、そこにはたくさんの死と別れと哀しみがある。それは一つ一つは別の哀しみでもある。そうした哀しみをも社会は共有していかなければいけないのだと思う。そういう意味では、この記録と記憶は、より多面的になされるべきだと思う。これから、夏にかけて、この震災の写真を、ボクもいろいろと見ることになるのだろうな。そこから、いろいろ考えて、共感したり、いろいろ学んだりしていきたいと思う。

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沖縄の戦後は終わらない 内間小校庭に不発弾

 今日も、インタビュー仕事に取りかかりつつ、合間に、少し実務仕事(チラシづくり)も。肩がこる仕事。イライラする仕事。煮詰まる仕事。なかなか気分転換ができないなあ。子育ての時期って、生活が多面的で、忙しいけれども、日常生活の局面がどんどん変わっていく感じだった。いまは、どちらかというとかなり単調で、煮詰まったときの気分転換が難しい感じ。子どもをいじるのが結構、気分転換だったのかなあ(笑い)。

内間小校庭に不発弾(沖縄タイムス)

 13日午後4時ごろ、浦添市内間4丁目の内間小学校のグラウンドで、男子児童2人が手りゅう弾1発を発見し、職員室まで持ち運んだ。児童らは手りゅう弾を石だと思って手に取ったが、けがはなかった。
 学校が浦添署に通報し、要請を受けた陸上自衛隊の不発弾処理隊が同日午後5時33分に緊急回収した。
 同署によると、手りゅう弾は直径約7センチ、長さ約10センチで腐食が激しく信管の有無は確認できなかったという。米国製で沖縄戦当時のものとみられる。
 同署によると、約3カ月前に植木の撤去作業のため、土を掘り起こした際に出てきたとみられる。同日夕にグラウンドで遊んでいた小学6年の男子児童2人が石と思って持ち上げたところ、重かったことから職員室へ運んだという。児童や教職員らの避難などはなかった。
 同校は体育館建て替え工事に伴い、14日以降に工事区域周辺で磁気探査をする予定という。
 県PTA連合会の宮城辰三会長(58)は「児童にけがはなかったが、学校内で手りゅう弾が発見される沖縄の状況こそがおかしい。国が処理に取り組まない限り、沖縄の戦後は終わらない」と話した。

 もう沖縄戦から66年もたつのにと思うけど、いまだ日常の風景だ。
 沖縄タイムスの記事だけでも、6月以降で
きょう恩納村で不発弾処理作業 (2011年07月14日 09:46)
きょう八重瀬で不発弾処理作業 (2011年07月01日 09:33)
慰霊の日に不発弾3発発見 自衛隊が緊急回収 (2011年06月23日 13:20)
旅行客らに不発弾の危険啓発へ (2011年06月21日 17:20)
八重瀬町伊覇であす不発弾処理 (2011年06月21日 09:44)
5発に薬きょうか 不発弾持ち帰り (2011年06月18日 09:51)
修学旅行生が不発弾らしき金属物所持 (2011年06月17日 09:52)
「座間味の海で拾った」修学旅行で不発弾 (2011年06月17日 09:52)
あす不発弾処理 西原町我謝 (2011年06月11日 09:09)
米軍人、自宅の門柱に不発弾放置 (2011年06月07日09:28)
那覇市首里石嶺であす不発弾処理 (2011年06月04日10:05)
と、これだけあるのだもの驚く。不発弾には、日本軍のものを日本軍が投棄したもの、日本軍のものを米軍が投棄したもの、米軍のものを米軍が投棄したものと、さまざまだ。だけど、少なくとも米軍が投棄したものは、どこかにその資料はないのだろうか。
 同時に、なぜこうも処理がすすまないのか。不発弾の処理がすすむケースは、結局は、ある土地が開発されるさいの調査ということになってしまう。それも、公共の場合は、磁気などを使って調査するわけだけれども、民間の場合は、お金がかかるから、おこなわれない場合もある。処理については、数年前から沖縄に関しては国がお金を出すようになったけれども、それまでは地方自治体も負担していた。どうも国が、主導的に、調査も進めながら処理をするという姿勢にたたないことが、大きな原因にあるようだ。いまでも悲劇がくり返されてはならないわけで、一刻も早い対策が求められているのだと思うのだけれども。

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オスプレイ配備に抗議決議 県議会

 女子サッカーのWカップで、日本が決勝にコマをすすめたのは、ほんとにうれしいニュースだけど、でも、ニュースのトップで、こんなニュースを流すようになれば、日本ももっと変わるのになあともつくずく感じてしまいのだけれどもねえ。

オスプレイ配備に抗議決議 県議会(沖縄タイムス)

 県議会(高嶺善伸議長)6月定例会は14日の最終本会議で、米軍普天間飛行場へのMV22垂直離着陸機オスプレイの配備計画に反対する意見書と抗議決議を全会一致で可決した。また、東日本大震災の影響で落ち込んだ観光業への対策費約18億7千万円などを盛り込んだ、約42億円の2011年度補正予算が成立した。
 オスプレイ配備の反対決議を受け、県議会米軍基地関係特別委員会の委員が15日に真部朗沖縄防衛局長、在日米軍沖縄地域調整事務所のインガブレッドセン副所長らを訪ね、6月30日の本会議で可決した嘉手納基地でのパラシュート降下訓練の中止と合わせて要請する。…

 決議は、「オスプレイは開発段階で墜落を繰り返し多数の犠牲者を出した」と強く懸念を表明する。普天間飛行場の「危険性の除去に逆行し、断じて許されない」と主張する。もともと辺野古に予定されていた、配備。だけど、これを普天間に強行することにたいし、2重3重の懸念と怒りが沖縄にはある。この沖縄の現状をより厳しい方向で固定化しようとする動きではないのかと。
 何やっているのか、本土のメディアは!

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日米同盟への悪影響警告=グアム移転費却下で声明-ホワイトハウス

 原発事故に話題が集中しているけれど、円高がすごいことになっている。むごいなあ。短期の利益をむさぼる資本の動きはこうも苛烈なのかなあ。
 一方で、これまほんとにメディアに登場しないけれどもねえ。大統領選を前に、アメリカの動きもまた、目がはなせない。そういうもとで、日米同盟のあり方そのものも問われているわけで…。

日米同盟への悪影響警告=グアム移転費却下で声明-ホワイトハウス(時事通信)

 米ホワイトハウスの行政管理予算局(OMB)は13日、上院歳出委員会が在沖縄海兵隊グアム移転費を全額却下した2012会計年度(11年10月~12年9月)軍事建設等歳出法案を先に可決したことを受け、日米同盟に悪影響を及ぼすとの認識を示して再考を求める声明を発表した。
 同委は厳しい財政事情などを理由に、オバマ政権が要求した約1億5600万ドル(約123億円)の施設整備費をすべて削除した。
 声明はこれに対して「懸念」を表明。その上で、グアム移転事業を遅延させたり中止させたりすれば、「米国が同盟国や、沖縄海兵隊移転など同盟国との合意を守らないとのメッセージを送りかねない」と警告を発した。 
 声明は、同法案が上院本会議で審議入りした直後のタイミングで出された。上院本会議の採決と今後予定される下院の法案との一本化作業を前に、政権側が巻き返しに出た形だ。…

 記事にあるように、これは米軍再編をすすめたい政府の側の巻き返しということが言えるのか? だけど、その再編への疑義は根強い。一方で、海外展開の部隊をどうするのかということも議論は必死なのだと思う。こういうときにこそ、沖縄の現状をしっかり、アメリカに届けることも大事なのだけれども…。

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2011/07/13

生活保護受給者200万人時代の処方箋~今こそ、使える「第2のセーフティネット」を~

20110713_185854 今日は、ちょっと午前中は地域での仕事。この7月、ボクの住んでいる県では、季節外れの県知事選がある。その関係で少し。はい、明日が公示日です。
 今日は、職場でインタビュー仕事をすすめ、それで、夜に表題の集会に行ってきた。
 生活保護は、まずもって、現在、非常に重大な局面を迎えている。受給者が200万人を超え、財政難が強調されるようになり、保護基準の切り下げ、有期化、保護の制限などが検討されているという。8月には一定の方向がだされるという重大な情勢。だけど、よく考えてみると、生活保護の捕捉率は20%もないという話もある。そうなれば、受給者が1000万人いてもおかしくはない。

 そもそも、その周辺にはいろいろな困難に直面している人たちもいるわけで、そこで議論されるようになったのが、第2のセイフティネットというわけである。これは2009年にはじまった制度だけど、そもそも、給付の制度より貸し付けの制度が主であったり、いろいろな制限や手続き上の煩雑さもあり、なかなか、利用者もふえないできた現状もある。来年にはその時限立法が切れる。そのまえに職業訓練にかかわる就業・給付の制度だけが恒久的な制度として法制化されこの秋から施行される。そこで、その使い勝手の改善と、恒久化を要求した集会がこの集会。

 ほんとうに、リーマンショックや派遣村以降、いったんは顕在化し、政権交代にもつながったような貧困の問題が、実際には、なかなか簡単には制度として改善されないことには苛立ちを覚える。少しずつ、いろいろな制度的な前進を積み上げてきたとは思うけれども、かくも、これだけ、当事者のことが考えられていないものかと。ほんとうに日本は人権小国だという実態が、今日の当事者の発言からもよくわかる。
 いちばん、こんなんになったときに、生活が支えられるようなしっかりしたセーフティネットの構築が大前提であるべきだと思う。ここに揺らぎがあってはね。そのうえで、必要なのは、保険制度への信頼と共に、さまざまな種類の社会保障制度の拡充なのだろうなって思う。企業福祉に依存していた日本社会は、実は、医療や保育などの特定の部分をのぞいては社会保障・社会福祉は未発達なのだと思う。ここでいわれる第2のセーフティネットというものをどう定義するのかもむずかしい問題だけれども、そういう社会保障のありようの一つの形と言うことなのだろうか。とくに、遅れているともいえる住宅の問題が議論の中心になる。ハウジングプアとうことばで、その現状を告発する稲葉さんの発言にいろいろ学ばされる。
 集会には連合の方も出席。連合の中でも、民間大企業の組合ではなく、自治労。中島さんはここのところ、保育の集会などお忙しそうだ。結局、まずもって、財源の問題をいつも口にする中島さん。その財源という言葉には、社会保障の理念というものは感じられないのだけれど。そのあたりも含めて、第2のセーフティネットの議論の展開というものは結構、難しい。
 だけど、いろいろな動向や実態がしれて、勉強になったなあ。

