若者の気分 学校の「空気」
何度かの中断をはさんで、本田由紀さんのこの本を読み終えました。テーマそのものはとても大きなもので、横浜の中学生のアンケート調査を学生たちがおこなった結果から、中学生の今を読み解く。結構、膨大な調査をもとに書いているから、読み解くのはほんとうは難しい。学力(従来型の)や生きる力をめぐって、家庭の経済力や文化的な資産との関係、学校での友達関係における、島宇宙化やスクールカーストの現状など、必ずしも予想したようなものではなくところもあるけれど、それなりにこの間、議論されていた問題が、実証される。そして、それが、学校への満足度や教師との関係、そして将来への夢や展望などと、複雑なねじれをともないながら、それでも、やはりはっきりとした特徴として浮かび上がってくる。
ほんとうに格差社会のなかで、いろいろなしたたかさを身にまといながら、息苦しく生きる中学生たちの姿…。
決して、型どおりではない中学生の姿だけど、その中学生に正面から向き合った教育ってなんだろう。
やはり、自己責任、家庭責任から解放するような教育のあり方、子どもの成長は社会が支えるというありようが出発点だけど、だけど、将来への展望をどう紡いでいくのか。学校のあり方、目的なども含め、ほんとうによく考えなければいけないと考えさせられてしまった。軽く書いているように見えるけど、結構、大きな問題だなあと思った。
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