参議院とは何か
さすがに賞をもらうような本なので面白かった。参議院の歴史をていねいに追う。参議院は決して衆議院のコピーではなく、法案の成立、修正、法案の作成過程など制定過程に独自の役割をはたしてきたということを明らかにしている。
こういう実証研究のおもしろさはあるが、こういう参院の役割を、国民世論の関係で明らかに知るという作業が必要かとも感じる。
もう1つは、この本では審議そのものにはふれない。本来、審議を通して、法案の問題を国民に伝え、国民の声が法案の内容や成否に影響を与えるというのが議会制民主主義の大事な点ではないのか。
日本の政治はどうも政局が好きだ。それはマスメディアも同じ。しかしそれではおいていかれる国民の生活は救われない。
このあたりをちゃんと深めないと、今の国民のあいだにある議会不信は解決しない。著者の改革案の多様な民意を反映する選挙制度にというのは共感するが、もう一歩踏み込む必要がある。
国民主権や議会制民主主義という視点で国会というものをとらえたいとは思う。
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