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原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~

 ここにきて、菅さんは、今後のエネルギー政策に関連し「原発に依存しない社会を目指すべきだ」と記者会見で強調したそうだ。だけどメディアの関心は、菅さんいつやめるの? その宣言内容にはほとんど質問がなされないという奇妙な状態。もちろん菅さんも菅さん、メディアもメディア。

 さて、福島原発の事故以降、ネットでずいぶん注目をあつめた映像がある。その1つが、94年にNHKがつくったドキュメントのこの映像である。「毒をもって毒を制する」 ―つまり広島・長崎に続く第5福竜丸事件で反核・反米の世論が高揚する中で、原子力の平和利用ということをかかげて、その世論を克服する世論形成の全貌を明らかにしたスクープだ。そして、その中心人物が、読売の社主で原子力委員会の初代委員長となる正力松太郎であり、その腹心の柴田秀利という人物である。この動きに呼応して、IAEAの成立、アイゼンハワー国連演説がある。そして、科学者たちの自主開発を動きは、簡単に封じ込められ、濃縮ウランをアメリカに依存する核開発がすすめられることになる。
 これが、日本における原発の歴史の序章でもある。
 なかなか迫力のあるドキュメント。今日、ちょっと時間のあるときに、見てみた次第。

 ここにリンクがはってありますのでぜひ。

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朝日新聞の大転換?

 今日の朝日には、ちょっと驚く?
 一面で、論説主幹が、提言。

提言 原発ゼロ社会―いまこそ 政策の大転換を(朝日新聞)

 日本のエネルギー政策を大転換し、原子力発電に頼らない社会を早く実現しなければならない。
 いまだに収束が見えない福島第一原発の事故を前に、多くの国民もそう思っている。朝日新聞の世論調査では、段階的廃止への賛成が77%にのぼった。
 なにしろ「止めたくても止められない」という原子力の恐ろしさを思い知った。しかも地震の巣・日本列島の上にあり、地震が活動期に入ったといわれるのだ。再び事故を起こしたら、日本社会は立ち行かなくなってしまう。
 そこで、「原発ゼロ社会」を将来目標に定めるよう提言したい。その方策については、社説特集をオピニオン面に掲載したので、お読みいただきたい。
 脱原発を進めるポイントは、時間軸をもつことである。
 これまで電力の3割近くを原発に頼ってきた。ここで一気にゼロとすれば電力不足となり、生活や経済活動が大きな打撃を受けるだろう。過度に無理せず着実に減らしていく方が現実的であり、結局は近道にもなるはずだ。
 原発の寿命は40年がひとつの目安とされている。もう新たな原子炉は建設せずに40年で順に止めていくと、2050年にはゼロになる。これでは遅すぎるが、代替電源の開発・導入に力を入れ、節電にも努めれば、ゼロの日をそれだけ早めることができる。…

 うーん。朝日新聞の脱原発宣言?とでも言えばいいのか。
 もともと、朝日は、自ら「慎重推進派」と形容してきた。70年代以降、日本で安全神話にもとづいた原発推進の「共同体」(原子力ムラ)が形成されていくうえで、大きな役割を果たした新聞とも指摘されてきたわけだ。最近でも、『東電帝国―その失敗の本質』が、1970年代に、岸田純之助論説委員の指揮の下に原発推進の方針を決め、 東電の原発の全面広告を出したことが書かれているし、鎌田慧も、70年代に大熊由紀子(福祉で有名な人ですよね)が科学部記者時代に、原発を肯定する連載を書いていたことを指摘している。

 そういう部分から、及び腰であっても、脱原発を志向する発言が出てくることは歓迎すべきことなんだろうけれどもねえ。
 だけど、ざっと読んでみて、電力需要を優先させるという及び腰、その危険性の認識の弱さを感じるとともに、自自身の社説を振り返った記事などは、ちょっとこれはないしょう。反省もなければ、自分が書いたことに責任をとることも考えない。そう考えると、ちょっと、信じ切れないなあという感想をもってしまうのは、ボクだけだろうか。
 それでも、こういう発言が出てくるというのは基本歓迎すべきだとは思うけど、そのあたりは、議論の難しさだし、一方で、どう議論するのか、よく考えなきゃいけないところなんだろうけれどもねえ。

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2011/07/12

09年貧困率、16.0%に上昇=高齢者1000万世帯を突破-厚労省調査

 ニュースと資料をクリップ。

09年貧困率、16.0%に上昇=高齢者1000万世帯を突破-厚労省調査(時事通信)

 全国民の中での低所得者の割合や経済格差を示す「相対的貧困率」が、2009年は前回調査した06年より0.3ポイント増の16.0%と、1985年以降で最も高くなったことが12日、厚生労働省の10年国民生活基礎調査で分かった。17歳以下を抽出した「子どもの貧困率」も同1.5ポイント増の15.7%に上った。
 相対的貧困率の公表は今回で2回目。調査のデータ自体は1985年までさかのぼることが可能で、以前の分は改めて算出した。
 国民の可処分所得を高い順に並べ、中央となる人の額(中央値)の半分未満の人の割合を示すのが相対的貧困率で、09年は所得112万円未満が貧困の基準となっている。同省は貧困率の上昇理由について「所得の低い高齢者や非正規労働者が増えたため」とみている。これまでで相対的貧困率が最も高かったのは前回調査の06年。
 また10年6月時点で、65歳以上の高齢者のみで構成される世帯数は、1018万8000世帯で、調査開始後初めて1000万世帯を突破した。介護に関する項目では、高齢者同士で介護するいわゆる「老老介護」の割合が65歳以上同士で45.9%となった。
 このほか、09年の1世帯当たりの平均所得は前年比0.4%増の549万6000円。生活意識について「苦しい」と答えた世帯の割合が59.4%と、前年より1.3ポイント増加した。
 調査は10年6~7月、世帯構成などについては約29万世帯分、所得は約3万6000世帯分、介護は約7200人分を対象に、調査票を配るなどして集計した。…

 資料の貧困の部分はこれ。

 もちろん、貧困の対策のために、セイフティネットの再構築が緊急に求められているのはいうまでもない。だけど、同時に、社会全体が貧困化しているし、とくに子どもをもっている世代の経済的な不安定が顕著になっているのだと思う。だとすれば、ある所得の線以下の層への対策というだけにとどまらないような、必要な人への必要な社会保障や教育などの制度の拡充も同時に必要なのだと感じるなあ。だけど、結局、政権交代ではじまったのは高校無償化ぐらいで、子ども手当もすでに風前のともしびだしねえ。これはどうなるのかなあ。

 いずれにしても、ちょっと、深刻なデータであるのだ。

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シリーズ 福島の障害者はいま(2)“避難”したけれど・・・

 だるくって、どうも仕事が思うようにすすみませんね。タバコを吸ってないからか、それてもお酒を飲んでいないからか、頭がボーッとして(苦笑)。はよ、なんとかせんとなあ。

 夜、福祉ネットワークを見た。

 東日本大震災の発生から4か月。福島第一原子力発電所の事故はいまだ収束せず、被災者は長期にわたる不自由な生活を強いられている。中でも障害のある人たちは、避難できずに緊急避難準備区域の中で不安な生活を送らざるを得なかったり、避難先で孤立し、必要なサービスを受けられないために体調を悪化させたりするなど深刻な状況に追い込まれていることが明らかになってきた。その多くが避難先を転々とし、山奥のペンションにたどり着いたり、アパートを借り上げたりして情報を受け取れず孤立していると見られている。こうした事態を受け、障害者相談支援専門員の斉藤研一さんは広大な地域に点在する避難所をめぐり障害者を支援に結びつけてきた。しかしいまだに全容把握が困難になっている。また障害者の姿がみえないことで行政もニーズが把握できず、生活再建の支援策も遅れている。
 二回目は障害者の支援に駆け回る斉藤さんに同行取材。疲弊し、状態を悪化させる障害者達の現状を見つめ、どう生活再建に結びつけるのかを考える。

 ETVは、ずっとこのテーマをていねいに追いかけているなあ。地震からもう4カ月というのに、いまだ、ほんとうに深刻な状態にある。今日は、避難している障害者の姿が紹介されていたけれども、孤立し、福祉サービスから切り離されている。だけど、障害のある人が受ける支援は、そもそも権利であり、人権として保障されるべきものであるはずだ。であるならば、こういう災害の時には、まず、その保障に政治は心を砕くべきである。地方自治体の連携が必要なら、そういう職員を増員すべきだし、地方自治体の機能が失われているのなら、必要な手立てを全国から動員すべきだと思う。そのために、なぜ政治が動かないのか。結局、4カ月たってわかってきたのは、政権は、財政難の打開との整合性がないまま、復興や救援に、機動的に財政を投入する気がないし、そのことを口実に、復興や救援をすすめることを後回しにしているということだ。そこには、人権を保障しようなどという視点はまったくといっていいほど皆無ではないか。
 そもそも、そこには、震災前の政治がもっていた、そういう人権保障という視点の弱さがあらわになっているということができるのだろうか。それが障害者基本法改正問題や、自立支援法延長問題に表れていたのかもしれない。ほんとうに、怒りと苛立ちだけが…。

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教員の超過勤務と最高裁判決…

 ニュースでは、ぜんぜん報道されないけれども、今日、最高裁で、教員の超過勤務訴訟判決があった。
 その判決文がこれ。
 結局は、超過勤務は全部教員の自主的活動だというわけだそうだ。クラブ活動も、成績付けも、放課後個別指導も、教材開発も、家庭訪問も全部。高裁まで原告勝訴だったものを、最高裁が事実認定から覆した判決だ。

