緊急シンポジウム「すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会のために~『子ども・子育て新システム』を考える~」
今日は、インタビュー整理の仕事に没入。午前中は、関係する新聞の整理。午後からは、実際の整理ですね。朝から、どうも気持ちの落ち込みが激しい。そして、何よりも眠いです。よくよく考えると、抗アレルギー剤の影響ですかね。正直、つらい季節になっていきます。あ~あ。
夜は、日弁連主催の緊急シンポジウム、「すべての子どもへの良質な成育環境を保障し、子どもを大切にする社会のために~『子ども・子育て新システム』を考える~」を聞きに行く。
まず、全国保育団体連絡会の実方伸子が基調講演。かなり、ていねいに「子ども・子育て新システム」について説明。こういう場だから、どうしても保育のことが中心になる。わかりやすい話だったけど、時間のせいもあり、最初の待機児などの問題について話は受けきれなかったのは残念。たしかに、行政の義務、最低基準、財政の公的保障と応能負担の原則が大事というのはわかるけど。続いて、父母の発言。どうしても、これまで行っていた集会の発言者、発言内容が重なる。運動の広がりが、ちょっと心配になるのはボクだけかなあ。今度の新システムが、児童福祉法の根幹の改悪にかかわるのならば、そもそも児童福祉法の精神とはなんだったのか、それが、どのように力を発揮し、一方で待機児問題に代表されるようになぜ十分には実現していないのかについて、もっと光があてられるべきなのかなあ。
後半は、パネルディスカッション。連合の中島さんは新システムの議論のなかにいる人だけど、正直、終始。歯切れが悪く、何を言いたいのかよくわからなかった。民主党の泉さんは、はっきりいって非誠実。新システムが、保育制度をつぶすような形になったのは厚生労働官僚のせいだと責任をなすりつける。たしかに、この部分は、自公政権のときにはじまった議論だけれども、問題は、それが民主党政権のもとでも引き継がれているということ。厚生労働省主導の議論であるにしても、政治はそれを変えるイニシアチブを発揮した形跡はない。むしろ、政治の駆け引きのはてに、その議論にのっかっていく経緯は、自立支援法に重なる。寺町さんは、彼女が寺町さんですか。何度も、話は聞いたことがある。今日も、いい話(笑い)。
自治労の秋野さんの話がいちばんややこしい。たしかに、新システムは保育だけではないし、子どもにかかわる福祉というのは縦割りで、手が届かない部分が生じる。より劣悪な施策の状況もある。だから、横につながり、国民的な議論にしなければいけないというのもそれは、そうだ。しかし問題はそんなに単純じゃない。1つは、今度の制度改悪そのものが、保育改悪というものそのものを内包しているということ。保育の改悪そのものが1つの大きな目的になっているということは否定できないからだ。そうすると、全体を議論することは、その仕方によっては、この点をあいまいにしかねないことになってしまう。もう1つは、では、全体を議論すれば、それで全体が改善するのかという点。1つひとつの課題そのものについての要求が高まらないと、やっぱり改善はしないのだから。たとえば学童保育にしても、ここの運動が政治にせまっていかないとやっぱり変わらない。だけれども、小さな運動ほど、そういう要求を実現する上での諦めみたいなものもある。ならば、そういう運動の要求や課題というものを励ますような政策的な提起は必要なのかなとも感じるなあ。そして、保育の改悪が、そういう分野の前進をも阻むことになるということも必要なのかなあ。などなど。もちろん、その前提として、子育て政策全体を視野に置くことも大事だろうな、などなども。
いろいろ考えさせられた。
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