ぼくたちは見た~ガザ・サムニ家の子どもたち~
試写会に行ってきた。きついドキュメンタリー映画だ。舞台はガザ、今から2年半ほど前、イスラエルがこの地に侵攻し、多くの住民が虐殺された。サムニ家という一族も半数が虐殺された。ドキュメンタリーは、ほぼ全面、生き残った子どもたちへのインタビューで進行する。信じられない、恐ろしい自体が目の前で起こった恐怖と悲しみ、そんな個別の苦しみが現実にいっぱいあることについての自分の想像力の弱さに、まず冒頭からガツンとやられる。これは震災でも同じだろう。その現実への怒りは、当たり前のごとくイスラエルへの憎悪へと向かう。「イスラエルのしたことを絶対忘れない」と、子どもたちは口々にいう。
だけど、時が経つにつれ、子どもたちの思いは、怒りから抵抗への意思と変わっていく。そこもまた切ない。
子どもたちが、苦しみから解放されるには何が必要なのか。安定的な人の関係のなかで、愛情いっぱいに生活できること。同時に、戦乱のない社会への展望が見えないと、恐怖は消えないだろうなあ。だけど、いまだ、その両方もわれわれは見出せないでいる。
アラブの変化の行く手は、結局、アメリカとの関係がどうなるかを問うことになる。その核心にはパレスチナ問題がある。平和への歩みを踏み出すことができるのだろうか? この子どもたちの未来は?
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