 いま学校の現場は、多忙化で精神疾患や過労死が多発している。それは、文部科学省だって認めている。それを、最高裁の判決は、「自主的」なものだと強弁する。これって、そうとうすごい判決なようだ。しかも、「自主的」と言いながら、たいていの問題は、現場の教員が拒否できない。手を抜こうものなら、迷惑するのは、結局は、生徒たちだ。
 何か、ほんとうにひどい判決が、メディアそのものにも取り上げられないって、これって何なんだろうなあ。

 追加。
 全教の今谷書記長が、この判決への抗議声明を出しています! 全教のHPはここ。

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2011/07/11

自衛官自殺で8千万円賠償命令 静岡地裁浜松支部

 自衛隊員のいじめ(パワハラ)自殺の多発については、このブログでも取り上げたことがある。
 今日は、こんなニュースがあった。

自衛官自殺で8千万円賠償命令 静岡地裁浜松支部(共同通信)

 航空自衛隊浜松基地に勤務していた3等空曹の男性=当時(29)=が自殺したのは、先輩隊員のパワーハラスメントが原因として、男性の両親らが国と先輩の2等空曹(当時)に計約1億1千万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、静岡地裁浜松支部(中野琢郎裁判長)は11日、原告側の訴えを一部認め、両親や妻ら原告4人に総額約8千万円を支払うよう国に命じた。
 原告側は防衛省が男性の自殺を公務災害と認定していることなどを挙げ「違法なパワハラを認識しながら、適切な措置を取らなかった」と主張。国側は先輩隊員の言動に違法性はなく、自殺の予見は不可能だったと反論していた。

 とくに、この事件は、NNNドキュメントでもくわしくとりあげられた事件だ。1月の横浜地裁は自殺を予見できなかったとしたが、今回は、原告勝訴となった。とにかく自衛隊員の自殺は異常なぐらい続いている。とくに自衛隊の海外活動が増大するにつれ増えているという。今度の震災では自衛隊の災害対策の面での活動が注目されたが(それならば、災害救援隊でいいではないかという議論も十分に成り立ちうる)、では、この自衛隊という組織の実態は、今どうなっているのか。
 自殺とともに犯罪という点でも、いくつか大別できる、調査もあるのだろうか。軍隊一般の問題とともに、社会的に問題とされる犯罪が多発する軍隊もあることは事実だろうけど。そういう軍隊のありようのなかで、いま自衛隊はどうなっているのだろうかなあ。たしかに、大きな問題を抱えているということだけは、はっきりしているのだけれども。

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原発再稼働「反対」51%、JNN調査

 やらせメール問題は、まあ、かなり大がかりなものだったことがその後の大手メディアの後追い報道でよりあきらかになりつつあるわけで、いっそう原発をめぐる世論は、再稼働に批判的になっている。これが、日本の経済のありよう、エネルギーのありように前向きの変化を踏み出す一歩につなげていかないといけないよなあと。

 今日は、世論調査を1つ。

原発再稼働「反対」51%、JNN調査(TBS)

 停止中の原子力発電所の再稼働をめぐり、政府の対応が混乱する中、JNNが行った世論調査で、半数を超える51%の人が原発の再稼働に「反対」であることがわかりました。
 調査は9日・10日に行いました。菅内閣の支持率は、先月より10ポイントあまり下落して17.7%となり、過去最低を記録しました。 また、不支持はおよそ12ポイント増えて8割を超えました。
 停止中の原子力発電所の再稼働をめぐり、政府の対応が混乱する中、原発再稼働の是非について聞いたところ、「反対」が51%と半数を超え、「賛成」の35%を上回りました。
 「ストレステスト」の導入をめぐる政府の対応については、「評価しない」が「評価する」をわずかに上回りましたが、民主、共産、社民の3党の支持者に限って見ると、「評価する」が過半数となっています。
 原発の是非が衆議院の解散・総選挙の争点になるかどうかについては、8割の人が「争点になる」と回答。有権者の原発問題に対しての関心の高さが浮き彫りとなりました。
 東日本大震災の復興の財源のための増税については、肯定的に考える人が6割で、社会保障の財源のための消費税率10%への引き上げについても同じような傾向となりました。
 菅総理の退陣時期については、「今すぐに」と「8月末までに」を合わせると63%に達し、およそ7割の人が、菅総理が辞めないことによって「政治空白が生じている」としています。…

 これが世論調査のそのものの結果。

 今日は、NHKも世論調査の結果を発表していた。そこで、菅さんのあとの、政権のあり方を聞いていた。その結果が「菅総理大臣が退陣したあと、「ねじれ国会」に打開に向けてどうすべきだと思うか聞いたところ、▽「与党と野党が政策ごとに連携すべきだ」が36%、▽「与党と自民党以外の野党が連立政権を組むべきだ」が5%、▽「与党と自民党が大連立政権を組むべきだ」が15%、▽「衆議院の解散総選挙を行うべきだ」が31%でした。」だ。
 大連立への批判的な意見がここにきて、もう一度高まっている。やはり、なし崩し的に、旧来の自民党政治の形にもどっていくことへの国民的な抵抗感は強い。あらためて政策毎にしっかり議論して欲しいというのが国民の願いということだろうか。
 同時に、政権の正当性への批判も高まっている。これは、政党支持率をみても言えることだけれども、民主だけではなく、自民への批判も根強い。この解散要求の先の答えを国民が見いだしているわけではない。財源で頭から復興にストップをかけ、すでに今日で4カ月がたってしまった。どんな政治のあり方が、復興をささえるのか、大いに示し、議論すべきだのだと思う。

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2011/07/10

在沖基地の海外分散を進言 米ナッシュ報告

 ちょっと興味深いニュースだなあ。

在沖基地の海外分散を進言 米ナッシュ報告(沖縄タイムズ)

 海外駐留米軍の課題をアイゼンハワー米大統領に報告した「ナッシュ・リポ―ト」(1957年)で、過密な在沖米軍基地は敵からの先制攻撃に極めて弱く、特に空軍や海兵隊を他の極東地域や、サイパン、テニアンへ分散配備するよう進言していたことが9日、明らかになった。また、沖縄県内で兵力の「適切な分散は不可能」と指摘。さらに、在沖海兵隊を「機動性に欠ける」と厳しく評価している。(知念清張)
 同リポートは、1950年の朝鮮戦争やソ連(当時)との軍拡競争によって膨らんだ軍事費を抑え、財政健全化を目指す同大統領の指示で、国防次官補を務めたナッシュ大統領特別補佐官が作成した。
 リポートでは、沖縄は飛行場、港、兵たん施設、訓練場が海岸線あるいはその近くに位置するため、空と潜水艦からの攻撃に対して「極めて脆弱(ぜいじゃく)」だと指摘。ソ連のミサイル能力や、増強されている中国の軍事力から見て、沖縄を「非常に魅力的で脆弱なターゲットにしている」と、強い危機感を示している。
 沖縄県内での米軍基地の適切な分散は「不可能であり、他の極東地域に部隊や施設を移すことを除き、この脆弱性を、近い将来大きく低下させるのは困難だ」とした。
 極東以外にも適切な移転先として、第2次大戦で米国が使用したサイパンとテニアンの基地を復活させ、太平洋の中心に再建することにより、グアムに集中するSAC(戦略空軍)や「沖縄に集中している航空、海軍力(海兵隊)を適切に分散させることができる」としている。…

 そうだよなあ、軍事的に考えても沖縄のような基地のありようというのは常識的に問題だという意見が出て当然だよなあ。それは今でも続く問題。抑止力としてだとか、戦略的要だとかということが、どうもウソっぽいと言うことは当時から言われていたわけで。
 だけど、なぜ、沖縄の基地が続いたのか、そして続くのか。それは、結局、それでもこれだけ、好きなように、自由に使える基地はないということなのだろうなあ。そこが、いちばんの沖縄の問題だよなあ。

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3・11後の日本で福祉国家を展望するー社会保障基本法・憲章の提起を通じて

20110710_151347 今日は午後から、表題の集会へ。少し、疲れていますけどねえ。そういえば、ここ5日ほどタバコを吸っていないので、イライラのピークだったりする。

 まず開会で、民医連の藤末会長が、被災の現場の医療の崩壊と、さらに介護の問題。のっけから重いテーマだわ。

 井上英夫先生が、まず「東日本大震災と福祉国家」と題した報告。自分たちがつくった「福祉国家宣言」を紹介しながら、今日の事態が広島、長崎、空襲後の東京に重なると。1945年の後、世界で選ばれたのは福祉国家宣言。日本国憲法 平和的生存権 25条 人権としての社会保障。これに対し、復興会議の文章について批判。
 講演では、高田病院、田老、山田町など被災の現場を紹介。それに対して、復興構想会議の提言について批判していく。
 福祉国家とは人権・社会保障である。そのとき、輪島の深見地区で、条件の悪いところになぜ住むのかと問う。すみ続ける権利。すみ続けていくための衣食住、社会保障や職の保障、一次産業こそが大事だと。そのときに、25条の構造が大事だと解き明かしていく。こういう理念の宣言、そして、その理念が規範となるべきだという主張は、ボクは好きだなあ。

 次に、後藤道夫さんが、「社会保障基本法・憲章2011」と題して報告。「日本は、被災者を救済するのに薄い、人権小国。国民の生活に直接国家が責任をもつという歴史がうすい、そのうえで新自由主義で国家の後退い。
大企業の業績向上さえあればという受け入れがあった。
長く続く保守的枠組みを批判出来ずにいる」。
 「福祉国家型が実現していたらどうだったのか」「経済の現状、大企業に資金が集中し、消費が。無駄な金をもっているところから、必要なところにまわす。なぜ出来ないか。保守勢力の岩盤のような”常識”が。福祉国家でほんとうの復興を考える」という問いかけは、小気味いいなあ。
 なによりもこの国の「社会保障観」を問う。 劣等処遇はありえない 権利主体ととしてのなどなど。
 典型は、「貧困」理解。生活保護の制度の実際の運用によってつくられる。日本の救い方はレベルが低い。生活保護はじまった人、4割が医療保険に入っているかどうかわからない。保護以下の労働者世帯がたくさんある。保護、特殊な弱者というスティグマ。「貧困は、たんなる肉体的生存の問題をではない。貧困は、貧弱な社会環境と少ない収入のために、社会的、…」。たとえば 年金。原則として必要準則応能負担。

