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2011/06/17

渦巻く疑問 福島の被災受給者 生活保護打ち切り

 ここ数日、被災地での生活保護の打ち切りに対する批判が高まっている。生活再建のためのお金を当座の生活にまわせという、被災者を決して下支えしないような対応には、批判が高まって当然だし、そういう批判が広がることの健全さには安心する。

渦巻く疑問 福島の被災受給者 生活保護打ち切り(河北新報)

 東京電力からの仮払い補償金などを受け取った被災者に対する生活保護の打ち切りが16日、明らかになった。福島県の特に浜通り地方の被災者は津波で住まいを失ったり、福島第1原発事故で帰宅が制限されたりしているのに加え、仕事や通学で家族が離れ離れになっているケースも多く、生活費がかさみがち。補償金などを生活再建の元手というより当座の生活費に充てさせる国の方針に対し、被災地で疑問の声が上がっている。
 今回の措置で生活保護を打ち切られた南相馬市の40代女性は「保護を受けている立場で何とも言えない。お金がなくなれば面倒を見るという市の言葉を信じるしかない」とため息を漏らす。

 生活保護打ち切りは、南相馬市といわき市で行われた。浜通り地方10町村の生活保護事務を担当する県相双保健福祉事務所ではゼロ。対象者の大半が遠隔地に避難して家計の状況把握が難しく、打ち切りの可否判断まで至っていないためだ。
 南相馬市の打ち切りは避難先からの帰宅が進み、ケースワーカーの訪問が進んだためという側面もある。市社会福祉課は「国の通知に従って判断し、ほとんどの受給者に納得してもらった。状況が変わり生活が行き詰まったりすれば、すぐに相談してほしい」と話す。
 ただ他の地元自治体首長からは、補償金や義援金は生活費とは別との考え方も出ている。
 全域が計画的避難区域の飯舘村では16日、この問題が議会の一般質問で取り上げられ、菅野典雄村長は「避難住民は今までと違った生活を強いられている。収入が上がったからと打ち切るのは心ない政治」と国を批判。渡辺利綱大熊町長も取材に対し「義援金は生活費とは別物と考える」と話した。…

 この記事も指摘するように、根本には国の対応があるのだと思う。それは、どうも、いまはじめられている「生活保護改革」の流れと軌を一にするものにも見える。
 日弁連会長声明  「被災地の生活保護費の全額国庫負担と、生活保護制度改革の民主的な議論を求める会長声明」がでた。

 声明では、

 被災地の福島県や宮城県においては、本年5月2日付け厚生労働省社会・援護局保護課長通知「東日本大震災による被災者の生活保護の取扱いについて(その3)」に反する独自運用で義援金等を収入認定するなどして生活保護を打ち切る例が相次いでおり、今後同様の動きが他の被災地にも広がることが懸念されている。被災者支援を言うのであれば、保護費を削減するための制度改革ではなく、前記のような通知に反する運用の是正指導を徹底するとともに、被災地の財政負担を軽減するため、国家責任の原理(憲法25条、生活保護法1条)を貫徹し、当面、被災地に限定した保護費の全額国庫負担を緊急に実現することこそが求められている。


 声明は、同「協議」の開催はわずか1週間前に明らかにされ、非公開で実施されており、その法的位置づけや開催方法などの手続が極めて不透明であるという重大な問題があると指摘する。生活保護制度は、最後のセーフティネットとして市民の生存を支える極めて重要な制度であり、その抜本改革に向けた議論は、生活保護利用者、その支援者や弁護士、学識経験者の参加のもと、公開の場で民主的に行われるべきであると。

 今朝の朝日の「記者有論」で清川卓史記者が、「生活保護改革 受給者200万人の声を」という文章を書いていた。密室の実務協議で8月までに生活保護のあり方を見直すとし、とくに「期間を設定した、集中的かつ強力な就労支援」がテーマとなっているが、それは有期保護につながる懸念があり、集中的な就労支援についても、その内実に不安がひろげっていると指摘している。そして何よりも、密室で議論をすすめ、受給者の声を聞かないことに強い疑問を投げかけている。正論である。

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コメント

障害者の方々と東日本大震災による被災者の方々の為に中島みゆきさん作詞作曲「ファイト」:の動画:YouTubeと歌詞を貼ってみました。 大学生活の中において、見ず知らぬ学生とよく喧嘩しましたが、18歳のバイク事故による脳挫傷の後遺症:大学生の発達障害と思う。 世界保健機関(WHO)の報告では、心身に障害を抱える人が世界で少なくとも10億人と言われており、コレは世界の人口全体の約15%にあたるそうです。

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