総力戦体制と「福祉国家」―戦時期日本の「社会改革」構想
おもしろかった。総力戦論批判は大事だと思う。雨宮さんのような議論はやっぱりついていけないし、歴史的な事実は違う。だけど、総力戦の時代の社会の変容を、ファシズムって言葉で、ぜんぶ流してしまうと、その時代の変化は見えなくなってしまう。日本の社会は、産業的な変容のもとで、変わり始めていたのも事実。そこで、構想されたものには、ファシズムという言葉だけでは、流しきれない客観的な変化がある。それが、その社会の主軸にはならず、むしろ、占領下で、そういう構想が引き継がれなかったことを見ないと、戦後の社会の変化や、その後の高度成長や、国民のたたかいの意味もまた見えなくなる。
社会の変化というものは、重層的立体的だ。そういうことを学ばされてくれる一冊。そこから、戦後の変化やたたかいの意味、憲法の意義をも行間から学べるような本だったと思うなあ。
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