 そして、渡辺治さんは、「3・11後の政治状況と福祉国家」。なぜおこりなぜかくも深刻かしたのか。自民党の大企業優先の開発型が、利益誘導政治。構造改革の合併症だと。震災にたいしても、国の機敏な財政出動もないのはなぜか。そして、なぜこれだけ原発がつくられたのか?石炭から石油へ78%。そこに石油ショックへ。吉岡「原発の社会史」最後の公共事業投資。電源開発3法。交付金、固定資産税、核燃料税。と原発へ傾斜していく 3・11にいかに立ち向かうのか。犠牲を押し付ける政治。通例の内閣ではできない。国難。今年の正月から大連立の必要性で使われていた。そして、3・11をテコに。「追い風」になった。朝日の社説。消費税やむなし、菅のもとで。財界が動く、構造改革型復興。4・6同友会の提言へとすすんでいく。そこであせった集中検討会。復興財源に消費税がとられてしまう 民間委員の提言。社会保障への切り込み。高齢者から現役へ、その現役世代も下げる、生活保障が。高額も下げ、窓口負担も増やす。
 そもそも復興会議で書くべきことは、国の責任であるはず。自助、共助、公助ではない。
 そして、あるべき対案を渡辺さんは提示する。もう1度、その原則について、受けとめたいと思うなあ。

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2011/07/09

若者問題への接近 若者政策のフォローアップと新たな展開

20110709_154101 今日は、午後から労働政策研究研修機構と学術会議の共催の表題のシンポジウムに行ってきた。まず、北大の宮崎隆志さんが「高校中退者の中退後支援の課題について」を報告。これは先の内閣府の調査などが中心。

 続いて、神奈川県立田奈高等学校の吉田美穂さんが「キャリア支援センター」について報告。これが、ちょっと驚いた。公立普通科の底辺校だけれども、まず、対話的な生徒支援をすすめる。こういう高校には、経済的な問題や家庭の問題も含め、さまざまな困難を抱えている生徒が多い。生徒個人との安定的ま関係を強めて個人へのていねいな支援をすすめるわけだ。学生の実態からはアルバイトで生活を支える姿があり、そのアルバイトの労働実態は、最低賃金以下だったり、労働法違反の実態もすくなくない。そして、卒業後もアルバイトという現実がある。こういうなかで、この高校は、生徒の実態から出発したキャリア教育に挑む。学校のなかに支援センターをつくって個人への支援を、サポステや市の育成課など外部機関とむすびつけながら、すすめていく。専門学校にいく経済条件のない生徒のための保育士をめざすプログラムだとか、考えさせられる。もともと、高校教育を考えるとき、職業教育の視点が必要だとということを言ったりする。しかし、ここのこうこうは職業教育があるわけではない。だけど、その若者の社会的職業的な自立につなげていこうという教育の目的ははっきりしている。

 続いて、横浜市こども青少年局青少年部青少年育成課担当係長の関口昌幸「自治体は若者支援をどう展開してきたか―実践と課題」。子ども・若者支援法がベースなのだけれども、まず、なぜ、地方自治体が若者支援に取り組まなければならないのかということを、どうとらえているのかについて、しっかり語りきる。なるほど! 自治体の担当者がこういう議論ができることが素敵だ。そのうえで、とても多様な事業をここではしている。ユースプrザや就労支援の仕組み、大事な視点は、「潜在的なニーズをかかている若者に十分届いていない」という認識。プログラムのなかで、中間的な労働のあり方や、社会的企業などの問題も提起される。あとの討論のなかでも出てくるわけだけれども。なかなか、その位置づけの難しいこの問題を、地域づくり、町おこしの課題とむすびつけながら、都市近郊でのその可能性をさぐる。これもなかなかの発言。

 そして労働政策研究・研修機構の堀さんが「「若者統合型社会的企業」の可能性と課題」そのややこしい社会的企業の話。

 たしかに、若者の支援をめぐっては、結局、大企業の雇用政策がかわらないとという問題もある。だけど、ここで登場する若者たちは、その競争にも参加できないような若者たち。そういうものを視野に入れた政策が軌道にのるというのは、相当、大変なこと。かなり、担当者など個人の努力に負うことが多いなあ。それが個人の努力ではなくて、ちゃんと社会的に位置づけられれば。そのためには何が求められているのだろうか。そんなことも考えたいなあ。

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2011/07/08

「若者の高学歴化、就職にはつながらず」労働経済白書

 今日は、夜はちょっとした会合があるので…。さて、ある人がつぶやいていたので、早速、チェックしてみた。

「若者の高学歴化、就職にはつながらず」労働経済白書 2011年版 教育内容の再検討訴え(日本経済新聞)

 細川律夫厚生労働相は8日の閣議に2011年版「労働経済の分析(労働経済白書)」を提出した。大学進学率が1990年以降20年で急速に上昇する一方、教える内容が社会のニーズに合っていないと分析し、若者の高学歴化が必ずしも就職につながっていないと指摘した。卒業しても仕事がない若者を減らすには、大学の就職支援や、学生に教える内容の再検討が必要だと強調した。
 2011年春卒業した大学生の就職率は91.1%となり、前年に比べ0.7ポイント悪化した。中学卒や高校卒は前年に比べ改善したが、大卒者の就職は依然として厳しい状況にある。足元で景気は持ち直しの途上にあり、企業の採用意欲も改善するはずだが、実際は就職率の伸びにつながっていないと白書は指摘する。
 「大学を卒業して就職も進学もしない人」の割合は2010年は24.2%になった。2000年に32.4%と過去最高になった後は景気回復で就職する人が増え、就職・進学ともにしない人は減っていたが、09年以降は増加に転じ、10年は大きく増えた。…

 白書の実物はここ。
 なるほど、日経が指摘するように、大卒以上の層の、就職をめぐる困難はなかかな厳しい状況だ。だからといっても、教育内容を変えるということを言われてもねえ。それを100%否定はしないけど、ちょっと言っていることはちがうような気がするなあ。

 同時に、朝日や共同の記事で強調されていることでもあるんだけれども、1970年代後半生まれの「ポスト団塊ジュニア」の男性が、他世代に比べて非正規雇用から抜け出せない人の割合が高く、90年代から本格化した派遣社員など非正規拡大のひずみが集中している。バブル経済崩壊後、企業が進めた非正規拡大や採用抑制が、70年代以降生まれの雇用を直撃。特に70年代後半生まれの男性は、非正規の割合が10%台半ば付近に高止まりしたまま30代に達したと指摘。結局、この層への支援の必要性がずっと言われているにもかかわらず、何も変わっていないということでもある。それが、どんどん家庭に滞留し、大きな問題になろうとしているのだろうが。とても、政治が、そんなことに向き合うような気配のないなかで、課題だけが山積していくのだけれどもなあ。

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F15墜落不十分な空自説明 識者「住民の不信に」

 3日前におこったF15の墜落事故。ところがほとんど続報がない。いったどうなっているのか。

F15墜落不十分な空自説明 識者「住民の不信に」(琉球新報)

 5日に発生した航空自衛隊那覇基地所属のF15戦闘機墜落事故で、同基地は発生から2日たった7日現在も、事故に関する会見を開いていない。5日は映像、写真の撮影を許可しない「説明会」で対応。7日に翁長雄志那覇市長が再発防止の申し入れをした際も、報道陣への公開を冒頭のみに制限した。照屋寛之沖縄国際大学教授(行政学)は「所属の飛行機が事故を起こしているのだから、会見を開くなどして周辺住民が分かるようにきちんと説明するべきだ」などと同基地の説明責任の果たし方に疑問を呈している。
 事故発生後に同基地で行われた「説明会」では、報道各社が撮影を強く申し入れたにもかかわらず、「航空幕僚監部が(撮影に)応じていない」との理由で許可しなかった。
 7日の翁長市長の申し入れに先立ち、琉球新報社は全てを公開するよう求めたが、同基地渉外室は「公開の仕方について、(那覇市と空自那覇基地)双方の了解の下にやっている。納得した社に来ていただきたい」と断った。一方、那覇市は「日程調整はこちらでやったが、現場の仕切りは航空自衛隊那覇基地に任せている」と公開の手法には関与していないとしている。…

 どうも、乗務員は見つかっていないし、F15そのものも部分しか見つかっていないようだ。機体の不具合ということが、いわれているが、異常なほど、情報が出てこない。うーん、どういうことなのだろうか?
 全国の自衛隊のF15はいっせいに点検に入っているという。おかげで自衛隊基地のまわりの友人からは、今日は静かっていうメールもきたりしているが。

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「庄や」役員に損害賠償、絶えない外食産業での過労死

 今日は、午前中は会議です。風邪はなかなか抜けませんが、生活のリズムは、普通に戻りつつあります。
 さて、東洋経済オンラインの今日配信の記事からです。

「庄や」役員に損害賠償、絶えない外食産業での過労死(東洋経済オンライン)

 従業員の過労死をめぐる裁判で、会社と役員個人の責任を認める判決が再び下った。上場企業で役員個人への損害賠償が認められるのは、極めてまれな事例となる。
 損害賠償を命じられたのは、「庄や」「日本海庄や」などを手掛ける居酒屋チェーン大庄と、平辰(たいらたつ)社長ら役員4名。2007年4月に同社へ入社後4カ月で心機能不全により死亡した、吹上元康(ふきあげもとやす)さん(享年24)の両親が起こした訴訟だ。10年5月25日の京都地裁に続き、11年同日の大阪高裁でも大庄側が敗訴した。
 両判決では大庄と役員4名に連帯して約7860万円の支払いを命令。被告らは11年6月8日、控訴棄却を不服として上告し、判決内容は最高裁まで争われることになった。
 裁判の大きな争点は、元康さんの長時間労働と死亡の因果関係だ。元康さんは入社4カ月で月平均276時間働き、うち平均112時間の時間外労働をしていた。大庄側は、元康さんの睡眠時間が短かったこと、酒量が多かったことなどを死亡原因として主張。だが一、二審とも裁判所はそうした事実を否定し、「被告会社の安全配慮義務違反等と元康の死亡との間に相当因果関係があるものと認められる」と断じた。
 被告らが負うべき責任範囲についても厳しい判決が下された。
 大庄は新卒募集の際、基本給ともいうべき給与の最低支給額19万4500円に、「80時間の時間外労働」を組み込んでいた。つまり、時間外労働として80時間勤務しないと不足分が控除される仕組みだったが、就職情報サイトには「営業職月給19万6400円(残業代別途支給)」と記載。また、労使協定で例外として時間外労働を認める三六協定(労働基準法36条)では、6カ月を限度に1カ月100時間の時間外労働を許容していた。そのため、例外である時間外労働を給与の最低支給額に組み込む、“残業ありき”とも捉えられかねない給与体系だった。…

