看護崩壊 病院から看護師が消えてゆく
ええ本書くわ、小林美希さん。今度の本はとくにいい。こんなことはいまあまり言いたくはないが、地震の前後にこの本を読んでいたわけで、地震で問われているこの国の政治のあり方というものと、どうしても考えてしまう。それは、人を何よりも大切にする政治がおこなわれているのかということ。ほんと言いたくはないが、これまでも、これからもそれがいちばん問われている。
ボクも友人に看護師がたくさんいるけれども、その労働のあり方が、いかに深刻で、そのことが看護師不足を拡大し、いっそう医療の現場を深刻にしているということを正面から考えさせられる。この本では、とくに若い人の問題を論じているわけではないけれども、非常に、しんどい若者期をおくっている若手が、熱意と使命感で働き続け、傷つき、さっていくその姿は、もう痛々しい。そんな現場の実状をしらない医療改革が、いっそうの事態の深刻さを生んでいる。
もうこんなことやめようよ。ほんとうに人を大切にするような社会のルールをつくっていかないと、もう医療はもたない。この国は崩壊する。そんなこと、政治の決断でできるのではないのか。それが政治でしょう。
もう1つ、考えたのは、相方の労働の実態。特別支援学校の寄宿舎の勤務だけど、かつてよりだいぶ減ったけど月5回の夜勤がある。その勤務は、短くても連続20時間、長いときははるかに24時間を超える。子どもの障害が重度重複化しているため、仮眠もとれないことが多い。しかし、深夜の時間帯は労働時間にはカウントされないので、あけの翌日は日勤となる。その問題性は裁判でも認められていない。これってなあ。夜勤労働がどれだけ人間にとって荷重なのかということは、あまり問題視されていない。
つくずく何とかしないとたいへんなことになると、考えさせられた。この問題にも鈍感じゃいかん。
« 福島原発事故、スリーマイル以上=深刻さは「レベル6」か-仏核安全局 | トップページ | 被災にあわれた方に必要な情報を »
「読書」カテゴリの記事
- 「歴史抹殺の態度を変えさせなければ」8月31日に都内で関東大震災朝鮮人・中国人虐殺犠牲者の追悼大会(2024.08.25)
- 木原稔防衛相、終戦の日に靖国神社に参拝 韓国「時代錯誤的」と反発 :「ニライカナイには行けない」(2024.08.15)
- 9月号ができています(2024.08.12)
- 『沖縄県知事 島田叡と沖縄戦』と「島守の塔」(2024.07.28)
- 保護者「性急過ぎる」 那須と栃木の寄宿舎、年度末閉舎 方針に戸惑い(2024.07.11)
「政治」カテゴリの記事
- 河野大臣「自由に働き方を決められる制度が大事」 希望者には“勤務時間の上限廃止”も 働き方の規制緩和を表明(2024.09.05)
- 沖縄県の原告適格性、二審でも認めず 県は上告を検討 高裁那覇支部 新基地建設を巡る県と国の14訴訟で最後の係争案件 玉城デニー知事「残念」(2024.09.03)
- ほんとに、総選挙はいつになるのか(2024.09.02)
- 小1の不登校が2年で倍増 「幼・保・小」の連携で対応(2024.09.01)
- 自衛隊、宮古・八重山や奄美に新拠点検討 2025年度の概算要求 訓練場や補給の適地有無を調査 2027年度には那覇に対空電子戦部隊(2024.08.31)
「経済」カテゴリの記事
- 河野大臣「自由に働き方を決められる制度が大事」 希望者には“勤務時間の上限廃止”も 働き方の規制緩和を表明(2024.09.05)
- 小1の不登校が2年で倍増 「幼・保・小」の連携で対応(2024.09.01)
- 私の問題から、みんなの問題に(2024.08.28)
- 最前線 カマラ・ハリス氏の40分 最重要の見せ場で訴えた五つのポイント(2024.08.23)
- インクルーシブの対極の展開が十分に予想される(2024.08.22)
「若者」カテゴリの記事
- 給食ない夏休み「恐怖」 過去最多2921の困窮家庭へ緊急食料支援(2024.07.25)
- 「命と向き合った日々」(2024.07.07)
- 深夜の東大安田講堂前に学生100人集結、警察官臨場も… 授業料値上げを巡る「総長対話」の一部始終(2024.06.24)
- 東京大学 授業料引き上げを検討 学生らの団体 撤回を訴え(2024.06.14)
- 来春卒大学生の採用面接解禁 既に内定率78%、進む形骸化(2024.06.01)
« 福島原発事故、スリーマイル以上=深刻さは「レベル6」か-仏核安全局 | トップページ | 被災にあわれた方に必要な情報を »
コメント