ポピュリズムを考える 民主主義への再入門
著者の問題意識はよくわかる。「ポピュリズム=大衆迎合なのか?」、著者はそう問いかける。むしろ、政治と政治をとりまく社会の変容がポピュリズムを生む。ポピュリズムを直接生みだすのは、むしろ民主主義の危機的な状況にある。決して、ポピュリズムが民主主義を危機にさらすのではなく、社会への不満を押さえつけるような、民主主義の危機がポピュリズムを生む出すのだ。だからこそ、ポピュリズムは、国家主義や新自由主義とむすびついたものであっても、本来、ラディカルでもあると。そして、その先の可能性を、著者は訴える。
なるほど、ポピュリズムが決して、一つの、結論をもった政治体制ではなく、過渡期的なものであることも、この本を読むと、頷かされる。でも、それでも、なぜ、今のような性格をもったポピュリズムが生まれるのか、もう一つ、うなさられるような回答があるわけではない。
そして、だけど、では、ポピュリズムをコントロールして、その先にすすんでいく道筋については、答えは、もう1つ、陳腐でもあるような。期待以上の答えは見いだせない。
なぜだろうか。民主主義を論じるのはむずかしい。民主主義は、システムでもあるが、人間の尊厳を基礎にした社会のありようでもある。その社会には、さまざまな対立や矛盾があろう。その社会全体のさまざまな問題を、ひとくくりにして、論じるには、どうも無理があるのだろうなあ。そういう入り組んださまざまな問題を内包した社会のそのものが、人間の尊厳を基礎にした社会であるために、何に直面しているのか。そういう積み重ねの中で、もう1度、民主主義のあり方は問えないのだろうか、などと考えたりもする。
ボクには、まだよくわからないのだけれども、なあ。むずかしいなあ。
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