 若者を働く場をにかかわっては、ブラック企業の広がりが告発され続けている。なかでも、裁判を通してたたかいもひろがっている。これは、過労死という最悪のケースだけれども、ほんとうに過酷な労働を、考えられないようなひどい働かせ方で強要する。
 こんなたたかいが、若者の励ましになればいいなあと、願ってやまないのだけれども。

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2011/07/07

4人に1人以上が発達障害!? 引きこもる大人たちが働けない本当の理由

 さっき紹介した本と、関係が深い問題だけど、『ダイヤモンドオンライン』で、次のような記事があった。

4人に1人以上が発達障害!? 引きこもる大人たちが働けない本当の理由

「引きこもり男性の26%は、発達障害の可能性が高い」――
 最近注目されている「広汎性発達障害」と、年々、高年齢化、長期化する「引きこもり」との関連性が、研究者の調査報告によって、このほど明らかになった。
 調査を行ったのは、徳島大学大学院ソシオ・アーツ・アンド・サイエンス研究部の境泉洋准教授(臨床コミュニティ心理学)らのグループ。
 境准教授らは、これまで8年間にわたって、引きこもり当事者や家族に大規模調査を実施してきた。今回、引きこもりと発達障害の関連を調べるため、2010年7月から9月にかけて、全国の引きこもり家族会や当事者の集まりなどで調査用紙を配布。その場で回収(一部は郵送によって回収)する方法によって、調査を行った。
 調査対象者のうち、協力が得られた回答者は、引きこもり本人82人と家族332人。

平均年齢31.61歳、平均期間10.21年
高年齢化と長期化が一層進む

 まず家族への調査によれば、引きこもり本人の平均年齢は31.61歳で、最年長は51歳。男性が75.6%。2008年に調査したときの平均年齢30.12歳に比べると、約1.5歳上がっている。引きこもりの高年齢化が進んでいることは、ここでも裏付けられた形だ。
 引きこもり期間も、平均10.21年で、最長は34年。08年の調査では、平均8.95年だったため、今回は10年を超えて、やはり長期化も進んでいる。
 また、「就労経験(アルバイトを含む)がある」と答えた人は、181人。全体の54.5%と高い。
 これまでの引きこもりの不登校の延長というイメージと違い、半数以上が就労してから職場不適応を起こす、“新たな引きこもり層”であることが、このデータからもうかがえる。…

 記事はさらに次のようにすすむ。

・引きこもり男性の26.3%が発達障害の可能性 働きだして初めて自覚する当事者たち
・恨みやつらい経験、感覚に敏感 気持ちの切り替えが困難に
・非常に強い就職活動への不安 「体験の回避」をする傾向も

 これこそ、かつての古い共同体なども存在し、あるていどの非効率も包容した社会であれば、問題にならなかったものが、個別で社会にむき出しで放り出されるなかで、問題とされていくということかなあ。
 だけど、そういうしんどさや生きずらさは、異常な競争的な余裕のない職場の状況は何とかしなければならないけれども、一方で、社会的な支援があれば、かなり解決はできる。すでにサポステなどで、行政と協力しながら、発達障害への就労支援をすすめているところなども生まれはじめている。
 だけど、総じて、高校や大学、そして就労の場での社会的な支援は、やはり弱いのも事実でもある。あきらかに、それは社会的に自覚されはじめているし、現場で、問題を自覚している人も多い(たとえば大学や高校の中退などは、そうなのだと思うが)。だけど、そのことを解決する社会的なとりくみはまだはじまったばかり。絶対に、個人の責任、家庭の責任だけに閉じ込めてはいけないのだけれども。

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時代が締め出すこころ―― 精神科外来から見えること ――

 友人から紹介されて、精神科医の青木省三さんの本を読んでみた。

0234850 精神科医になって30余年,その短い間にでさえ,時代は変化した.一人ひとりにかかる圧力は強く,一人ひとりを護るものは少ない,人が孤立し孤独になりやすい時代になってきたと感じる.今の時代に追いつめられている多くの人がいる.しかも追いつめられた時,こころの病気や障害という形となって現れやすいのが,現代という時代の特徴ではないかと思う.これほど,こころの病気や障害が社会の大きな関心となった時代はこれまでにない.本書は,私が診察室で出会った人たち,広汎性発達障害,うつ病などの病気や障害を持つ人たちとの交流を通して考えたことを記した.今,何が起こっているのか,これから,私たちは何をしていくべきかを,問うものである.(本文より)

 著者の関心は、社会が大きく変容しているもとで表れる病気が障害という点にある。なるほど、かつてはそれほど、問題とされなかった広汎性発達障害は、地域社会の変容や職場の変化のなかで、クルーズアップされる。病気や障害というものをこういう社会的な視点でとらえようという姿勢は読んでいて共感できる。同時に、目の前の患者に寄り添うこともわすれない。
 こういう精神科医の提起を、どう受けとめるか。病気や障害がある人の困難は、ボクらから見ればより複合的でもある。やはり、経済格差やそれに重なるような形で、家庭の困難がつきまとう。そういうときに、どう複合的なひろい視野をもちながら、その人に寄り添うことができるのかということなのかなあ。

 パーソナル・サポートというものがとても必要になっている時代だと思う。しかし、そのサポートはあくまでもソーシャルなものでなければいけない。そんな議論をしたことがある。いまの目前にある困難や生きづらさを考えるときに、ふと、そんな議論を思い出した。新しい社会的な繋がりを紡ぎ出す取り組みということか。

 だけど、読みながら、ボクも発達障害だなあなどと言われているようで…。

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上半期の自殺1万5千人超 震災後は3カ月連続増加

 なんとなく寝苦しい日々が続きます。夜に何度も目が覚めるし、体はだるいし、すっかり夏バテに向かっています。

 さて、ニュースは重苦しいニュースです。

上半期の自殺1万5千人超 震災後は3カ月連続増加(共同通信)

 今年1~6月の全国の自殺者は1万5885人(前年同期比1・2%減)だったことが6日、警察庁の統計(速報値)で分かった。昨年まで13年連続で3万人を超えており、依然、同様のペースが続いている。
 また6月は2996人(前年同月比7・8%増)で、東日本大震災後の4月から3カ月連続で前年の同じ月より増えた。
 例年は企業が決算期を迎える3月に自殺者が多くなり、4~6月は減少傾向となるが、今年の4~6月はいずれも3月を上回った。警察庁が詳しい統計を取り始めた2008年以降初めてという。

 これが、その速報値のデータです。
 昨年の数値と比較して、被災地では、今月は岩手の数値が高くなっています。だけど、東京の高い数値はとても気になります。どうなんでしょうか。
 震災の影響は、直接、間接にいろいろあることは推測されます。ライフリンクの清水さんの発言がこの間、物議を呼んでいましたが、根本の対策とともに、対処的、予防的な対策が必要なことも事実でしょう。だけど、それにしても、気になる数字ではあるのです。

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2011/07/06

新入社員「働くことの意識」調査結果

 とくに正規で働く若者の実態を少し調べてみたいと思って、まず、毎年発表されている、生産性本部のこの調査をチェック。今年の結果がちょうど発表されて1週間ほどであった。

●「第一志望の会社に入れた」は昨年の55.2%とほぼ同水準だが、56.6%でわずかに上昇した。
昨年にひき続き平成23 年度入社組の就職活動も厳しかったことがうかがえる。

●就職先の企業を選ぶ基準では、最も多かった回答は「自分の能力、個性が活かせるから」で、全体の36.8%であった。以下「仕事がおもしろいから」(26.8%)、「技術が覚えられるから」(8.8%)など、個人の能力、技能ないし興味に関連する項目が上位を占めた。調査開始当初(昭和46 年)1位だった「会社の将来性」(27%)は二年連続で10%以下となり、今年度は7.7%まで減少した。

●「就職活動に時間をとられ授業にあまり出席できなかった」とする回答は全体の24.9%にとどまるが、四年制大卒に限ると30.7%となり、就職活動の負担感が大きいことがうかがえる。

●「就職活動の時期はもっと遅いほうがいい」とする回答は全体の44.8%だが、学歴別では四年制大卒が53.5%と突出した。ここでも四年制大卒の就職活動の負担の大きさがうかがえる。
*参考資料添付(別添2)

●「デートか残業か」とする回答は「残業」(87.0%)が「デート」(12.5%)を大きく上回る。男女別に見ると「残業」が男性84.0%に対して、女性は90.8%と多くなっており、女性のほうが仕事優先の傾向が強い。

●「この会社でずっと働きたいか」とする回答は、「定年まで勤めたい」が33.5%で過去最高の数値となった。長期にわたる雇用の安定、安心に関する関心が高まったことが考えられる。

 調査データそのものはこれ。

 厳しい就活を乗り越えてきた若者たちである。一方で、自分の個性、自分のやりがいということを大事にしたいと願いながら、職場をまず優先することを考えざるをえない、そういう分裂・乖離の状況に若者が置かれているということは興味深い。ここに、職場の成果主義や人間関係、長時間労働が結果的に加わっていくわけだから、メンタルになるか、身体をこわしてしまうのは当然のことか。
 正規の職場も曲がり角にあるような感じがする、調査結果でもあるのだけれども。
 いろいろな資料を、ちょっと集めなければいけないと思った次第。

