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2011/04/24

福祉の真価が問われている ~障害者 震災一か月の記録~

 最近、あんまし眠れない感じの日々が続いたから、とにかく、無理してでも寝ようと、がんばって10時過ぎまで寝て(笑い)。あとは、今日は、インタビュー準備の資料を読み込む一日。今度はやや専門的なテーマだから大丈夫かなあ、などと少し心配だけど。だいたい必要なものを読み終えたかな。

 さて、今日は、ETV特集で表題の番組。

Img0424_01s 東日本大震災では犠牲者の半数以上が65歳の高齢者で、これに障害者を加えた「災害弱者」の割合は非常に高いことがわかってきた。「有事こそ真価が問われる」という言葉の通り、震災に直面した災害弱者は日本の福祉の現状を赤裸々に映し出すことになった。
 未曽有の大津波に襲われた彼らの生死を分けたものは何だったのか。自らの力で判断したり移動することが出来ない「災害弱者」たちは、どのように避難したのか。宮城県の被災地である石巻、多賀城、仙台などで生き残った被災者を取材したところ、日頃からの近隣住民との“つながり”の有無が鍵になったことが浮かび上がってきた。知的障害をもつ息子を抱えることが出来ず、逃げ遅れた母親を救ったのは毎日挨拶を交わしていた近所の男性だった。
 辛くも生き延びることが出来たものの、最も深刻なダメージを受け、それが最も長期化すると予想されているのも彼らだ。避難所で排尿も自由に出来ず、体を動かすこともままならない。その結果持病が悪化し、身体機能が落ちてしまうケースが後を絶たないのだ。
 番組では震災発生から表には出てこない災害弱者たちがどのように命をつないできたのかを克明に追い、福祉の真価を見つめ直す。

 なるほど、震災のもとで、障害ある人々が生きていきくうえで、どんな課題が浮上しているのか、明らかにしてくれている番組でもある。番組そのものは、ていねいに取材されていた。
 避難所の困難、避難所にもいけずに、家族で家などにとどまって暮らしている困難。もっともっと、さまざまな困難もあり、また、被災直後から、障害ある人たちの支援のためにがんばっている施設や団体のとりくみなどもたくさんあるのだろうなと、想像させてくれる。
 何が浮き彫りになったのか。もちろん、”つながり”は大事だし、津波のもとで、どのような避難のあり方があったのかも大事は大事。だけど問いかけているのは、やっぱり、いまの障害者福祉は、障害ある人一人ひとりの人間の尊厳を基礎に、十分な施策は組たてられず、いまだ個人や家族がそれを担わなければいねない現状が、災害を前に、破たんをきたしてしまうことにあるのだと思う。
 震災で、地方自治体も壊滅的な被害を受けたのだから、いま、国が、こういうときに、障害ある人の権利というものに立脚した、災害対策を講じることがまず求められるんじゃないかと思うのだけれど。

 そんなことを考えずに、数日前、国は、障害ある人の意見を十分反映しない形で、障害者基本法の改正案を閣議決定した。それが、いま国のすべきことではないとは思うのだけれども。

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