日本の放射能汚染水放出、韓国政府が公式懸念通達
ちょっと苛立つことが多い。というかもしかしたらこの国の政府は、まともな統治能力そのものを失っているのかしらとクラクラしてくる。この間も、海外からの苛立ちはつのっている。その最大の原因は、まともな情報公開がなされていないことなのだと思う。だから、日本ではなされていないいろいろなシミュレーションがネット上を賑わすことになる。
ボクは、そのすべてがただしいと思わない。ある特定の仮定にもとづいたものなのだと思うけれども、だったらなぜ、もっと情報がいちばんあるべき日本から、必要な情報が発信されないのか、そのことに苛立ってしまう。そこにつけこんで、論理的におかしいなあと思えるような、専門家を語った分析も氾濫する。それは、実際に、情報が出されないし、とくに、放射能の漏れだけではなく、炉心がいったいどうなっているのかなどの情報が出されないので、最悪の事態そのものの考えなければいけないわけで、判断のしようがなくなってしまうのだから。
そんななかで、政府はおどろくべきこともしでかしてしまう。
日本の放射能汚染水放出、韓国政府が公式懸念通達(聯合ニュース)韓国政府は6日、東京電力が福島第1原子力発電所から放射性物質を含む水を海に放出したことに対する懸念を日本に公式に伝えた。
外交通商部東北アジア局の張元三(チャン・ウォンサム)局長は同日夕、外交通商部庁舎に兼原信克駐韓公使を呼び、日本の放射能汚染水海洋放出行為に対する韓国内の不安と懸念を伝えた。同部関係者が明らかにした。
同日午前には在日韓国大使館の参事官が外務省経済局の政策課長を訪問し懸念を伝えているが、これより1段階進んだ外交的対応措置を取ったことになる。
この席で張局長は、汚染水の海洋放出は日本だけの問題ではなく、近隣国にも影響し国民に心理的不安を与える事案だとし、事前に通達すべきだったのではないかと指摘した。そのうえで、今後こうした問題があった場合は事前に通達し、十分な情報を適時に提供してほしいと要請した。…
海は国際的な公共物であるのだと思う。一国の判断でしていいことといけないことがある。ましてや、いくら影響が少ないなどと強弁しても、海洋への放射線廃棄物の廃棄は前例のないことで、いったいどんな影響があるのかなど、どう考えたってわからない。そんな問題を隣国政府との相談なしでおこなってしまうなんて、信じられない。極端な話、国際社会から、地域の安全の脅威だと認定されてもおかしくはない行為でもある。言ってみれば、リビアに介入するならば日本にも介入しろという議論にもなってしまう。
なんで、こんなことになってしまうのか、政府はパニックにおちいったまま回復していないのだろうか?などと思ってしまう。そもそも、水の汚染が明らかになった段階で、この問題は想定できなかったのだろうか?なぜ、あらゆることを想定して、あらゆる手立てが打たれないのか?そういう政府の判断のありようが問われてしまう。傲慢と楽観とそして、絶望がないまぜになったようなパニックなのか?
その一方で見えない復興への豊かな議論。大連立をめぐって、駆け引きに終始する民主と自民。ほんとうに日本の政治は、正念場というか、重大な岐路にあるということができるのだろうか。
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