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子ども・子育て新システム:幼保一体「総合施設」 補助金を一本化--政府中間報告

 今日は一日中、インタビュー整理。同じ仕事を一日中していたので、そうとう精神的にも煮詰まり状態(笑い)。時間的には、だいぶ追い込まれていて、余裕がない。どうも、この夏は、こういう状況が続きそうだ。金欠のうえに、時間的にも精神的にも余裕がないなって、ちょっとなあ(苦笑)。なんとかせんとなあ。

 さて、今日、WGの会議で中間報告が決められ、夜には日弁連の集会もあった。夜参加するつもりだったけれども、インタビュー仕事に追われて、予定は変更した次第。

子ども・子育て新システム:幼保一体「総合施設」 補助金を一本化--政府中間報告(毎日新聞)

 政府は6日、新たな子育て支援策「子ども・子育て新システム」に関する中間報告をまとめた。幼稚園が担う教育と、保育所の役割である保育を併せて提供する幼保一体化施設「総合施設」の創設が柱。一部を除き、総合施設への移行を望まない幼稚園や0~2歳児対象の保育所も含め、名称を「こども園」に統一。定員割れが進む幼稚園を保育所待機児童の受け皿とするほか、企業が運営する保育施設の参入も認めて保育の量拡大を図り、待機児童の解消を目指す。
 政府は来年の通常国会への関連法案提出と13年度の施行を目指している。財源に想定する消費税の増税時期は不透明だ。
 当初は幼稚園、保育所を全廃し、幼保を一体化した施設をこども園とする考えだった。だが、幼稚園団体の反発で幼稚園のままこども園に移ることも可能としたほか、大学付属など一部幼稚園はこども園への移行自体を不要とした。「ブランド幼稚園」はそのまま存続しそうだ。
 さらに乳児受け入れに懸念を示す幼稚園側に配慮し総合施設には0~2歳児の預かりを義務づけず、0~2歳児対象の保育所は保育所のままこども園の指定を受ける。この結果「こども園」と呼ぶ対象は、総合施設と一部幼稚園・保育所のほか、企業や非営利組織(NPO)による保育施設となる。職員の配置など一定の基準を満たせば、無認可保育所もこども園に指定される。…

 内閣府のHPでは、まだ、中間報告はアップされていないけど、今日の会議の様子は動画で見られることになっている。

 だけど、結局、父母たちから出されて疑問に答えたのだろうか。新聞の記事を読んでいる限り、なぜ待機児問題がこれで解決するのかはどうもよくわからない。待機児の多くは0から2歳であるわけだから、ここに保育が拡充する保障があるとはとうてい思えない。しかも、公的な責任を撤退させるのだから、なおさら保育が保障されるのだろうか。いま、保育をめぐっては、ボクらの子育ての時代と比べものにならないぐらい大変になっている。それを本当に、拡充するということに全力を注がないで、どうして子育て支援と言えるのか。
 いいたいことは、いっぱいあるけれども、これだけ子育ての支援が大事だというのに、国や社会のもてる力をここに注がないのか。ほんとに政治の責任だよなあと思う。

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名護市長:防衛省の政務三役が面会を拒否

 これは、昨日のニュース。しかもいまにはじまったことじゃないけれどね。

名護市長:防衛省の政務三役が面会を拒否(毎日新聞)

 北沢俊美防衛相ら防衛省の政務三役は5日、上京した沖縄県の稲嶺進名護市長との面会を拒否した。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の名護市辺野古への移設に関し、沖縄防衛局の説明を市側が拒んでいるのが理由で、北沢氏は記者会見で「聞く耳を持たないで上京するより、状況を十分承知した上で、意思表明や提言をしてほしい」と批判した。
 稲嶺氏は、外務・防衛担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)で確認した辺野古移設の見直しを関係省庁に申し入れるために上京。首相官邸は福山哲郎官房副長官、外務省は伴野豊副外相、民主党は岡田克也幹事長が面会した。
 稲嶺氏は玉城デニー衆院議員(民主)の国会内事務所で防衛省の課長級職員と面会したが、申し入れ文を手渡さずに抗議。玉城氏も「政治家の申し入れには、政治家が真摯(しんし)に対応すべきだ」と同省を批判した。
 稲嶺氏は記者団に「主管官庁がこんなにかたくなな態度で地元に理解を求めるのは、道理に合わない。誠実さ、真剣さは感じられない」と語った。

 北沢さんはああいっているけれども、頭ごなしに、辺野古移設に固執して、2プラス2で発表したのはだれなのか。国のいうことにどこまでも従えという政府の姿勢があらわれている。結局、松本さんの地方を下部のようにみなすああいう態度は、ここでも同じことなのだなあと痛感させられるなあ。

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2011/07/05

毎日新聞世論調査:原発再開「反対」51% 読売世論調査;原発減らすべき、なくすべき65%

 毎日新聞と読売新聞の世論調査が相次いで発表されているので、ちょっとクリップしておきます。

毎日新聞世論調査:原発再開「反対」51% 電気料金上げ「容認」多数(毎日新聞)

 毎日新聞が2、3両日に行った全国世論調査では、定期検査のため停止している原発の運転再開に「反対」との回答が51%と半数を超え、「賛成」の37%を上回った。今夏以降の電力不足への懸念から、政府は「安全宣言」を出し、手始めに九州電力玄海原発(佐賀県玄海町)の再稼働を地元自治体に要請。しかし、東京電力福島第1原発事故の長期化に伴い、原発再稼働に対する世論の慎重論が高まっている。…

 「原発は減らすべきだ」は5月調査に比べ2ポイント減の45%。「原発は全て廃止すべきだ」は同5ポイント増の17%で、合わせて約6割が「脱原発」を志向している。

 一方読売新聞の世論調査がこれ。
 記事は、政局中心のものになっているのですが、調査の結果を見ると、原発問題にかんしては、「今後、国内の原子力発電所をどうすべきか」の質問に、「増やすべき」2%、「現状維持」29%に対し、「減らすべき」46%、「すべてなくすべき」19%で、あわせて65%にのぼっている。

 もっと、こういう世論を国会で議論すべきではないのだろうか。国会はとまってばかりだけどね。

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「避難区域の拡大を」市民団体=埼玉の小学校1万ベクレル超も

 なかなか咳がとまりません。いやだなあ、この季節の風邪は、トホホです。
 さて、昨日紹介した、私の住む町のとりくみ、こんな記事がありました。

「避難区域の拡大を」市民団体=埼玉の小学校1万ベクレル超も(時事通信)

 福島第1原発事故を受け、市民団体「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」など6団体は5日、福島市内に高汚染地域が広がっているとして、避難区域の拡大などを求める声明を発表した。
 6団体は6月下旬、神戸大大学院の山内知也教授(放射線工学)の協力で、福島市内で放射線量を測定。同じ地区の複数の地点で毎時3.2~3.83マイクロシーベルトを観測した。
 山内教授は「高線量がスポットではなく、面として存在している」と説明。土壌調査では、最大で1キロ当たり4万6540ベクレルの放射性セシウムが見つかったという。
 6団体は「チェルノブイリ原発事故での『移住の義務区域』に匹敵する」と主張。政府が緊急時避難準備区域の解除や縮小を検討していることに反対し、「逆に広げるべきだ」と訴えた。
 また、山内教授は埼玉県三郷市の児童の保護者らから依頼を受け、市内の小学校周辺も調査。市の測定で毎時0.15マイクロシーベルトとされた小学校脇で、同1.86マイクロシーベルトを観測した。ここの土壌からは1キロ当たり1万3812ベクレルの放射性セシウムを検出。東京都内の清掃工場で出た焼却灰の同9740ベクレルを上回った。…

 この山内先生に、三郷の親たちも調査を依頼したそうです。記事にある、1.86マイクロシーベルトという数字は、ある小学校の正門横の農業用水路の土だそうです。三郷市付近の川の流域には関東一円の水が流れ込み、海とほぼ同高度であるため、セシウムを含む土砂が溜まりやすいのではという話です。予期せぬところで、このような箇所が、他にも、存在する可能性があることは否定できません。三郷市も、26箇所で調査していますが、子どもの通学路や生活圏にある、こういう指摘のある場所の調査をただちにすすめ、除洗・低減のための措置をおこなうことが緊急にもとめられるし、子どもへの対処も急がれます。
 今日、おこなった三郷市への親たちの要請はUSTREAMでも放映されています

 大きな課題ですね。

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ハガネの女 シーズン2

 9時からのドラマなので、あまりリアルタイムで見られなかったので、録画したものをみた。
 シーズン1は、ものすごくおもしろかった。それに比べると、子どもの攻撃性の背景のつっこみや、ハガネの教師としての葛藤などはちょっと浅いかなあ。そもそもアスペルガーの描写や、その子を残すかどうかの子どもたちの投票というのもちょっと無理がある。
 シーズン1は、マンガそのものを原作としている。だけど、シーズン2はまったくのオリジナルなようだ。ドラマはあまりマンガの原作にたよるというのは好きではないけれど、マンガそのものの原作がおもしろければそれなりのドラマはできる。難しいのは、このようにマンガの枠組みだけ残しながらオリジナルなストーリーをつくるパターン。やっぱり、無理があったかな。
 だけど、それでも、こういう先生がいたら素敵だろうなっていうドラマ。子どもたちの成長もうれしい。そして、横を向いていた若い先生の変化もね。
 ほんと、学校が子どもたちの希望に満ちた場所であればって、ほんとうに思うなあ。

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2011/07/04

指導要領の改定にともなう武道の必修化について

 土佐のまつりごとさんが、「武道必修化 「相撲」選択と女生徒の人権」というエントリーをされていて、興味深く読んだ。いま、学校の現場は、新しい学習指導要領の完全実施で大忙しだ。小学校は今年度、中学校は来年から完全実施となる。中学体育で武道の必修化がはじまり、それがいろいろ議論されているが、武道といえばすぐに柔道が頭によぎる。ボクらの時代は柔道だったので。しかし、武道には、剣道や相撲なども入っている。なるほど、こういう問題も出てくるのかと驚いた。たしかに、柔道や剣道はお金がかかる。

 しかし、柔道のほうも、いろいろな問題が指摘されてきた。それは、事故の多さだ。十分な指導力がある教員を配置し、安全を保障できるのかはいまなお危惧されている。
 じつは、必修化をすすめてきた柔道界のなかでも、危惧の声は小さくないのだ。つくばの山口香さんが、かつてブログで次のように書いている。

武道必修化(山口香の「柔道を考える」)

 平成20年、新しい中学校学習指導要領が告示され、「1学年、2学年においてはすべての生徒に武道を履修させること」になった。必修化のねらいは武道の持つ教育的価値、生きる力を育むといった期待であろう。全面実施は24年度からであるが、準備は様々な形で進んでいる。
 武道の必修化は柔道にとって追い風とばかりは言えない。授業で実施されるとなれば、保健体育科教員が指導にあたることとなり、柔道の専門家でない可能性も高い。さらに、施設の面でも充実している学校はどのぐらいあるだろうか。こういった状況の中で授業が展開されることによって準備を怠れば、かえって柔道のイメージを悪い方向に持っていきかねない。…

 とりわけ指導者の養成や安全管理のための手立ては急務だろう。あと、1年をきった今、しっかりした議論や準備、必要な対応が求められている。

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子どものため「脱原発」を 広がるママのデモ参加

 原発の危険はいまだ収束には向かわない。それだけにお母さんたちの苦悩は、いっそう大きい。第一、危険の規模もまだよくわからない。子どもにどんな影響があるのかすらもわからない。だけど、いちばんの問題は、政府が、この問題に全力をつくすという宣言をはっきりしめさないことだ。「安全」と言いながら、調査をすすめる。しかし、一方で、福島の深刻な地帯でも、子どものために全力がつくされていrとはとうてい思えないことにいちばんの問題があるような気がするのだけれども。

子どものため「脱原発」を 広がるママのデモ参加(東京新聞)

 福島第一原発事故を受け、これまで市民運動や政治的な活動に無関心だったにもかかわらず、脱原発を訴えるデモに初参加する人が増えている。幼い子どもをもつ母親が「放射能から子どもを守りたい」との一心で参加。今後の初参加を考える母親も多く、さらに広がりを見せそうだ。 (中沢佳子、小野沢健太)
 「嫌なことをやめてほしいなら、言葉にしないと伝わらない。同じ思いの人と一緒に声を上げたかった」
 六月十一日、六カ月になる長男を連れて東京都内で開かれたデモに参加した世田谷区の主婦中川まり子さん(29)はそう語る。
 事故前まで原発には無関心だった。自分なりに調べ始めた原動力は、生まれて間もないわが子の存在。転校や避難で友人や家族と離されたり、外で遊べず深呼吸にも気遣う福島の子どもの現状はとても人ごととは思えない。「母として、子どもを犠牲にするような物はいらない」
 デモはインターネットで知った。行進前の集会で帰るつもりで、港区の芝公園に向かった。だが集会で福島の人たちの涙の訴えに心を駆り立てられた。
 国の対応の遅さに失望を感じる。でも一人では訴える手だてがない。だからみんなで集まって訴えることが大きな力になるはずだ。「『原発事故の時、お母さんは頑張ったんだよ』って、いつか伝えたい」。息子の寝顔を見ながらつぶやいた。…

 ボクのすむ地域にも、「放射能から子ども達を守ろう みさと」という団体があり、お母さんたちが中心に、精力的な活動をしている。明日には、参議院議員会館において記者会見及び三郷市に対しての要請活動を行うそうだ。【IWJ・UST】7月5日10時から、Ch2にて、「放射能から子ども達を守ろう みさと」の要請行動を中継もおこなわれる。やるなあ。

 同時に、子どもをもつ親の苦悩はそれだけではとどまらない。

放射能への不安 ママにストレス 家族に微妙な影(日本経済新聞)

 原発事故の影響で、首都圏に住む小さい子どもを持つ保護者の間で、不安や戸惑いが広がっている。放射線という目に見えないものに対する不安の「温度差」は、ママ友同士や家族の関係に微妙な影を落とし始めている。ストレスを抱える親も少なくないようだ。
 「友人と世間話できなくなって、正直疲れてきた」。千葉県柏市に住むAさん(33)はこう打ち明ける。Aさんは震災後、3歳と1歳の息子に外で遊ぶことを禁止した。風向き…

 不安の「温度差」の違いから人間関係がうまくいかなくなるストレスが強まっているという。これだけ、人間関係に親密さももとめられる時代である。これもとても難しい問題だ。考え方の違いもあれば、優先順位の違いもある。だけど、政治における対処がちゃんとなされているのだろうかということもあるのだ。不安は個人の責任なんだろうか?

 ただ、メディアの記事は、だいたい「ママ」でくくる。「ママ」責任の時代でもあるのだなあ。これは、当事者にとっては、とってもしんどいことのようにも感じたりするのだけれどもねえ。

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松本復興相の放言

 今朝から、松本復興相の放言でメディアはもちきり。ボクのほうは、風邪っぽく、ちょっとしんどいんだけれども。
 放言の内容は以下のとおり。

松本復興相の発言(時事通信)

 松本龍復興担当相が3日の岩手、宮城両県訪問時に行った発言は以下の通り。
 ▽達増拓也岩手県知事との会談
 (国は)知恵を出したところは助け、知恵を出さないところは助けない、そのくらいの気持ちを持って(ほしい)。
 九州の人間だから東北の何市がどこの県か分からん。
 ▽村井嘉浩宮城県知事との会談
 県で(漁港再編問題の)コンセンサスを得ろよ。そうしないとわれわれは何もしないぞ。ちゃんとやれ。
 お客さんが来る時は、自分が入ってからお客さんを呼べ。長幼の序が分かっている自衛隊(村井知事がかつて所属)ならやるぞ。
 今の言葉はオフレコだ。書いたらその社は終わりだ。

 こういう放言をくり返す人って、強い、抑圧的な態度が政治家にとっては必要だと勘違いひている人が多い。政治そのものも力によるものが必要と考えているのだろう。
 そこで、少し、経歴を見てみた。
 1990年の衆議院議員総選挙で初当選(社会党)。社民党をへて、旧民主党結党に参加。
 部落解放同盟副委員長、人権擁護法案の推進派。とある、なるほどと。いろいろ言いたくはないけれども、似非「人権派」、利権がらみの曰くありげな経歴でもあるなあ。地金が出たというのか…。

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2011/07/03

米機馬毛島訓練 島守れ、怒りの拳200人が抗議/西之表

 今日は、朝から会議続きでしたね。たいぶバテています。

米機馬毛島訓練 島守れ、怒りの拳200人が抗議/西之表(南日本新聞)

 防衛省の小川勝也副大臣が地元説明に訪れた西之表市役所には2日、種子島、屋久島の反対派住民ら約200人が詰め掛け、騒然となった。
 市役所前の道路脇には「住民軽視、頭越し対応 絶対許さず」「日米合意を撤回せよ」などと書かれた横断幕やプラカードを掲げた住民が列をなし、小川副大臣を乗せた車の到着を待った。黒塗りの車が近づくにつれ、取り囲むように詰め寄り、「米軍反対」と繰り返した。
 説明会の間も多くの住民が居残り、抗議の声は3階の説明会会場まで響いた。終了後も車に乗り込もうとする小川副大臣に「基地反対」などとシュプレヒコールを浴びせ、拳を突き上げた。
 長野力市長は玄関に姿を現し、反対の意思をあらためて伝えたことを報告。住民からは激励するかのように「市長」コールがわき起こった。警察官約10人が警戒に当たり、トラブルはなかった。
 急きょ「馬毛島を守る女性の会」を立ち上げ、8日に反対集会を開く同市の目迫エミ子さん(73)は「説明を聞くこと自体反対だったが居ても立ってもいられず来た」。
 屋久島から約30人で訪れた「馬毛島の軍事施設化を許さない屋久島の会」の古居智子会長は「種子島の団体と交流し、一緒に活動していきたい」と決意をにじませた。

 怒りが広がる、沖縄。同時に2プラス2であげられた鹿児島のこの地。この現地の怒りや思いも、注目していたいと思います。

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大卒の2割、進路決まらず 朝日新聞・河合塾調査

 今日の朝日の朝刊です。

大卒の2割、進路決まらず 朝日新聞・河合塾調査(朝日新聞)

 今年3月に4年制大学を卒業した学生のうち、5人に1人は就職や進学などの進路が定まらないまま卒業していたことが、朝日新聞社と河合塾の「ひらく 日本の大学」調査でわかった。不安定な立場にいる卒業生は、少なくとも8万6153人にのぼる。全卒業生に占める割合を学部系統別でみると、最大で約5倍の格差があり、理系より文系の方が就職や進学に苦戦している傾向がみられた。
 それによると、卒業者のうち、就職者は62.2%、大学院などへの進学者は16.1%だった。就職、進学者以外と、アルバイトなど「一時的な仕事」に就いた者、「不詳など」を合計した卒業生は20.8%にのぼった。

 実は、数日前にこんな調査結果があります。

3県含む今春大卒就職率、91.0% 「氷河期」下回る(朝日新聞)

 文部科学省と厚生労働省は1日、今春卒業した大学生の就職率が91.0%だったと発表した。5月の発表では、東日本大震災で被害が大きかった岩手、宮城、福島各県を除き91.1%としていたが、3県を含めた結果、0.1ポイント下がった。「就職氷河期」と呼ばれた2000年春を下回り、統計を取り始めた97年以降で最低となった。
 地域別に見ると、北海道・東北は前年比0.1ポイント減の89.2%。関東(92.7%)、中国・四国(91.5%)、近畿(91.4%)より低かったが、九州(88.2%)、中部(89.0%)をわずかに上回った。…

 就職率には、途中で就職をあきめた人が母数からのぞかれる。そして、分子には一定数の非正規も入る。ここからは、相当の困難が見えるというものだろう。若者に厳しい日々は続いている。

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2011/07/02

九電が“やらせ”メール 玄海原発再稼働求める投稿 関係会社に依頼 国主催の説明会

 そんなわけで、今日は仕事から離れての一日だったけど、何かここんところ、気持ちが行き詰まっている感が強いから、なんとかしないとあかんのやけどねえ。

 原発をめぐっては、もう1つ、現在点検中の原発を再稼働するのかどうかということが大きな焦点となっている。国のほうが安全宣言をしたわけだけど、その安全宣言には、どこでも疑問が表明されている(だって、水素爆発はドリルで穴をあけるってやつだし)。そのなかで、いま知事が容認するうんぬんで、焦点になっているのが、玄海原発。そこで、こんな事件がおこっている。

九電が“やらせ”メール 玄海原発再稼働求める投稿 関係会社に依頼 国主催の説明会(しんぶん赤旗)

 九州電力玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開に向け、経済産業省が主催した佐賀県民への「説明番組」で、九電が関係会社の社員らに運転再開を支持する文言の電子メールを番組に投稿するよう組織していたことが、1日までに関係者の証言や内部文書などでわかりました。県民の原発への疑問や不安に答える番組で、九電が“やらせ”メールを組織することは県民の世論をゆがめることになり、重大な問題です。
 地元ケーブルテレビやインターネットで視聴できる説明番組「しっかり聞きたい、玄海原発」は6月26日に生中継で行われました。番組は、同省原子力安全・保安院や資源エネルギー庁の職員4人と大学教授が、国側が選んだ県民代表7人に安全性の説明や疑問に回答するというもの。
 関係者の証言などによると、番組前の23、24日に九電の関係会社の社内ミーティングや社内文書で、「九州電力から、このようなお願いが来ている」として、「(原発の)運転再開に賛成する電子メールを放送時間中に番組に送れ」と指示が出されました。
 その際、関係会社の管理職は「自宅からインターネットに接続して、番組の流れにあわせて運転再開を容認するメールを送るように」と方法を説明。文言について「一国民の立場で意見や質問を書くように」と、求めたといいます。
 26日の放送では、放送中に届いた視聴者からの11通の電子メールやファクスが読み上げられました。その中では、「福島の事故の収束見通しがつかない中で、運転再開すべきでない」とする反対意見がある一方、「原発廃止で産業が海外流出し、子どもたちがどうなるのか、次の世代のことが心配」などといった容認論も目立ちました。
 資源エネルギー庁によると、同番組にはメールが473件、ファクスが116件よせられたといいます。九電の関係会社は福岡など九州各地にあります。ファクスでは、佐賀県外からの投稿が発覚してしまうため、電子メールでの投稿を呼びかけたものとみられます。…

 古典的なやりそうなこと、どこかの省庁もやっていて問題になったのを思い出すのだけれどお。
 なぜ、こうも姑息なのかなあ。議論をあきらめさせたいのかなあ。
 こういうニュースも、暗澹たる気持ちになるよなあ。

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原発推進へ国民分断、メディア懐柔 これが世論対策マニュアル

 今日は、明治公園で大きな原発ゼロをめざす集会が開かれ、2万人を超える人が集まったそうです。なかなか、メディアではとりあげられませんが。ボクは、ずいぶん前からの個人的な約束があり、ちょっと参加はできなかったのですが。

 さて、

原発推進へ国民分断、メディア懐柔 これが世論対策マニュアル(しんぶん赤旗)

 原子力発電を推進するために学校教育や報道機関に情報提供を行っている日本原子力文化振興財団がまとめた「世論対策マニュアル」があります。原子力発電所の相次ぐ重大事故、度重なる事故隠しやデータ改ざんによる国民の不安感や不信感の広がりに対処するため国民を分断し、メディアを懐柔する指南書の全容とは―。

 「停電は困るが、原子力はいやだ、という虫のいいことをいっているのが大衆である」
 日本原子力文化振興財団が作成したマニュアルは国民をさげすみ、愚弄(ぐろう)する姿勢をあけすけに示しています。この文書は1991年に科学技術庁(当時)の委託を受けてまとめられた「原子力PA方策の考え方」(91年報告)です。電力業界や政府機関への提言となっています。
 91年報告は、さらに「繰り返し繰り返し広報が必要である。新聞記事も、読者は三日すれば忘れる。繰り返し書くことによって、刷り込み効果が出る」と、原発容認意識を国民に刷り込む施策を求めています。
 また、「原子力に好意的な文化人を常に抱えていて、何かの時にコメンテーターとしてマスコミに推薦出来るようにしておく」などと文化人、マスメディア取り込み作戦も具体的に提起しています。

事故は広報の好機
 91年報告は事故をも「広報のチャンス」とします。「事故時を広報の好機ととらえ、利用すべきだ」「事故時の広報は、当該事故についてだけでなく、その周辺に関する情報も流す。この時とばかり、必要性や安全性の情報を流す」「夏でも冬でも電力消費量のピーク時は話題になる。必要性広報の絶好機である」と指摘しています。
 原発反対派とのつながりも強調し、反原発の国民意識を分断させるシナリオも指南しています。マスメディア関係者との関係は、「会って一緒に食事をすることばかりではない」などと述べています。
 原子力の必要性については「電力会社や関連機関の広告に、必ず“1/3は原子力”を入れる。小さくてもどこかに入れる。いやでも頭に残っていく」「放射能があることは誰も知っている。原子力がなければどんなことになるのか、例をあげて必要性を強調するのはよい」など、脅しめいた手法も紹介しています。
 91年報告で指摘されている各種の手法は、東京電力福島原子力発電所の過酷事故を受けて原発反対の世論が広がるなか、原発推進のために各メディアが行っているやり方に通じています。

 なるほどというか、どのように原発は推進されてきたのかを考えさせられます。

 マニュアルの柱立ては

国民向け
★繰り返せば刷り込み効果
★文科系は数字をありがたがる
マスメディア対策
★良識的コメンテーターの養成
★テレビディレクターに知恵を注入
学校教育
★厳しくチェック
原発反対派対策
★つながりをもって

 とある。うーん、よく考えられたといえばそれまでだけれども。

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2011/07/01

米議会 グアム移転経費認めず

 沖縄をめぐっては、実際に、展望のない辺野古移転にしがみつく合意がなされ、すっかりゆきづまった状態だけれども、それを見直す圧力が、議会のほうからもかかる状態にある。

米議会 グアム移転経費認めず(NHK)

 アメリカ議会上院の歳出委員会は先月30日、2012年度の予算に沖縄の普天間基地の移設に伴って海兵隊の一部をグアムに移転させるための経費を、全額計上しないことを決めました。普天間基地を名護市辺野古に移すことを目指す日米両政府の合意の見直しを求める議会からの圧力が高まっています。
 アメリカ議会上院の歳出委員会は先月30日、2012年度の軍事施設の建設などに関する予算案を可決しました。この中では、沖縄のアメリカ軍普天間基地を名護市辺野古に移設することに伴って、海兵隊8000人をグアムに移転させるための経費1億5000万ドル、日本円でおよそ120億円全額が認められませんでした。その理由として、委員会は財政状況が厳しいことに加え、名護市辺野古に代替施設を建設することに地元沖縄の反対が強く、実現が不透明であることを挙げています。この問題を巡っては、先に日米の外務・防衛の閣僚協議がワシントンで開かれ、普天間基地の代替施設を名護市辺野古に建設することを目指すことを確認したばかりですが、これに対し、アメリカ議会上院では、軍事委員会のレビン委員長らが「非現実的だ」として見直しを求めています。今回の決定は、これまで日米両政府の合意を支持してきたイノウエ議員が委員長を務める歳出委員会によるもので、合意の見直しを求める議会からの圧力が高まっていることを示す結果となりました。

 もともと米軍再編はパッケージ方式、ならば普天間も固定化か? 嘉手納移設案か。だけど、それも大きな問題と壁があるのは周知の通り。まさに行き詰まりだ。だけど、それはただ、沖縄の問題にはとどまらない、日米同盟そのものの行き詰まりでもあろう。そこは、注目すべき点でもあると思うのだけれども。

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消費税10%、一体改革を閣議了解=菅首相、超党派協議を指示

 ほんとに暑いなあ。もうやってられないなあ。
 さて、ニュースをクリップ。

消費税10%、一体改革を閣議了解=菅首相、超党派協議を指示(時事通信)

 政府は1日、消費増税を掲げた社会保障と税の一体改革案を閣議了解した。政府・与党で決めた改革案の閣議決定には、消費増税に否定的な国民新党が反対したため、閣議への報告にとどめた。今後の与野党協議を経て法案を出す際に改めて閣議決定を目指す。
 菅直人首相は閣議後の閣僚懇談会で、「立場を超えた広い議論が大事だ。野党に協議を提案し、参加を呼び掛けていく」と発言。与謝野馨経済財政担当相や野田佳彦財務相ら閣僚に超党派協議の実現に向けて努力するよう指示した。
 一体改革は、高齢化で膨らむ社会保障給付の安定財源確保と財政健全化を同時に達成するのが狙い。改革案は社会保障の機能強化や効率化策を盛り込み、財源確保のため「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」ことをうたっている。

 昨日決定した成案はこれ。

 うーん、結局は、医療費の窓口負担の引き上げでしょう、年金の支給開始年齢の先延ばしでしょう、生活保護支給水準の引き下げでしょう。社会保障切り捨てがすすめられる内容がきっちり書き込まれていて、その一方で消費税を上げるという最悪の内容。それを「持続可能」という名で、国民に脅しをかける。そもそも、社会保障は、必要性からし出発するもので、議論が逆転していると思う。そのうえで、財源の問題をとっても、軍事費や浪費、大企業・大資産家などへの減税是正にはなかなかすすまないし。
 そもそも、震災の救援・復興がこれほど求められるときに、暮らしを破壊するような政策方向は、日本経済そのものにとっても深刻。
 だけど、閣議決定ができないほど、国民とのあいだには矛盾があることは自覚されている。一方で、自民党も及び腰ながら、消費税増税は遅すぎるなどの議論もでる。ひそやかに、いっしょにやりたい民と自(苦笑)。そんな構図も見え隠れする。

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